バイデン氏「ガザ、大量虐殺ではない」、ICCのネタ二エフ氏への逮捕状を強く非難、ロシア政権のウクライナ侵略・プーチン氏とどこが違うのか?

バイデン大統領 イスラエルの行為「ジェノサイドではない」ICC逮捕状請求を非難 (msn.com)(5/21)
「アメリカのバイデン大統領は、イスラエルがガザ地区で行っていることは「ジェノサイド」(=大量虐殺)ではないと述べ、イスラエル指導部への逮捕状請求を非難しました。」(同記事より直接引用)

バイデン氏によれば、イスラエルがガザで行っていることは「大量虐殺ではない」とのことです。ロシア政権によるウクライナ侵略、その過程で生じたブチャなどでの虐殺をあれほど非難しながらこの判断はなんでしょうか?
またICCはネタ二エフ氏らの逮捕状の請求を現在行っています。判断は予審判事部に委ねられています。その判断もどうなるかわかりませんが、バイデン氏は逮捕状請求自体を強く非難しています。プーチン氏への逮捕状に対してICCを礼賛した対応とは180度異なっています。

 ロシア政権によるウクライナ侵略、イスラエルによる長年にわたるパレスチナへの侵略抑圧行為、それは一体どう違うのでしょうか?またブチャでの虐殺とガザでの虐殺はどう違うのでしょうか?私はロシア政権による侵略・イスラエルによる侵略抑圧ともに強く反対、ブチャ虐殺もガザ虐殺も強く非難する、同時共に即時停戦・和平交渉での解決を目指すべき、という立場です。
 しかしバイデン氏はロシア政権の侵略とイスラエルの侵略、ブチャの虐殺とガザの虐殺は異なった評価をしています。
 両者の違いは、「ロシア政権による侵略は米国の陣営には入らないロシア政権が行ったこと、イスラエルの行為は自国の陣営内の国が行ったこと」ということです。バイデン氏の判断基準はまさにこの点にあるのであり、「国際法秩序」「民主主義・人権」が判断基準にあるのではありません。

 この点はまさに現在明確な形で現れています。米国がウクライナへの軍事支援を行う同時にイスラエルへの軍事支援を今なお続けるもまさにこの判断基準によるものです。

 このような連関で考えたとき、米国のウクライナへの軍事支援、それを得てのゼレンスキー政権の徹底抗戦、を肯定的にみてしまっていいのでしょうか?それを肯定することは、先に述べた米国の判断基準をも肯定することになるのではないでしょうか?

私はいかなる国であれ侵略行為には強く反対、同時に米国の判断基準も全く認めない、そこからの結論が「即時停戦・和平交渉での解決」です。
 ガザ・ウクライナともに即時停戦、和平交渉での解決を!です。

白井邦彦
青山学院大学教授



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