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読売新聞は安倍晋三の召使いだったのか? これからもその路線でいくのか(後編)

 【前記】「本稿(前編)」のリンク先住所は以下のものである。できればこちらからさきに読んでもらえると(当然)好都合の構成となっている。

 3日前になる2024年9月17日,『朝日新聞』朝刊1面冒頭記事は統一教会関連の話題を,冒頭画像として紹介した記事のように報道していた。ここではさらに,つぎの表を『日刊ゲンダイ』9月18日の記事から引用しておく。

 こちらは自民党総裁選への立候補者が,推薦人のうちで裏金問題に関係する議員を明記してあった。なかでも高市早苗については「裏金問題含み議員」がこのように,その推薦人に6名混ざっていたと。

これは自民党総裁選立候補者一覧


※-1 IT時代における新聞紙の課題

 まず,つぎの2つの図表をみてもらいたい。(なおこれら図表でとりあつかっている時期は2017年時点からのものであった)

 この表中でマスコミ四媒体広告費がインタネット広告費に追いこされるのは,2021年であった。ここでは2016年の統計をとりあげているが,それでもそれぞれの広告費の増減趨勢じたいが,きわめて鮮明だったと形容されるベクトルを有していた。 

 註記)以下の2表は「2016年広告費媒体別統計」と「2016年広告費媒体別増減比率」である。出所は,http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2016/media.html から。

統計・数値はこれ( ↑ )だが
つぎの棒グラフ( ↓ )は
さらに分かりやすく作図されている
以上に関して最近(最新)の関連統計は
「本稿(前編)」に紹介してあった

  

 ここで論じる題名は「媒体別広告費-インターネット広告媒体費1兆円超えなどで,総広告費を牽引-」となる。

 --2016年(平成28年)の広告費を媒体別にみると,モバイル広告市場の成長や動画広告,新しいアドテクノロジーを活用した広告配信の浸透などにより,3年連続で2桁成長した「インターネット広告費」は,1兆3100億円,前年比113.0% と伸長率を上げて好調に推移し,総広告費を牽引した。媒体構成比も20.8%で,前年より2.0%さらに上昇。とくに「インターネット広告媒体費」は1兆378億円と,推定開始以来,初の1兆円突破となった。

 「マスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディア〔衛星メディア関連も含む〕)」は,2兆8596億円,同99.6%と2年連続の減少。ただし,「ラジオ広告費」同102.5%と「テレビメディア広告費」同101.7%は,プラス成長だった。また,「プロモーションメディア広告費」は,前年に引きつづき「屋外広告」,「展示・映像ほか」などがプラスだったものの,全体では2兆1184億円,同98.9%と前年を下回った。

 インターネット広告費は「インターネットサイトやアプリ上の広告掲載費および広告制作費」(バナー広告等の制作費および企業ホームページの内,商品/サービス・キャンペーン関連の制作費)である。なお, 新聞の広告費は「全国日刊紙,業界紙の広告料および新聞広告制作費」である。

 註記)前掲,出所。

 以上,2016年までの広告費に関した説明であったので,さらにつづけて2022年までの関連する特定の事情(新聞業界の凋落傾向)が一目で判かる表3点を掲示してみたい。

この約四半世紀(1998年から2022年)における減少傾向は
29.64%であった
各紙の販売収入および広告収入の減少を
なんとか補填しているのがその他の収入であって
新聞制作・販売の経営だけの新聞社は凋落傾向がはげしい
 
全体の収入は総体で54.88%に減少したなかで
「その他の収入」はほぼ横ばいであった


 ※-2「新聞の電子版・スマホサービス,全国紙5紙の特徴は?」(『THE PAGE』2016年10月11日 13:43,https://thepage.jp/detail/20161011-00000006-wordleaf

 一般的にインターネット上のニュースは無料で読めるが,新聞社各社は電子版・スマートフォンでのサービスを充実させるようになってきた。全国紙5紙の動きをみると,無料だけではなく有料版でも提供をみられるようになってきた。

