見出し画像

日本の政治は2010年代に「子どもの裸の王様」のアベノミクス・ポリティックスによって完全に破壊され,芸能界はジャニーズ喜多川が経営してきた事務所のために完全に腐朽・堕落した

 ※-1 ジャニー・喜多川(1931-2019年)のかかえていた小児性愛障害は,専門的にはつぎのように説明されている

 小児(通常13歳以下)を対象とし,反復的で性的興奮を引き起こす強い空想,衝動,行動を特徴とする。この小児性愛では,男児のみ,女児のみ,または男児と女児の両方が関心の対象になり,小児のみの場合もあれば,小児と成人が対象になる場合もある。
 付記)冒頭の画像は若いころのジャニー・喜多川。以下の文中に紹介したものを出した。

 ジャニー・喜多川の性的嗜好は,その説明のうち多分「小児のみの場合」に相当し,それも(多分)男児のみが対象にされていた。その被害者の数は正確には不詳であるが,数百名の単位にまで最低到達しており,もしかすると千人にまでいっているかもしれない。

 またその行為そのものは,特定の相手に数十回という証言すらあるのだから,その行為の総回数がいったい,どのくらいにまでなるのか,ここでは想像力にただ任せてその推測(計数を)するほかあるまい。

 なんともおぞましいジャニー・喜多川の性的嗜好であった。喜多川の犯してきたその犯罪的な行為は,前段において触れた出来事として,つぎのように説明することができる。

 1999年に『週刊文春』が喜多川に関して報道した内容は,ジャニー自身によって提訴されることになったが,そのころ,ジャニーズ事務所内で彼が常習的に犯していた小児性愛にもとづく犯罪行為が,世間に向けて確実に暴露されたことになる。

 1999年内に始まったその裁判は,最高裁にまでもちこまれ,2004年に最終的に結審していた。ジャニーズ喜多川の常習的な,子どもたちに対するセクハラ行為,その性加害に関する事実認定は,最高裁の段階までいって確定することになった。

【参考記事】-『東京新聞』から-

【参考画像】-ジャニー喜多川画像(若いころ,目つきが気になる,人間のそれも児童:子どものの,どこを,どのようにみていたのか?)-

ジャニー・喜多川


 ※-2 ジャニー・喜多川元社長をめぐる騒動の経緯

【1999年】
  週刊文春がジャニー喜多川元社長によるタレントへのセクハラについて報道。元社長とジャニーズ事務所は名誉毀損(きそん)を理由に文春側へ計約1億700万円の損害賠償など求め提訴

【2002年】
  東京地裁が文春側に計880万円の賠償命じる

【2003年】
  東京高裁が賠償額を120万円に変更。元社長によるセクハラ被害の真実性を認める

【2004年】
  ジャニーズ側の上告を最高裁が棄却し判決確定

【2019年】
  ジャニ-元社長死去

【2023年】
  3月7日 英BBCが元社長による性的虐待疑惑を報道
  4月12日 元ジャニーズ Jr.のカウアン・オカモトが日本外国特派員協会で会見し性的被害を受けたと主張

  5月14日 藤島ジュリー景子社長が動画で騒動について謝罪
    21日 東山紀之が「サンデーLIVE‼」でジャニーズ事務所改称の可能性に言及
    26日 ジャニーズ事務所が再発防止特別チーム設置など発表

  6月12日 再発防止特別チームが会見

  8月4日  国連人権理事会の作業部会が政府に被害者救済を要請
    29日 再発防止特別チームが会見し調査結果など発表。ジュリー社長には辞任要求

  9月5日  ジュリー社長が退任し東山紀之が社長に就任
    7日  ジャニーズ事務所が会見。性加害を認めジュリー社長退任,東山の社長就任など発表

  10月1日 ジャニーズ事務所の新体制発表〔ここまで記載,あとは記述のなかに関係する日付あり〕

 註記)「ジャニー喜多川元社長を巡る騒動の経緯…2004年には最高裁でセクハラ被害の真実性認める判決確定も【ジャニーズ会見】」『YAHOO!JAPAN ニュース』(元記事は『中日新聞』)2023/9/7 (木) 17:44配信,https://news.yahoo.co.jp/articles/e070228f6b47f80bd09dd62c3cff508fab86931b

