固定資産税は、毎年1月1日に賦課されるが・・

判例分解ノック 1本目 平成19年6月27日 埼玉地方裁判所 判決

概要
宗教法人Xは、平成17年5月11日付で、本件土地を墓地の所在地として、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)に基づく墓地経営の許可をS市長に申請し、同年6月2日付で許可された。同年6月15日付で、S市農業委員会会長に、転用の目的を墓地として、転用許可の申請をした。そして、同月22日、Xは本件土地を購入。上記農業委員会会長は、転用の許可を与えた。Xは、6月22日付で、S市長に対し、予定建築物の用途を霊園の管理施設として、本件土地含む区域に、都市計画法の規定による開発行為の許可を申請し、同市長は同年7月21日付で、Xに対して上記申請を許可した。
 Xは、平成17 年8月1日、墓地造成工事を開始。Xは平成18年3月1日付で、S市長に工事完了の届け出をした。S市市長は、同月27日付で、墓埋法に基づく許可の内容に適合していると証した。
 S県M区長は、平成18年5月1日付で、本件土地につき、雑種地として、固定資産税・都市計画税について賦課(課税処分)した。
 Xは、これを不服として、本課税処分について、審査請求そして、提訴した。

争点
本件土地は、平成18年1月1日現在、地方税法に、規定する「墓地」に該当するかどうか。

判旨
「地方税法が墓地について、固定資産税を非課税としたのは、当該土地を死体や遺骨を埋葬し得る墓地としての現況を備え、公共の用に供することによって、当該土地の所有者によるその他の使用収益の可能性がなくなり、ひいてはその資産価値を見出せなくなるからであると解される。
 また、墓埋法4条1項によれば、同方法10条1項に基づく墓地経営を受けている区域でない限り、適当に死体を埋葬したり、焼骨を埋蔵したりすることができないのであり、これは公衆衛生、その他公共の福祉の現地からの合理的な規制であると解されるから、墓地経営許可を受けてない土地は、墓地として公共的な用途有するとは言えない。
 そうすると、ある土地が地方税法348条2項4号の「墓地」に該当するためには、賦課期日において、当該土地が墓埋法10条1項に基づく墓地経営許可等を受けた区域であるとともに、死体や遺骨を埋葬し得る墓地としての現況を備えていること要すると言うべきである」

フレーズ
『「墓地」に該当するためには、賦課期日において、当該土地が墓埋法10条1項に基づく墓地経営許可等を受けた区域であるとともに、死体や遺骨を埋葬し得る墓地としての現況を備えていること要する』


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