 展開するサービスは,新聞各社ともそれぞれ特徴があり,よいところ,悪いところもはっきりとしてきた。各社のサービスを比較してみよう。

 a) 一歩先ゆく日経  

 電子版での展開は日本経済新聞が一歩先をゆく。2010年3月に「日本経済新聞電子版」はスタートした。現在の有料会員数は約48万,無料登録会員をふくむ電子版会員数は約317万と,日本経済新聞社はいう。電子版の創刊により,同年の新聞協会賞を受賞している。

 「日本経済新聞電子版」の特徴は記事の多さと内容の深さだ。新聞の紙面よりもはるかに多い記事を電子版に掲載し,記事の内容も,紙の新聞よりも深掘りして書いてある。

 その記事を読者に提供しているのがスマートフォンのアプリだ。きびきびした動きはストレスを感じさせない。紙面ビューアのアプリも最近リニューアルした。これまでは朝刊では「朝刊」(最終版)の地方面では「東京・首都圏経済」を表示していたが,他の地域を表示することも選べるようになった。もちろん,いままでどおり各地域の地方面も読める。

 また,企業人事に異動があった際にはメールでおしらせする,という機能もある。ビジネスパーソンに向けて情報を発信し,それに合わせた機能を提供していることで,同紙の電子版は成功している。

 b) 追いかける朝日  

 それを追うのが「朝日新聞デジタル」だ。2011年5月に開始した朝日新聞デジタルは,会員数280万人,有料会員は28万人だと朝日新聞社は述べる。朝日新聞デジタルは,なにをめざすのか。

 「近年,お客様の閲覧環境はパソコンだけではなくスマートフォンやタブレットなど多様化していますが,使いやすい,分かりやすい『朝日新聞デジタル』をめざしております」という。

 たしかに,朝日新聞デジタルは使いやすい。他の新聞のデジタル版では紙面ビューアとニュースアプリが別々だが,朝日新聞デジタルでは一体となっている。紙面ビューアでは各地の地方面を読むこともできる。

 日本経済新聞電子版の地方面は地域経済の話が中心で,しかも県よりも大きい「地方」が対象となっている。だが,朝日新聞デジタルは各都道府県,地域によってはそれよりも小さい地域の各面を読むことができる。

 かつては全部の地方版を掲載した紙の新聞を高い値段で販売していたが,いまではそれと同等の機能を格安で手に入れることができる。

 また有料サービスについては,新聞を購読していない人のための「シンプルコース」もスタートした。月額980円で月に300本まで読めるというものだ。

 日本経済新聞電子版も朝日新聞デジタルも,有料である。単独読者だけのコースもあるが,メインは紙の新聞と併読するコース。どちらも新聞購読料にプラス月に1,000円だ。なお,朝日新聞デジタルを長く購読していると,6ヶ月縛りで月に500円となる「キャンペーン・ダブルコース」の案内がくる。

 c) 読者と接しようとする毎日  

 毎日新聞が電子版サービス「愛読者セット」を開始したのは2013年12月だ。「読者から信頼される情報発信をさらに努め,ネットの世界でも『毎日ジャーナリズム』の信頼性を図っていきます」と高い志をかかげる。

 「読者の多様なニーズに対応し,読者との関係性の強化を主眼にコンテンツ,サービスとも追加や強化をおこなっていく方針です」とする毎日新聞は,プラス500円の「愛読者プレミア会員」向けに健康相談サービスをおこなっている。

 「『デジタル毎日』では経済コンテンツと医療コンテンツに力を入れていることもあり,優待サービスのなかに健康相談,病院検索機能も盛りこみました」と毎日新聞はいう。たしかに,紙の新聞の読者は高齢化していることも事実だ。その層には,上乗せしても必要なサービスだろう。

 毎日新聞のデジタルサービスの基本「愛読者セット」には追加料金を設けていない。「デジタルは急速に普及しています。このため,本誌読者の利便性向上と商品価値を高めるため,毎日新聞本紙の価格は『紙とデジタルをセット』にしました」という。だから,紙の購読料だけで,デジタルは登録すれば読めてしまうのだ。