 ここまでの記述を踏まえてつぎの関連する表を引用しておく。

ジャニーズ事務所・ジャニー喜多川の性加害問題


 ※-3「ジャニーズ事務所会見 会場に質問指名の『NGリスト』」『NHK NEWS WEB』2023年10月5日 0時21分,https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231004/k10014215471000.html

 ジャニー喜多川氏の性加害の問題をめぐりジャニーズ事務所が今〔10〕月2日に記者会見を開いたさい,事務所から会見の運営を任されていた会社側が,複数の記者やフリージャーナリストの名前や写真を載せて,質問の指名をしないようにする「NGリスト」を会場に持参していたことが,関係者への取材でわかりました。

記者会見の設営でNG記者を特定し
質問させないよう準備していた
NG記者の一覧

 これ〔に〕ついてジャニーズ事務所は,事前の打ち合わせに会社がもってきたメディアのリストに「NG」と書かれていたため「絶対当てないとダメですよ」と伝えたとしたうえで,会場に持参されていたリストについては「関与していない」とする見解を示しました。

 補注)この段落のリクツは前後して平仄が合わない。事務所側のいいわけは奇妙である。もっとも,事務所が主催した記者会見だったはずだから,この説明はなにをいっているのか判読不能。

〔記事に戻る→〕 4年前に死去した,ジャニー喜多川氏の性加害の問題をめぐり,ジャニーズ事務所は今月2日,都内で2時間あまりにわたって記者会見を開き,会場には300人近い報道陣が詰めかけました。

 質疑応答は「1社1問」のルールで,司会者が挙手をした記者を指名するかたちでおこなわれましたが,この会見のさい,ジャニーズ事務所から会見の運営を任されていたコンサルティング会社側が,複数の記者やフリージャーナリストの名前や写真を載せた「NGリスト」を会場に持参していたことが関係者への取材でわかりました。

 補注)そもそもの話をすれば,事務所側がこのような「1社1問」の制限をつけるところが,かなりずうずしいというか横柄というか相当に上から目線であって,自社側の立場をわきまえない傲岸不遜の態度であった。

 どこか国のある政府ではないが,記者会見の場でその「1社(1人ではなく)1問」の形式で質疑応答をするというやり方は,それこそ木で鼻をくくったような会見,一方通行のそれにしかなりえない。

 今回大きな話題となっていた,ジャニーズ喜多川の小児性愛的嗜好による「性的な虐待・加害の問題」が追及される舞台で,このように主客転倒したごとき舞台まわしが事前に用意されていた事実は,まさに本末転倒もいいところであった。

 もとより,その基本的に置かれていた立場すらまともに弁えようとはしなかったそのコンサル会社側は,事前に,記者会見を強引に引きまわすための作戦を準備していた。しかし,この意向は逆効果であった。結果的には,これからもさらにいろいろなかたちでもって,ほかの識者たちからは,かなりきびしい批判が続発的に飛んでくるものと予想しておいたほうがよい。

 喜多川一族ではなく,ただその郎党であった「子飼い的な芸能人たち」が壇上に出てきて,記者たちから質問を直接受けるという場面に関して評定すると,実は,「彼ら自身がそれに堪えられない程度の人材(タレント)」であった事実が,あらためて衆目にさらすがごとき「今回のコンサル会社の〈対・記者会見・作戦〉」であった。単にこざかしい対応になっていた。

〔記事に戻る→〕 関係者によりますと,リストには質疑応答のさいに手を挙げても指名しないようにする新聞社の記者やフリージャーナリストなどが掲載され,座席の位置なども確認していたということです。

 NHKが会見場で撮影した映像にも,スタッフが少なくともあわせて6人の名前と顔写真が掲載されたリストをもっているのが写っていました。
 
 会見では,リストに掲載されていた記者やジャーナリストが,挙手しつづけても指名されないことに不満を訴えて会場内が騒然とする場面があった一方,リストに掲載されていて司会者から指名されたジャーナリストもいました。

【参考記事】



 ※-4 関連する解説記事がくわしく批評した

 暗部ちゃんフリージャーナリスト・稿「大物理事のジャニーズ事務所への『天下り』も…NHKが『ジャニーズ依存』を強めてしまった本当の理由 NHKにジャニーズタレントが大量出演していたワケ」『PRESIDENT Online』2023/10/04 11:00,https://president.jp/articles/-/74542 が,大変参考になる意見を開陳していた。

