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Beats by Dreが描くプロアスリートの真実の姿

SNSが与える影響力、特にアスリートに対する影響力に関して、近年は特に顕著に強くなっている。本来SNSから発せられる言葉やメッセージは、アスリートを鼓舞する存在であるべきだが、そうでない関係性を生むことも多い。
そのいわゆる「ノイズ」をブランデッドムービーで表現したのが、Beats by Dreによる『Defy The Noise』である。

数ヶ月前世界を興奮の渦に巻き込んだワールドカップの数週間前に発表された新作。世界のサッカー選手に並んで日本の堂安律選手も出演している。

Beatsが「スポーツ」と「音」の観点からブランデッドムービーを作り始めて数年。毎年異なるアプローチでその関係性を表現してきた。

2014年には、当時のサッカースター選手の試合前の「儀式」の時間にフォーカスを当てた『The Game Before the Game』を発表。

当時BeatsのCMOであったOmar Johnsonによれば、Beatsが当時重要としていたことは「リアル」。「プロスポーツ選手に試合前に何をするかという質問の回答を元に、実際に彼らが試合前にしていることをカメラの前でして欲しい、と頼んでいるにすぎないのです。彼らが演技をする必要もありません。それは広告を作る、というよりも、彼らの日常にフォーカスをすることなのです。」(Omar Johnson)

「感情(エモーション)」と「スポーツ」を広告に長年取り込んできたパイオニアとも呼べるNikeでかつて在籍していたOmar Johnsonは、Nikeで培った経験がこのキャンペーンでは大いに役立ったと感じている。
「NikeとBeatsに共通していることは、信憑性のある真実を表現することです。」

また、Johnson氏は広告会社との密接な関係性も注目している。従来広告を制作するときは、クライアントからのブリーフィングを得て広告会社からいくつか提案がやってくることが多い。しかしBeatsと代理店R/GAの間にはそのやりとりは発生しない。ほとんどの場合、広告のアイデアやコンセプトはBeatsもしくはアスリートやアーティストから送られる。全体的な制作プロセスにもBeatsは密に関わることで、広告会社、クライアント、アーティスト、アスリートすべてが一つの集団として機能しているのだ。「アイデアはどこからやってくるかわかりません。撮影現場に全員がいることもあるんです。常に一緒に動くことで、承認などのプロセスは必要なく、一歩一歩良いものになっていくのです。」

2018年には映画監督ガイ・リッチーを迎え『Made Defiant』を発表。それぞれの国からのスター選手を異なる音楽と共に映し出し、まるでミックステープのような作品に仕上がった。

参考記事:

Beats by dre is ready for the World Cup, with soccer stars blocking out the noise
How Beats Tapped The Stories Of Sport To Sell The Emotion Of Sound