仏大統領「ウクライナへの部隊派遣排除せず」と発言、スロバキア首相「一部の欧米諸国が派兵を検討」、しかしそれがなされたら世界大戦、その後は・・

 本日一斉に報道されている、仏大統領発言です。
マクロン大統領 ウクライナへ地上部隊派遣の可能性 “排除されるべきではない” | NHK | ウクライナ情勢(2/27)
「フランスのマクロン大統領は、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナに対し、欧米側が地上部隊を派遣する可能性について「合意はない」としながらも、「いかなることも排除されるべきではない」と述べました。」(同記事より直接引用)
 一国のそれも欧州の大国フランスの大統領の発言です。その重みはあります。
「この会合に先立ってロイター通信などは、ウクライナへの軍事支援に否定的な立場を取るスロバキアのフィツォ首相が「一部の欧米諸国がウクライナへの派兵を検討している」などと発言したと報じました。」(同記事より直接引用)
 軍事支援に否定的な立場で反対のスタンスからですが、スロバキア首相も「一部の欧米諸国が派兵を検討している」と発言した、とのことです。このスロバキア首相の発言の根拠は不明ですが、一国の首相からもこうした発言がでています。
 現状ではウクライナ軍だけでロシア軍を撤兵させるのは無理です。
「ウクライナのゼレンシキー大統領は2024年1月25日、ロシア・ウクライナ全面戦争にてウクライナ軍人は3万1000人死亡した」。←昨年に『ニューヨーク・タイムズ』紙が推計したウクライナの戦死者数の半分以下となっている。「NYTによると、ロシア軍の死傷者は30万人に近づいており、このうち死者は最大12万人、負傷者は17万─18万人に達しているもよう。ウクライナ軍の死者は約7万人、負傷者は10万─12万人と推計されるとしている」(野口和彦先生xから直接引用)
 ゼレンスキー政権はウクライナ軍の死者数3万強と発表しましたが、実際はその倍以上でしょう。ウクライナ軍は武器だけでなく、兵力も不足しています。
「徹底抗戦支持、武力でロシア軍撤兵」を目指す以上、欧米諸国の派兵が不可欠なのは自明です。そして欧米諸国が派兵に踏み切れば、自衛隊も何らかな形で現地に派遣されることになるでしょう。
 日本も含めた世界大戦となります。その後に待っているのは・・・、言うまでもないでしょう。
 「徹底抗戦、軍事支援支持」としていると、戦争が長引けば支援国に求められる、あるいは行うことになる軍事支援の質が変わってくる、つまり費用や武器の供与だけではなく、やがては「派兵の可能性も」とは前々から指摘してきた次第です。
 「軍事支援、徹底抗戦支持」の方々は、「米欧日の派兵→日本も含めた世界大戦も、ロシア政権による侵略という不正義を認めないためにはやむなし」なのでしょうか?建前論ではなく、本音でこの点について議論していく必要が不幸にも生じつつあります。

私は世界大戦に通ずるようなことには絶対反対、ですから即時停戦・和平交渉での解決を、今改めて強く主張します。

「(NATOのストルテンベルグ事務総長は)ロシアのプーチン大統領は『NATOのドアを閉めたかったからこの戦争を始めた。しかし、彼は正反対のことを成し遂げた。ウクライナはかつてないほどNATOに近づいたのだ。ウクライナはNATOに加盟するだろう…1/nそれは加盟するかどうかではなく、いつ加盟するかの問題だ』と発言した」。2/n←ロシアのウクライナへの侵略は、NATOをウクライナへと拡大しようとしたことが引き金(起因)になったと、ストルテンベルグ氏は再度、認めている格好だ。」(野口先生xより直接引用)
 ロシア政権による侵略は許されない、しかしNATOの東方拡大・ウクライナまでもの拡大がその引き金となったことは、否定できないし、上記の野口先生のxにもあるよう、NATO事務総長自体が再度認めている格好です。「即時停戦、ウクライナ側はNATO非加盟、ロシア政権側は占領地返還撤兵」という形での和平合意で終結、すべきではないでしょうか?

なおNATOの東方拡大を肯定的にみる見解がロシア政権後強くなっていますが、NATOが軍事同盟である、という現実は変わりません。私はNATO拡大については、「ロシアにとっての脅威・ロシアを刺激する」という以前に、「いかなる軍事同盟の拡大にも反対」という立場から、NATO拡大を肯定的にみることは決してぎきません。

白井邦彦
青山学院大学教授




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