 問題の背景をとくに歴史的にしることの重要性が,この記述から伝わってくるはずである。前段のリンク(住所)に飛び,直接,その記事を読んでもらうのもいいが,本稿は,ここでその全文を紹介しておくことにした。若干だけ本ブログ筆者の寸評もはさんである。

 a) ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり,NHKとジャニーズ事務所の蜜月関係に注目が集まっている。

 元NHK職員の暗部ちゃんは「若年層の深刻なテレビ離れによって,NHKはジャニーズに頼らざるをえなくなった。さらに,ネット業務拡大がジャニーズ依存に拍車をかけてきた。ジャニーズ事務所は過去を清算する姿勢をとりはじめたが,NHKはジャニーズとの異常な関係性をまだ隠蔽している」という。

 補注)NHKは前段の記述でのように,「ジャニーズ事務所会見 会場に質問指名の『NGリスト』」という見出しのニュースを,2023年10月5日午後7時のニュース番組で最初に報道していた。

 ところが,このニュースそのものに関してだが,相当に密接な関係を,そもそものNHK自身がジャニーズ事務所ともっていた事実も明らかになっていた。となれば,NHKの今回における報道はいささかならずケッタイな要素も含まれていたという具合に,観察しておく余地もあった。ともかく,以下に『PRESIDENT Online』の記述を紹介をつづけていきたい。

 なお,この引用に当たっては,原文よりも日本語の表現や表記でより読みやすくするために,あえて,その必要に応じて補正してある。

 b) 10月2日のジャニーズ事務所記者会見で,事務所の名称を「SMILE-UP.」に変更することと,タレントのマネジメント業務を新会社に移管する方針が示されました。しかし,実はジャニーズ事務所の性加害問題をめぐってNHKには激震が走っています。

 補注)その「SMILE-UP.」は音的にスマップに近いとの指摘もあり,いささかにでも,なんらかの疑念が生じてきて不思議はない。

〔記事に戻る→〕 NHKは「クローズアップ現代」でかたちばかりの自己批判をおこないましたが,NHK放送センター西館7階に存在したジャニーズ専用リハ室の存在など,両者の度を越えた親密さが明らかになってきたからです。

『Smart FLASH』FLASH』2023年9月25日

 実は,かくいう私もNHK職員時代にジャニーズと仕事をする機会が多くありましたが,他の事務所と比較して明らかに別格でした。ジャニーズが圧倒的に優位で,NHKが下手に出ざるをえない場面も多く経験しました。今回は,現場でのエピソードを中心に,NHKKとジャニーズの歪んだ関係性を紐解いていきます。

 私はジャニーズの所属タレントがMCを務める番組を制作した経験があります。個別の番組名についてはお伝えできないのですが,その当時驚いたのがゲストのブッキングでたびたび発生したジャニーズNGでした。しかも,その種類が多岐にわたることです。

 かつてジャニーズ所属タレントと交際していたとか,スキャンダルがあったタレントをゲストにブッキングする場合には共演NGが出るのは有名だと思います。が,実際に現場では他にもさまざまなバリエーションに出くわしました。

 c) NHKにも存在する「ジャニ担」

 たとえば,男性タレントの場合,モデル系や俳優系で,高身長かつルックスに優れる人はNGがよく出ました。ジャニーズ事務所の現場マネージャーが耳打ちしてくれたところによれば「うちのタレントが主役でなくなるのは許容できない」とのこと。

 あくまでゲストを立てるのがMCだと私は思うのですが,ジャニーズ事務所からすると,自社タレントが常にその場で一番輝いていないとダメということなのでしょう。その観点から,タレントの印象を1ミリでも損ねかねない演出があると,台本に対しても指摘がよく入ったのを覚えています。

 補注)別のところから聴けた話だが,ジャニーズ事務所所属のタレントは平均的に身長が低めだということであった。確かにわれわれのしっている同事務所所属の芸能人のなかには,身長がそれほど高くない者がいるという事実は,いままですでになんとはなしにでも気づいていた特徴であった。このたび,そのようなかたちであらためて話題にされると,さもありなんという印象も生まれる。

