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芸人

芸人の炎上がニュースになっている。芸人が他の芸人に暴言を吐いて、それが炎上し、仕事から降板することになり、ついには活動を休止するまでに至った。

これに対して、芸人なんだから吐かれた暴言に対し、芸人らしく返すべきだった、プロの芸人ではないという反応も聞かれる。また、時代が変わった、昔なら問題にならなかったという声も聞こえる。

たしかに時代は変わった。今回世間が騒ぐようになったのは、人権に対する意識が強まったことの表れだと感じる。ハラスメントの記事も目につくようになった。個々人が人権の意識を以前より持ち、侵害されていると感じるようになったからだろう。

そして、この人権に対する意識の強まりは、インターネットによって促進されたと思う。インターネットにより、いままでおかしいと感じていたが、誰にも相談できなかったことが、実は自分だけでなく多くの人が抱えていた問題であることがわかってきた。いままで明らかにされなかった、マスコミによって取り扱われなかった常識が明るみに出された。マスコミはそもそも、有限の媒体に記事を載せるから、どうしても非常識的な事件を扱う。常識的な事件、つまり人々が感じる日常の不満のようなものは扱われなかった。しかし、ネットという無限の媒体の登場により、日常的な不満が多くの人に共有されるようになった。こうして人権に対する意識も強くなったのではないかと考える。

芸人は、時代に合わせて人に面白さを提供する人だと思う。そういう意味では暴言を吐くことは、人権意識が高い今の時代に合っていなかったのだろう。それにしても、暴言を吐かれた方は、リアクションの取り方を批判されたりして、SNSの登場でプライベートな時間まで芸人でいることを求められるのは、なかなか大変な仕事だと思う。素の人格を隠して、演じて芸人をやっている人は疲れそうだ。



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