(創作)仮面ライダーガッチャードデイブレイク15話 憎しみの火消し

前回までの仮面ライダーガッチャード

世界の危機に巻き込まれた一般人と、彼らを守る錬金術師がガッチャンコ!仮面ライダーの活躍で救われた人々。しかし、それはさらなる悲劇の序章に過ぎないのだった。


ー仮避難所
(前回から半年後)
(ギスギスした雰囲気)
山寺さん家族が殺されたあの日を境に、この避難所では、夜が明けると、定期的に誰かが遺体で発見されるようになった。最初は錬金術師以外の犠牲者が続いて、もっぱら疑いの目は錬金術師に向けられていたが、次第に錬金術師にも犠牲者も出るようになったことで、両者の対立は本格化。錬金術師と一般市民の居住区画は完全に分けられ、一般市民も自ら武器を調達して自衛が可能となったため、敵襲への対応もそれぞれが独立して行うようになった。精神的にギリギリの極限状態での避難生活が続いたせいか、冷静に考えればあり得るはずがないような噂話を信じ込むようになり、互いが互いを憎み合い、一歩間違えれば本当の敵を見誤りかねない、そんな危うい状況と綱渡りの日々であった。

ー一般市民区画
市民1「錬金術師め、、、おい!このままじゃ、今に大変なことになるぞ。」
市民2「こうなったら、こっちが全員殺られる前に、殺っちまうしかねえだろ!」
(賛同する者、怯える者、、、)

ー錬金術師区画
錬金術師1「ったく、一体どうすりゃいいんだよ!」
宝太郎「どうして、こんなことに、、、」
零花「でも、向こうが一気に攻めてきたら、いくらこちらが錬金術を使えるとはいえ、相手の人数が多すぎる。もし私たちが全滅したら、本当に世界はグリオンのものに、」
宝太郎「やっぱりみんなで協力しないと!俺、もう一度、話してくる。」
銃斗「無駄だ。」
宝太郎「、、何でだよ?」
銃斗「もう何度も話してダメだっただろ。それに、漠然とした恐怖や不信感は、正常な思考を鈍らせる。その状態が継続されればされるほど人間は、最も憎みやすい対象を憎む。」
(外から大きな物音が聞こえる)
宝太郎「ドレッドか、、」

ー小屋
アトロポス「クロトーは、これからどうするの?」
クロトー「私は何としてでも、奴に復讐する。私たちからラケシスを奪った、グリオンに。」
(クロトーの毅然とした態度に驚くアトロポス)
クロトー「アトロポスは?どうする?」
アトロポス「僕は、、分からない。」
(沈んだ面持ちのアトロポス)

ー拠点の外
(ファイヤーガッチャードデイブレイクスチームホッパーに変身してドレットルーパー軍式との戦闘)
宝太郎「はぁぁぁぁ!」
(武器を手にした一般市民も外に出てくる)
一般市民3「錬金術師ども!どけ!おりゃぁぁぁ!」
(ドレットルーパーに向けて銃を乱射、流れ弾で錬金術師も被弾しかける)
零花「ちょっと!危ないでしょ!」
一般市民3「うわぁぁぁぁぁ!」
(しかし銃弾では倒せず、そのままドレットルーパーに襲われてしまう)
宝太郎「はぁぁぁあ!」
(錬金術師区画側のドレットルーパーを撃退したガッチャードが、一般市民側の区画のドレットルーパーも相手取り、スチームホッパーバーニングフィーバーで無事撃破に成功)
宝太郎「大丈夫ですか?」
一般市民3「触るな!」
(変身解除し、駆け寄る宝太郎を拒絶)
一般市民1「今朝もまた、うちが一人殺された。てめえらの誰かにな。」
錬金術師2「だから言ってるだろ!俺たちじゃないんだって!」
銃斗「それより、さっきの戦い、流れ弾が俺たちに当たるところだったな。」
一般市民4「は?だから何だよ!」
銃斗「前にも言ったはずだ、錬金術の使えない一般人は足手まといだ。今度戦いの邪魔をしたら、次こそ容赦しない。」
零花「ちょっと、銃斗!」
一般市民4「何だと?」
宝太郎「今は、、、俺たちが争っている場合じゃない!みんなで力を合わせないと!、、」
銃斗「この状況で力を合わせることがあるとしたら、それは人が人を殺すときだけだ。」
(錬金術師側、一般市民側それぞれ避難所へと戻る)

ー錬金術師側拠点の裏
冥国のデスマスク(緑)「そろそろ頃合いではないですかね?」
???「はい。明日、実行します。」
冥国のデスマスク(緑)「期待していますよ。愉快なバトルを。」