〔記事に戻る→〕 その一方困惑したのは,「ゲストの格が低い」というNGでした。ある番組で,まさに頭角を現わしはじめた女優をブッキングしようとしたとき,「彼女ではうちのタレントには釣り合わない。大河ドラマで主演を張るくらいのプレミアムクラスの人選に変えてくれ」とNGを出されたこともありました。

 ジャニーズ事務所の基準でタレントのヒエラルキーが存在していて,バランスが取れる人選でないと認められないというわけです。

 これらジャニーズNGは明文化されていませんので,経験を積んでようやく感覚がつかめる類いの特殊スキルといえます。人事異動が多いNHKのような組織の場合,事務所との “関係値” を上げるのは困難です。

 そこで,勝手をしって経験豊富な「ジャニ担」を窓口として,できるだけジャニーズと円滑に交渉を進めるような風習が定着していったのでしょう。

 d) 40代以下の若年層における深刻なテレビ離れ

 しかし,建前論からいけば,編集権をもつNHKがジャニーズNGに従う必要などないはずです。なぜジャニーズに対して,過剰ともいえる配慮がおこなわれるようになったのでしょうか?

 ひとつは,「接触率」の低下対策です。

 接触率とは,かつてNHKで用いられていた指標で,「1週間のうち5分以上NHKの放送を視聴した人の割合」のこと。2009年から始まった3カ年計画のなかでは80%以上をめざすことが目標と設定されましたが,当時,民放全局を対象とした接触率は85%程度だったのに対して,NHK総合の接触率は65%程度に低迷していました。

 要は,NHKの放送番組に接触していない人からは受信料はもらえないということで,この指標が重視されたのです。とくに,40代以下の若年層におけるテレビ離れは深刻でしたので,抜本的な対策が必要となりました。

 そこでNHKが頼りにしたのがジャニーズです。NHKでも,たとえば2010年にスタートした「あさイチ」のように,ドラマや音楽番組以外の一般の番組でもジャニーズのタレントがレギュラーとして起用されるのが当たりまえになっていきます。

 実際,その結果として,視聴率だけでなく接触率も数%向上する効果がみられました。以後,報道番組でもジャニーズにあやかったものが増え,最近では関ジャニ∞に密着した「クローズアップ現代」も制作されています。

 e) NHKの低迷がジャニーズをより優位にした

 もうひとつは,NHKのネット進出です。テレビ離れと少子高齢化に伴う日本の人口減少による受信料収入の先細りが危惧されるなか,新たな収益源としてNHKはネット進出を画策してきました。その第一歩である有料動画配信サービス「NHKオンデマンド」がスタートしたのが,2008年末でした。

 この文脈でもNHKはジャニーズを必要としました。ジャニーズみたさに「NHKオンデマンド」で番組が日本だけでなくアジア一帯にまで売れると踏んだわけです。が,思わぬ誤算がありました。

 ジャニーズがタレントの肖像利用にきびしく,ネット上への写真や映像の掲載をいっさい拒絶してきたことは有名ですが,「NHKオンデマンド」とて例外ではなかったのです。この権利交渉は難航。紅白歌合戦などごく一部に限定して,NHKがジャニーズにお伺いを立てて都度「了解をいただく」ことになりました。

 昭和の時代からNHKとジャニーズは,ドラマや歌謡番組を中心に密接な関係を形成してきましたが,NHKの低迷を機に明らかにジャニーズ優位へと潮目が変わったのでした。

 f) ネット拡大方針がジャニーズ依存に拍車をかける

 NHKでは,2023年のいまなお,若者への接触とネット(とくにSNS)上での存在感の向上に躍起になっています。現在,一定のブレーキがかけられてはいますが,前田会長時代に,ネット業務拡大が全局的におこなわれました。

 その一環として,40代以下の視聴率だけでなく,放送番組の同時・見逃し配信をおこなう「NHKプラス」の再生数,SNS上での番組関連投稿数やインプレッション数がKPI(重要業績評価指標)として厳格に設定されました。

 それらネット系のKPI目標を達成するためにも,ジャニーズは欠かせません。というのも,ジャニーズのタレントを起用すると,ファンが「推し」のために率先してSNS投稿や「NHKプラス」の再生をしてくれるからです。

 「NHKプラス」での再生数が大幅に増えたり,X(旧Twitter)でトレンドになったりすれば,番組サイドがそのタレントを重宝してくれると,ファンもしっているからです。

