ロシア・ウクライナ戦争について考える4ーウクライナ軍の死傷者はなぜ報道されないか?-

基本的立場
ロシア政権によるウクライナ侵略、数々の蛮行は全く容認できず強く抗議するとともに、人命尊重の観点から即時停戦・和平交渉での解決を主張します。同時にマイダン政変・ゼレンスキー政権も支持できない、という立場です。

少し前のものですが下記の記事の後半部分を読んで不自然さを感じました。
キーウにまたドローン攻撃 東・南部で露軍拠点破壊 - 産経ニュース (sankei.com)(12/14)
 前半のロシア軍によるキーウへのドローン攻撃など言語道断です。
そのうえで後半部分についてです。ウクライナ軍の戦果、その過程でのロシア軍の死傷者数は報道されていますが、ウクライナ軍の死傷者数は全く報道されていません。まさか0ではないでしょうし、ロシア軍の死傷者数は把握できてもウクライナ軍の死傷者数は全く把握できない、ということはないでしょう。
 そう思って様々な記事をみると、ウクライナ軍の戦果とその過程でのロシア軍の死傷者数は報道されていますが、戦闘の過程でのウクライナ軍の死傷者数の報道はなされていません。
それはなぜでしょうか?
 もし報道においてウクライナ軍の戦果とともに、ロシア軍だけではなくウクライナ軍側の死傷者数も常に報道されていたら、あるいは少なくとも「ウクライナ軍の死傷者については発表はなされていない」という言葉が付け加えていたら、どうでしょうか?ロシア・ウクライナ戦争についてまた別の見方がなされうる、と思います。
 ロシア軍の侵略や占領行為は絶対許されない、それを前提としてですが、領土は一度奪われてもその後の政治力学などで取り返えせる可能性はありますが、一度失われた命は絶対に取り戻すことはできません。領土を軍事奪還してもその過程で奪われた命は絶対に戻りません。その現実をどう考えるか?
 ウクライナ軍側の死傷者数が報道されないのは、率直にいって戦争の現実を覆い隠し上記の点を考えさせないようにしている、という意図があるのでは、との懸念があります。
 今この瞬間にも戦場で多くの死傷者が出ています。人の命ほど大切なものはありません。その点を第一に考えるべきではないか、私は強く訴えたく思います。
 ウクライナ軍の戦果は伝えられ、しかしその過程でのウクライナ軍の死傷者数には触れられない、という報道に接すると、「その過程でどれだけの死傷者が出たのか、そこに目を向けるべきではないか、ウクライナ軍の死傷者数には触れない、でいいのか」という気持ちを常に持ちます。

追記1
 前回の記事で「二重基準」の問題に言及しましたが、「二重基準」は人道支援にも存在し、国際社会に存在するロシア・ウクライナ戦争はその「二重基準」の存在をも露呈させてしまいました。
ウクライナ支援称賛、他の紛争でも同様の対応を HRW 写真9枚 国際ニュース:AFPBB News(1/12)
 世界各地で戦火に苦しんでいる人はいますが、上記の記事にあるように人道支援も残念ながら平等には行われていません。人種・民族・国籍・肌の色にもかかわらず人の命はみな平等のはずです。
どの紛争に対しても同じ対応がなされるべきです。

追記2
 前々回の記事でウクライナで事実上すべての野党が親ロ政党とされて禁止されていることを述べました。下記の次第です。
ウクライナ安保会議、親露政党の活動を禁止を指示 (ukrinform.jp)(3/20)
ukrinformはウクライナの国営通信社ですから、政府の公的な動きについては正確に伝えているとみていいでしょう。
 私はウクライナに野党第一党を含めこれほど多くの親ロ政党が存在していたとは思えないで、親ロのレッテルを張っての政敵つぶし、とみます(なお共産党はすでに非合法化されている)。
 こうした措置は戦後も続くのではないか、親ロ政党として禁止された政党(ほぼすべての野党)は戦後においても合法性を再び確保することはできないのでは、と危惧しています。






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