追憶

生まれてきて世界で初めに出会った人間が理不尽すぎて、それを超える理不尽にあったことはないし、それを超える理不尽に再開するのも堪ったもんじゃないんだけど、

度合いは違えど世界は理不尽であふれてて、では、世界を変えましょうと人差し指を立てわたしの王に提案をし、負傷しながらも移動できるところはわたしの美点かと思うわけです。

流浪を続けているわけですが、
いつか腰を落ち着けたいですねと、
隣をてちてちと歩いてくれる王に
視線を送ります。


美しい世界にいきましょう。

もう2度と、
あなたの顔が苦痛に歪まなくていいように。


わたしはあなたが願えば、どんなことでも出来るけれど、わたしが屍の山を作り続けなくていいような、そんな王さまだから、わたしはあなたが幾度、私をいらないと仰っても、勝手について行かせていただいています。

あなたは気づいてないふりをしてくれるけれど、わたしは何度ボロ切れのようなあなたを裏切ったでしょう。

そんな優しい王さまだからこそ殺されるなら、私は本望なのですが、それでも貴方はそんな事は言うなと言ってくださるのでしょうね。

無抵抗で滅多刺しにされ、それでも傀儡のように飼い慣らされる王さまをもう見たくないので、わたしの王の願いは、今度こそ完璧に叶えて差し上げたいと、わたしが今、実現可能なことだけを寸分違わず眺めています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?