 番組担当者も,KPI目標を大幅に上振れするかたちで達成できれば考課・査定でも有利になり,出世していきます。そうした成功体験からジャニーズへの依存度がさらに増すという流れがNHK内ですでに固定化しています。
 
 いまや,8月の戦争Nスペにさえもジャニーズの若手が常連になっているのは,こうしたNHKのネット拡大方針が背景にあります。

 g) 「ネット受信料」のためにもジャニーズは必須

 今後,「ネット受信料」が導入されたさいにも,ジャニーズのタレントを起用すればファンを巻きこんで受信契約を増やせると,NHKはみこんでいる節があります。

 私が入手したNHKの内部資料によれば,これから受信料の値下げや少子高齢化の進展に伴う世帯数減少によって,2027年には受信料収入が5300億円にまで減少するとされています。

 現在の受信料収入が7000億円程度ですから,NHK職員からすれば想像を絶する減少です。

 h) NHK予算の見通し

「予算の見通し」に関するNHKの内部資料がこれ。

NHKが今後に予測する収支の推移

 NHKが悲願としてきた,プロバイダー代や携帯電話代とセットで強制徴収するかたちの「ネット受信料」は水の泡と消えました。

 「NHKプラス」などのアプリをダウンロードしてインストール,規約に同意したうえで支払い手続きに進むスタイルとなれば,その煩雑さからわざわざ契約する人はごく少数に留まると考えられます。

 そんななかでも,“お布施”のごとく受信料を支払ってくれる可能性が高いジャニーズタレントのファンは,NHKからすると絶対に囲いこみたい存在なのです。そのためにも,NHKとジャニーズの問題から世間の目をそらし,いち早くブッキング再開にこぎつけたいのというのがNHKの本音でしょう。

 補注)そうしてNHKが,10月5日午後7時という時間帯のニュースとして,ジャニーズ喜多川の性的嗜好の問題に発していたところの,つまり,今回もたれた記者会見(第2回目となっていが)において,それも事前に「NG記者(質問させない記者を事前に特定していた」という下準備は,ある種手練手管を駆使したつもりのジャニーズ事務所・関係者側の企図を教えるが,許されうるものではなかった。

 それでは記者会見ではなく「ミニミニ版の大本営発表まがい」のそれにしかなっていない。ジャニーズ事務所側は,あまりにも世間の常識をしらないというか,傲岸不遜がきわまった非常識な姿勢を,あらためてみずから暴露していた。

〔記事に戻る ↓ 〕
 i) 政治部より「政治力」があるドラマ・歌謡番組セクション

 ジャニーズJ r. が多数出演するNHKの音楽バラエティー番組「ザ少年倶楽部」の問題など,まだまだジャニーズをめぐる火種は尽きません。先の「クローズアップ現代」では,番組関係者への取材がおこなわれていましたが,私も独自にOBを含むNHK時代の先輩に取材をおこなったところ,驚くべき情報が寄せられました。

 「ザ少年倶楽部」だけでなく,ジャニーズが出演する番組の関連チケットなどをダシにして,政治家に接近してネタを取るような動きもあったというのです。とくに,娘や妻がジャニーズのファンというケースは多いですからね。

 そのため,NHKでもっともジャニーズと関係が深いドラマや歌謡番組のセクションは,報道局政治部よりも政治力があるとさえ一部では称されています。

 j) 元NHK理事の若泉氏はジャニーズ顧問に「天下り」

 とりわけ,NHK理事を退任後にジャニーズ顧問へと “天下り” した若泉久朗氏は,NHKとジャニーズの秘密をしる人物でしょう。私の記憶のなかの若泉氏は,飄々とした捉えどころのない雰囲気で前田前会長の「NHK改革」の方針を説明していた印象しかないのですが,

 実際にはドラマ部で大河ドラマなどのプロデューサーを歴任し,芸能界に広い人脈をもつといわれています。現場からは「若さん」と慕われ,ブッキングの相談をすれば「あいつは薬物の噂があるからブッキングはやめておけ」など具体的なアドバイスもくれたそうです。

