「食堂み」の女たち10

「ようけあるな…」「うちの経験からやけど、映画館前かワーショップ前が多いねん。人通りが少ないから多分そこを選ぶ」「うん、そしたら可能性の高い所に張り込んで、ほんで…」「ほんでとっつかまえてボコボコにするか」「ほんなんやっても金はもんてけえへん。冷静に考えや」「ほな、どないすんねん」俊一はフッとニヤけて「耳貸しや」片頬が上がった。

三人で張り込みをした。響子と俊一は夕方だけしか時間がなかったので、四時から七時まで張り込んだ。美奈は客が入らない時間帯にできるだけがんばった。
しかし一向に六十の禿げ頭を見つけられず、三週間が過ぎた。「作戦の立て直しや」俊一が言って、また響子の部屋に三人が集まった。


続きは明日

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