V42 為になる本『岡山の中小企業初めてのテレワーク』
by 石井 聖博 監修
株)ワークスマイルラボ代表
本書との出会い
石井氏が代表を務めるワークスマイルラボ社はかつて、石井事務機。前社長とは面識があったこともあり、会社の変化を視察する目的で訪問。すでに、テレワークや IT活用の導入支援推進で著名。
はじめに
◎ テレワークはそもそも「働き方改革」である
本書は自社において取り組んだ結果の経験談。
結論を言えば、地方の中小企業にとってのメリットは大。
生き残りをかけた戦略となりうる。
【テレワーク定義】
社外でも社内と同じように働ける環境を構築すること
【テレワーク目的】
社員の労働環境改善、業務効率向上、生産性向上、採用難対策
◯ システム採用のきっかけは、パート社員の中途退職対策
〜女性のワーク&ライフバランス対応問題に直面〜
〜女性の職場環境・出産・子育て・介護・なおかつ就職難〜
◯ テレワーク導入にあたって意識したこと・問題点
・労務管理
・コミュニケーション
・セキュリティ
【テレワーク導入の成果】
・生産性向上
・人材採用
・定着率向上
・ブランディング
・モチベーション向上
そして、最大の成果は『笑顔で、自分らしく働けること』
◎ 地方の中小企業が直面している現状の課題は労働力不足!
現状:少子高齢化、生産年齢人口の減少
打開策:コロナ対策ではなく、企業存続の戦略的テレワーク
〜特に岡山に拠点を持つ中小企業経営者に伝えたい〜
〜生き残る為の最強の方法が「テレワーク」であると〜
第1章 仕事と家庭の両立は難しい?
◯ 子育て世代に降りかかる数々の困難
◯ 働き方に対する世代間GAPの存在
◯ 「小1の壁」に悩む多くの家庭
◯ 保育園に入れるか否かは大問題!
◯ 仕事と家庭の両立をめぐる現状
◯ 恐怖!預け先からの急な呼び出し
※総務省 ICT活用の促進
具体的には、、
→出退勤やスケジュールクラウドで一括管理
→ウエブ会議の導入
第2章 テレワークを推奨する『ワークスマイルラボ』とは
◎ 実践による2つの直接的メリット!を得る
・出退勤時間は不要
・業務生産性向上
◎ 4つの課題に対する打開策で成功
・労務管理
・コミュニケーション
・情報セキュリュティ
・導入しやすい価格
◎ 採用しているアイデア!
・営業社員には、朝礼参加後は直帰容認
・WEB会議システムの活用
・出退勤はクラウド管理(携帯で打刻・位置情報確認)
・作業時間や作業内容の見える化実現
★成功のpoint;社長の考え方が会社を変える!
第3章 「働き方改革」実現に向けて
◎ 働き方改革の基本的な考え方
働き方改革の真の目的は働く人々が個々の事情に応じた多様な働き方を、自分で「選択」できるようにすること
◎ 2つのポイント
1、労働時間法制の見直し
働き過ぎを防ぐことで働く人の健康を守り、多様な「ワーク&ライフ」のバランスを実現する
2、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
不合理な格差の是正
具体的には、
時間の上限を規制する
「勤務間インターバル」制度の導入を促す
一人あたり1年に5日間年次有給休暇取得の企業義務付け
月60時間超過残業は割増賃金引き上げ(25%→50%)
働く人の健康管理の義務付け
「フレックスタイム」導入
「高度プロフェッショナル制度」の新設により、選択可能に
第4章 IT機器の導入で円滑なコミュニケーション
◎ 一般的な問題
「皆んな一緒」でないと結束が崩れる?
コミュニケーションのリズムが変わる?
コミュニケーションの情報量が減る?
在宅勤務者が孤独を感じる?
コミュニケーション不足がチーム力を低下させる?
➡️テレワークは「皆んな一緒」にやるべきか?
①対象者の選定 ◯対象者のニーズ調査→選定
②対象業務の整理 ◯全体の洗い出し→しやすい業務から
③実施頻度 ◯導入期には実施頻度は少なめに。
➡️人事評価の指標は時間軸ではなく成果軸!
➡️トップが目指すべきマインドは、企業の持続的成長に向けてのテレワークによる「ワークスタイル変革」を牽引すること!
第5章 みんなのシアワセな「ワーク・ライフ・バランス」のために
◎情報セキュリティーの安全性の確保のために
・ルールについて
・人について
・技術について
◎テレワークを導入することによる新たな可能性
採用難の時代に企業が求められること
〜楽しく取り組め、やりがいのある仕事と、ライフの両立〜
〜女性のライフステージの理想と現実〜
第6章 働き方の多様性を認め、一人一人の生産性・業績アップに!
◎テレワーク導入は人材採用にもつながる
◎テレワーク導入で女性の働き方がかわる
◎働き方の多様性は実現できる
➡️社員が最適な働き方を選択できる環境を整えよう!
最後に
ワークスマイルラボが目指すもの
◾️ 「働く」に笑顔を!
◾️ スムーズな働き方改革を提案
〜中小企業だからできる人を大切にする経営実践〜
➡️社員がどんなライフスタイルになっても
「笑顔」で働ける会社であるために!
以上
kentakunte私見
創業約100年の老舗企業。2009年には、価格競争に呑まれ経営危機に陥った経験をもつ。地域の中小企業が発展していくことが、人々の幸福につながり、街の元気につながっていくとの強い使命とVISIONを持つ。
蘇った『ワークスマイルラボ』は、地球未来牽引企業(経産省)、テレワーク推進企業厚生労働大臣表彰、そして2022年 新卒予定者岡山県内希望就職先ランキング1位。
人は苦しい時には、ややもすれば弱気になりがちだが、石井代表は、前向きに、しかも社員にも、市民にも共鳴できる目標を掲げ、ひるむことをしない人物なのだろう。
本文中、テレワーク導入の成功は、100%経営者の手に懸かっている!テレワークを活用して、新しい働き方を実現できるかどうかは、経営者のマインドに委ねられている!という強いメッセージが届けられている。
代表石井が目指しているのは、単に働き方改革による事業の生き残り戦略のみではなく、仕事を私生活と人生の両輪と捉えるのではなく、仕事も私生活も人生の一部!双方を充実させることで、より豊かな人生が実現できる!との信念が届いてくる!
ご本人にはまだお会いしていないが、その時が楽しみだ。
期待にワクワクさせられる。