 この若泉氏について彼の周辺を取材すると,驚くべき情報が寄せられました。

 9月11日の「クローズアップ現代」では「NHKを退職後にジャニーズ事務所の顧問を務めている長年芸能やドラマ部門にいた元理事にも重ねて取材を申しこみました。性加害が見過ごされていたことへの見解を問いましたが,この点について回答はえられませんでした」(番組HPより)と,取材を拒否して沈黙を貫いているように報じられていますが,実は1時間にも及ぶロングインタビューに応じていた,というのです。

 k) NHKが信頼を取り戻すために必要なこと

 確かに,若泉氏らしく本題をかわしたのかもしれませんが,ロケが実施したにもかかわらず素材を落としたのだとしたら信じがたいことです。インタビュー映像を使って「核心は語らなかった」と伝えるべきだったと私は思います。

 現段階ではあくまで推測ですが,もしNHKが若泉氏のインタビュー素材を収録したにもかかわらずオンエアしなかったとしたら,それは恐らく組織ぐるみの癒着が明らかになることを恐れてのことです。

 9月27日に実施された稲葉会長の定例会見では,若泉氏がジャニーズ事務所からのハワイ旅行接待を受けていた疑惑などを新聞記者が追及しましたが,NHK側は回答を避けたうえに,組織としての調査をおこなう考えもないことを表明しました。

 もし調査すれば,退職者まで巻きこんだ一大スキャンダルへと発展することは必至です。

 NHKはいうまでもなく受信料という公金で運営されています。その受信料と,公共放送という看板がジャニーズ事務所のビジネスに寄与したことは間違いありません。

 なぜ,NHKがジャニーズ事務所と歪んだ関係を構築したのか? NHKが信頼を取り戻すためには,その全貌をNHK自身がみずからの手で明らかにし,裁くべきは裁くことが不可欠です。NHKがみずからの恥部と向き合うことを切に願います。(引用終わり)

 --まあなんといえばいいのか,ジャニーズ事務所,ジャニー・喜多川の『小児性愛による性的加害の問題」は,単に同事務所を場にした社会病理・精神障害の問題範囲内にとどまりえず,NHKの内部問題にまで拡大・浸潤していた。こうした事実が,このNHKの内部事情にくわしい筆者が指摘し批判する内幕として暴露されていた。

 以上,『PRESIDENT Online』2023年10月4日の記事を長々と紹介したが,この『PRESIDENT Online』はまた,9月15日に報道した別の記事,

 「東山,井ノ原両氏を平気で矢面に立たせた…ジュリー藤島氏がタレントを使って隠し通そうとしていること 旧経営陣を守ったジャニーズ事務所に性被害者の心のケアは無理」『PRESIDENT Online』2023/09/15 15:00,https://president.jp/articles/-/73943

でも,ジャニーズ事務所の問題を報じていた。

 こちらの記事は,2023年9月7日になされた第1回目のジャニーズ事務所の記者会見を観察した柴田優呼(アカデミック・ジャーナリスト)が書いていた。その記述の全文はここでは紹介しきれないゆえ,柴田のこの記述のなかから小見出しのみ拾ってみると,つぎのような構成であった。

「解体的な再建」をせず,芸能人パワーで目をそらせようとした
 内実を知っているのはジュリー前社長と白波瀬前副社長

 4時間続いた会見も中身がなく,タレント価値を損なった
 東山新社長に性加害疑惑があることをかえって知らしめた

 本来はジュリー前社長が東山&井ノ原両氏を守るべきだった
 タレントに「一丸となること」を強いてはいないか

 ジュリー氏が取締役のままではタレントは言い出せない
 突然「1年間タレントに100%報酬が行くようにする」と発表

 必要なのはジュリー氏を経営から切り離す再建プラン

『PRESIDENT Online』2023年9月15日

 これらの小見出しでも理解できるのは,ジャニーズ事務所側にまともに問題に取り組み,誠意をもって事後に対応しなければならない,その「基本的な姿勢」に関して,まだ相当の疑いを抱かせることである。

 そして,ジャニーズ事務所側は,9月7日にもたれた第1回目の記者会見で,『一月万冊』の本間 龍(元博報堂社員のジャーナリスト・作家)に「ヒトラー事務所かスターリン事務所か……」とまで叩かれる目に遭っていたがためか,10月2日にもたれた第2回目の記者会見では,それこそ自社のためにあればこそ,本当はまったく不必要だったというほかない(逆効果になるものだから),あまりにもみえみえの勇み足を犯した。