ー錬金術師側区画
(翌朝)
宝太郎「あれ?ない!ケミーカードが!」
零花「どうしたの?宝太郎?」
宝太郎「ホッパー1とスチームライナー以外のケミーカードがないんだよ!このホルダーに入れておいたのに!」
錬金術師2「おい、それって!」
零花「まさか、、あいつらが、、?」
錬金術師3「ああああ!もう我慢の限界だ!あいつらだろ!あいつらに決まってんだろ!おい!もう殺っちまおうぜ!」
錬金術師4「ああ!殺るか!」
零花「そうね。もう、殺るしかない、、」
宝太郎「零花さん?」
但馬「おい、みんな落ち着け!」
錬金術師5「そうだよ!そんなことしたって、何の解決にもならない!」
零花「いや、殺るしかない、今すぐ、殺らないと!」
宝太郎「?、うっ!、ぐはぁぁぁ!」
錬金術師6「宝太郎さん!」
(銃斗がヴァルバラッシャーを奪い取り、宝太郎を蹴り飛ばす)
銃斗「ふっ、ふっ、ははははは!」
(ヴァルバラッシャーを肩に担ぎ、98枚のケミーカードを見せびらかす)
錬金術師1「ケミーカード!」
錬金術師2「まさか、今までの連続殺人も!?」
零花「どうして?」
(驚く零花)
銃斗「すべてはこの瞬間のため。ついに、俺は力を手に入れた!」
宝太郎「返せよ!それはスパナの、俺の仲間の形見だ!」
銃斗「ふっ、」
宝太郎「待て!」
但馬「宝太郎!」
(宝太郎は、逃げる銃斗を追いかけ、さらに但馬と他数名の錬金術師たちが彼を追いかけて避難所の外へ)
(大いに動揺する零花)
(一連の出来事を陰から監視していた冥国のデスマスク(緑))

ー瓦礫だらけの街中
宝太郎「銃斗!」
錬金術師6「もう逃げられねえぞ。」
(宝太郎ら錬金術師が銃斗を追い詰める)
銃斗「グリオンは、俺が倒す、、鉄鋼!」
(ヴァルバラッシャーにマッドウィ―ルのカードを装填し、ヴァルバラドに鉄鋼)
宝太郎「いや、お前にその力は渡さない!変身!」
(ファイヤーガッチャードデイブレイクに変身、エクスガッチャリバーを手にして戦闘を開始)
宝太郎「はぁぁぁぁぁ!はぁぁ!」
(イグナイターによる超加速でヴァルバラドを翻弄し、ガッチャリバーによる攻撃で圧倒する)
銃斗「くっ、、ふっ、だが、、」
「ガキン!」
(ヴァルバラッシャーにスケボーズ、ゴルドダッシュのカードを装填して強化錬成、ファイヤーガッチャードデイブレイクに匹敵するスピードを見せる)
宝太郎「何?、ぐあぁぁぁぁ!」
「ガキン!」
(次はヒーケスキュー、ディープマリナーで強化錬成し、地中を高速移動して、超高圧放水と追撃ミサイルで攻撃)
宝太郎「うわぁぁぁぁぁ!」
「エクシードファイター!ユーフォ―X!」
銃斗「はぁぁぁぁぁ!」
(エクシードファイター、ユーフォ―Xのレベルナンバー10の2重錬成を施し、超加速飛行とワープ能力でデイブレイクを翻弄、形勢逆転に成功する)
宝太郎「うわぁぁぁぁあ!」
銃斗「はぁぁぁあ!」
(強化錬成を解除したヴァルバラドがヴァルバラッシャーで斬りかかるも、かろうじてエクスガッチャリバーで防ぐ)
宝太郎「ぐっ、くぅぅぅぅ、」
銃斗「お前では、グリオンは倒せない!いや、倒す気もないか、」
宝太郎「何?、はぁ!」
(デイブレイクがヴァルバラドを蹴り飛ばし、マウント状態を回避)
銃斗「お前は、口では人々を守るなどとほざいているが、それはグリオンと直接向き合わないのを正当化する口実でしかない!お前は、ただ、グリオンを恐れているだけだ!」
宝太郎「違う!今は、目の前の命を守らなくちゃいけないんだ!はぁ!」
(斬りかかるデイブレイク)
銃斗「グリオンを倒さない限り、戦いは終わらない!お前の目に入らない世界のどこかで、今も命が失われ続けているんだぞ!自分の目の前で人が死ななければ、それでいいのか?」
宝太郎「そんなこと分かってる!でも、もう俺ひとりの力じゃ、どうすることもできない!だから!俺は最期まで、目の前の命を、誰かの今日を守るために戦うって決めたんだ!」
銃斗「だがその覚悟も固まっていない。やはりお前、死に場所を探しているな。」
宝太郎「、、、」
銃斗「未来を諦めた奴に、戦う資格はない!」
「スクラップ!」
宝太郎「俺は、俺は!」
(ヴァルバラブレイクとスチームホッパーバーニングフィーバーのぶつかり合いに)
銃斗「はぁぁぁぁぁ!」
宝太郎「はぁぁぁぁぁぁ!はぁぁぁぁぁぁあ!」
銃斗「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
(ガッチャードデイブレイクの勝利、銃斗は変身解除で倒れ、宝太郎も変身を解き、ヴァルバラッシャーとケミーカードを回収)
宝太郎「これは返してもらう。」
(立ち去ろうとする宝太郎だが、銃斗に呼び止められる)
銃斗「おい!、、今、ここで決断しろ、たとえ犠牲を払ってでもグリオンを倒し世界を救うか、このまま目の前の命にこだわり続けて破滅するか、」
宝太郎「俺は、、、」
宝太郎「俺はもう、これ以上、何も失いたくない。そのために戦う。」
銃斗「、、そんな綺麗事、、言ってる場合か、、、」
(気を失う銃斗、彼を背に立ち去る宝太郎)
但馬「宝太郎、、、」
(但馬ら錬金術師たちもそれに続く)

ー仮避難所
宝太郎「、ぁ、、、、」
(仮避難所の中に、錬金術師、一般市民の避難民全員の死体が散乱し、血の海が広がっている。)
錬金術師5「そんな、、人が人を、、」
宝太郎「、、、、、、、、、、」
(言葉も出ず、崩れ落ちる宝太郎)








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