(創作)仮面ライダーガッチャードデイブレイク7話 記憶を消すぞー、戻る日常

前回までの仮面ライダーガッチャード

暗黒の扉を開き、すべてを黄金に変えようとするグリオンと、未来を託された若き仮面ライダー、一ノ瀬宝太郎と九堂りんねがガッチャンコ!すべてを失った宝太郎、そして世界の運命は!?


ー住宅街の道
(りんねの死から数か月後)
(雨が降りしきる中、ただ魂が抜けたように彷徨い歩く宝太郎)

(回想)
(りんねの亡骸を抱えて拠点へと帰る宝太郎。)
あの後、俺はみんなのお墓を造った。
(それぞれのお墓に錬金術で名前を刻む宝太郎)
スパナ、、鏡花さん、、蓮華お姉さん、、錆丸先輩、、ミナト先生、、
「ミナト先生の名前、ちゃんと聞いたことなかったな、、」
(りんねのお墓の前で号泣する宝太郎)

(左中指に付けたりんねの遺したオレンジ色のアルケミストリングに目をやる)
俺が弱かったからだ。未来を託されたのに、俺は、大事な仲間すらひとりも守れなかった。九堂、、
あれから数カ月、この期間グリオンに目立った動きはなかった。でも、きっといつか、
(グリオン「この世の生きとし生けるものすべてを、黄金に変える」「私は永遠に止まった時間の中で、黄金に光り輝く美しき世界を」)
永遠に止まった世界なんて、間違ってる!そんな世界、誰も幸せにならない。
(グリオン「黄金の中で時が止まれば、すべてを忘れ、お前も苦しみから解放される」)
全部忘れたほうが、楽なのかな、どうせ俺一人じゃ、どうにも、、あれ?俺、何のために、、
(りんね「私、まだ、一緒に戦いたかった、宝太郎」)
珠美「宝太郎!」
宝太郎「、、母さん、、」
珠美「、、、」
(傘を捨てて宝太郎に駆け寄ってくる珠美)
宝太郎「母さん、ごめん、俺、今ま」
(抱きしめられる宝太郎)
珠美「良かった。本当に良かった。無事で。」
(珠美の目から涙がこぼれる)

ーキッチン一ノ瀬
母さんは、俺の左目のことも、どうして帰ってこなかったのかも、何も聞かなかった。
珠美「はーい、できたわよ!」
(オムライスを作ってくれた)
宝太郎「、、いただきます、、、美味しい。」
珠美「そう。良かった。」
(宝太郎の目から涙がこぼれ落ちる)
忘れてた。幸せって、こんなに簡単で、温かかったんだ。
(珠美は宝太郎の指にりんねの指輪があるのを見て察する)
珠美「宝太郎、、」
(扉の開く音がする)
宝太郎「風雅さん!?、あぁ、、」
珠美「宝太郎のお知り合い?」
風雅「始めまして。宝太郎君、少し、話をできるか?」

ーキッチン一ノ瀬の外
宝太郎「風雅さん、あの、九堂のこと、、俺のせいで、、本当にごめんなさい」
風雅「いや、君のせいではない。君たちのような若者に、未来の命運などという重荷を背負わせてしまった、私の責任だ。すまない。」
宝太郎「でも、、」
風雅「私は、君がりんねの友でいてくれたことに心から感謝している。きっと、りんねも同じ想いだっただろう、、、」
風雅「私の身体の傷もようやく癒えた。グリオンは、あとは私に任せてくれないか。」
宝太郎「え?でも、、」
風雅「一錬金術師としてだけではない、娘を失った父親として、グリオンを打ち倒さねばならない。」
宝太郎「それなら、俺も!、、うっ、」
(風雅に記憶を消され、ケミーライザーの中のケミーを奪われる宝太郎)

ーキッチン一ノ瀬
(扉が開く)
珠美「宝太郎、何だったの?」
(珠美も風雅に記憶を消される)
珠美「あら?今、何、」
(ドアが開き、常連客が来店)
宝太郎「いらっしゃいませ!」
常連客「おや、宝ちゃん!久しぶりだね!」
宝太郎「久しぶり?いや、いつも来てるじゃないですか!ほら、こちらどうぞ!」

(立ち去る風雅)
風雅「ありがとう、少年。未来は、引き受けた。」





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