 だから,つぎのように断定する人もいた。

 NHKのスクープ。しかし,NHKのテレビクルーが会見会場で,偶然に,件の「NGリスト」を目にしたとするには,少々話ができ過ぎている。

 内部告発があったとみるのが妥当ではないだろうか。司会者が元NHKのアナウンサーということも,関係があるのか,ないのか。

 憶測を呼びそうな予感。終わったね,ジャニーズ事務所の諸君。公募中の社名に応募しようかな・・・「ジ・エンド」

 註記)投稿者・達人が世直し「ジャニーズ事務所会見 会場に質問指名の『NGリスト』」(NHK)『阿修羅 掲示版』2023年10月04日 22:57:13,http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/888.html

ジャニーズ事務所はジ・エンド

 ジャニーズ事務所側がみせてきた一連の対応のなかで感じられたのは,藤島ジュリー景子はおそらく,社会常識からは一歩下がったところで,それも奥まった地平の片隅で,好き勝手にそれなりに優雅に生きてこられた女性だという点である。

 彼女はジャニー・喜多川の姪である。最高裁で2004年に結審した内容をしらないということはありえなかったはずだが,オトボケする意識に関しては徹底していた。当時の彼女は38歳であったというから,その年でよほどのおぼこだったのかとまでいいたくもなる。

 あまりにも芸能界において君臨しすぎてきたこの事務所の「一族・郎党的な幹部たちはいまだに,自分たちが特権的な領域にどっぷり漬かって生きてきたその過去歴から自由でありえないのである。

 最後にくわえて一言,感想をいいたい。

 冒頭,本日のこの「記述の表題」のなかに入れおいてた文句は,安倍晋三の第2次政権が2010年代において,この日本の政治社会をすっかり破壊してきた事実であった。ジャニーズ事務所の場合は,その疑似版を芸能界において築きあげてきたとみなされてよい。

 補注)日本のGDPは四半世紀前に比較すると,実質的に95%に減少していたという恐ろしい経済情勢の沈滞に対面させられている。少子高齢社会の要因がこれからはもっと効いてくるこの国を,アベが為政していた期間を通してだがドンドンとオンボロ化させてきた。

 アベはそのGDPの経済統計にすら手を出して捏造もした。そのために,教育に対する公的支出を計算するさいに分母に充てられるこのGDPの数値(増大させた操作)との関係で,その比率(分子の%のほう)を相対関係のなかで,さらに下げてしまうという影響を惹起させていた。

 経済面におけるそうした破壊行為とともに,いうまでもないが,民主主義政治体制をまっこうから否定してきたアベの為政は,また日本の政治機構を溶融させてきた。私物化(死物化)を結果させるほかない「いまだけ,カネだけ,自分だけ」の政治が前面に立ちはだかり,民主政が正常には働かない国家体制に沈没させた。

 双方の事実--ジャニーズ事務所と日本国自民政府そのあいだには,「なんらかに深く有意でかつ密接な合体性」がありそうだと観察して,なにも不思議はない。ドブ川の奥底付近においてはもともと併流していた『日本の政治社会の害毒2種』であったから……。

 いいかえるとその中身は,日本の政治社会の底面において通有となっていた「アベ的に捏造された政治面の悪魔性」と「ジャニーズ的に制作された芸能面の邪悪性」となって,この国を内部から腐食・退廃させる真因になっていた。

 いまの日本の政治社会を直視すると,そのようにしか理解のしようがないではないか。

【蛇足】 「八百長演出主演の井ノ原快彦氏」『植草一秀の「知られざる真実」』2023年10月5日,http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/10/post-1b2f9c.html いわく(〔 〕内補足は引用者),

 会見にはNGリストが用意されていた。会見で質問者を指名する際,指名しない人物があらかじめ定められていた。顔写真入りのNGリストが準備され,質問から排除された。

 他方,優先質問者リストも存在したとみられる。インナーサークルの質問者に優先的に質問をさせるという目論見。「やらせ会見」,「八百長会見」である。

 日本では八百長会見,やらせ会見がはびこっている。政府主催のタウンミーティングでもあらかじめ「さくら質問者」が用意され,用意された質問が提示される。

 回答者は事前に準備した回答文を読み上げる。〔安倍晋三が首相になってから始められていた〕官邸での首相会見がひな形

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【参考記事】

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