「食堂み」の女たち2

「あたしの勝手や」からの二人のバトルはしばらく続き、そのとき一人居たカウンターの客は、前からも後ろからも聞こえる怒鳴り声に堪りかねて、足早に店を出て行った。

二階の貸部屋は四つある。そのうち二つは埋まっている。
階段を上がって右の部屋には「木島美奈」という、高校を出たばかりの若い女。
美奈は風俗店で働いていて、確かデブ専のデリバリーと言っていたが、その仕組みは光恵にはよく分からない。
部屋で待機し、携帯が鳴れば客がついた合図で「食堂み」の前に灰色の薄汚れたバンがやって来て美奈を乗せて行く。

木島美奈の真向かいの部屋には「浅井則子」という三十過ぎの女が居る。いつもマスクをしているが、彼女を見かけた人は、シャープな輪郭とぱっちり目から、かなりの美人ではないかと噂している。

バトルに疲れて仕方なくあの女「富岡響子」を美奈の隣の部屋に入れてやった。

続きは明日

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