 プラス500円の「愛読者プレミア会員」になると,健康相談だけではなく,週刊誌『サンデー毎日』や同紙と提携関係にある『ウォール・ストリート・ジャーナル』が読める。「愛読者セット」「愛読者プレミア会員」,その他デジタルサービスをあわせて会員数は70万人となる。

 補注)毎日新聞の場合,非会員の資格でネット画面から直接新しい紙面に入って閲覧するときは,この「閲覧できる回数に制限がかけられている」。「ニュースサイト・アプリの閲覧権限について。デジタル毎日有料会員はニュースサイト・ニュースアプリのすべての記事が制限なくご覧いただけます。毎日IDをおもちでない方,無料会員の方,愛読者会員の方は閲覧・利用できないサービスがありますが,権限のない記事も月間一定の本数までは閲覧可能です」。

 註記)この段落は,https://mainichi.jp/info/digital/
 
 d) 無料の産経  

 産経新聞のスマートフォンアプリといえば「紙面が無料で読める」という印象が強い。iPhone は2008年12月,Android は2011年11月にこのサービスを開始した。約750万ダウンロード。この産経新聞の無料配信は続くのか。

 「サービス開始当初から無料閲覧機関を『当分の間』とお答えして参りました。ユーザーの動向を踏まえつつ,有料化の可能性はつねに検討を重ねており,可能と判断すれば有料化する考えに変わりはありません」とデジタル部門・産経デジタルは述べている。つまり,紙面を無料で読めるアプリや,速報ニュースのアプリも,有料化の可能性がある。

 ただし,産経デジタルの提供する速報ニュースのアプリには,欠点がある。速報でないニュースでも,読ませたい記事ならばプッシュ通知する。そのなかには,産経新聞の論調を好まない人には目をそむけたくなるような内容のものも多い。韓国や中国に対する批判記事,民進党への批判記事。ときには,阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員のコラム配信がプッシュ通知されることもある。

暑苦しそうな顔面に映る

 補注)この阿比留瑠比が書く記事には,裏付けなしで想像力を働かせたものも実際にあり(本人がその点を問いつめられて認めた〔自白した奇異事例もあるくらいである),産経新聞の報道姿勢には粗雑さが感じられる。

 逆に産経新聞のアプリ・スマートフォンサービスは,有料化してもいいのではないか。無料であることでこういった論説や記事を広めやすいということもあるのではと考える。「編集に関することにはお答えできません」と産経新聞社広報部はいう。しかしここが,産経新聞のニュースアプリとして重要なところではないか。

 e) 取材に応じない読売  

 読売新聞社にも「読売プレミアム」についての質問状を送ったが,〔2016年〕10月11日正午現在返事はなく,なんど問い合わせても「(回答を)検討しています」という返事だけだった。

 公開されている情報によると,「読売プレミアム」は,紙面購読者に150円(税別)をくわえれば新聞の全記事や紙面イメージなどが読めるというものだ。いまだスマートフォンのアプリはなく,スマートフォンで紙面イメージをみるさいにも,ログインしてブラウザでみなくてはならない。媒体資料から様子を探ることも困難である。なお,サービスは2012年5月に開始している。

 読売新聞は日本一の部数を誇っていながら,デジタルに関してはどこか保守的だ。なぜ読売新聞社はデジタルに保守的なのか。紙の新聞が日本一だからいいのか。このあたり,渡邉恒雄氏が「代表取締役主筆」となり,経営の最高責任者でなくなった(ただし紙面の最高責任者ではある)現在,今後どうするかをあらためて考える必要があるのではないか。(ライター・小林拓矢)
 
 註記)以上は,
    https://thepage.jp/detail/20161011-00000006-wordleaf
    https://thepage.jp/detail/20161011-00000006-wordleaf?page=2
    https://thepage.jp/detail/20161011-00000006-wordleaf?page=3
 
 補注)上記に参照してきた記事は現在(本日,2024年9月20日にあらためて検索したところ),リンク先住所は不在となっていた。だが,つぎの『YAHOO!JAPAN ニュース』に同文が掲載されている。

 ⇒ 「新聞の電子版・スマホサービス,全国紙5紙の特徴は?」『YAHOO!JAPAN ニュース』2016年10月11日 13:43 配信(『YAHOO ニュースオリジナル THE PAGE』),https://news.yahoo.co.jp/articles/d5af93683114c7180fc4485a6712c8d8b8b3b637

 補注)「孫崎 享さんの記事です」。「Date: Sun, 24 Jan 2016 07:43:24」「Subject: 安倍首相動静。読売の渡邊恒雄氏に呼びつけられて読売新聞本社で食事の異常さ。これが初めてでない。主従の関係。主は渡邊」『ラエリア・ムーブメント: “前の” アジア大陸代表のブログ』 https://ameblo.jp/junzom/entry-12120962039.html

 この記事にはつづいて,この安倍晋三と渡邉恒雄との食事場面の記録が,いくつが添記されていた。


 ※-3 新聞業界の将来-新聞社の収入源は販売と広告-

 1)「【業界研究】新聞業界の現状・今後の動向・将来性を学ぶ」(『#mayonez』2016/11/18 更新,https://mayonez.jp/604)

 この記事は,大卒就活生向けの記事であって,新聞社経営のごくイロハを解説していた。参考文献も挙げていた。要点のみざっと拾いながら聞いてみる。ただし8年前,2016年の関連統計である。

  a) 新聞業界研究:現状の関連統計紹介。
   ・市場規模 1兆8266憶円
   ・労働者数   42676人
   ・平均年齢  38.8歳(記者の場合)
   ・平均勤続年数 13.8年(記者の場合)
   ・平均年収  823万円(記者の場合)

  b) 新聞業界の現状:業界シェア(2014年)
   ・業界シェア1位 読売新聞グループ
   ・業界シェア2位 朝日新聞社
   ・業界シェア3位 日本経済新聞社

  c) 売上高(2014年)
   読売新聞グループ 3982憶3600万円。
   朝日新聞社    2886憶2900万円
   日本経済新聞   1704憶1300万円

  d) 新聞業界の動向〔については,以下の詳論がつづく〕。

 ⅰ)新聞業界の課題1:市場規模の縮小と収益減少 --その理由の1番は消費者の新聞離れである。メディアが多様化した現在,インターネットやスマートフォンでも簡単に,最新の情報が入手できる。わざわざ購読料を支払って新聞を購入する人が減少してきた。

 その結果,新聞業界の市場縮小や,新聞社の収益減少につながっている。メディアの多様化によって減少した購読者をどのようにして回復させていくかは,新聞業界全体の大きな課題となっている。

 ⅱ)新聞業界の課題2:マス広告の価値の低下 --マス広告の重要性や価値が下がり,広告掲載による収益は,以前ほどは期待できなくなった。
 新聞の購読者が減り,インターネットの利用者が増えたいま,学生や若者に向けた広告は,ネットに掲載した方が効率的である。

 また,富裕層向けの商品を宣伝したい企業も,専門性の高い雑誌などに広告を掲載することを優先し,新聞業界のマス広告に対する価値観が各業界で低下している。

 ⅲ)新聞業界の課題3:訪問販売の効率低下 --販促活動のひとつである訪問販売は,新聞業界を象徴するビジネスモデルであったが現在は,訪問販売によるセールスは,非効率的な方法となっている。若年層や女性は訪問販売の対象になりにくい。

新聞業界の課題

  e) 新聞業界の現状:市場動向(売上高の減少を図表で説明)
新聞業界売上げ推移2016年まで〔だが,ここでは2022年までの関連統計を参照しておく〕。

【付記】
 ここでは前段で参照しておいた,「前年度比マイナス9.7%…新聞業の売上高動向 (最新)」『ガベージニュース』2023年11年1日 02:47,https://garbagenews.net/archives/1983016.html をあらためて註記しておきたい。

 しかしながら,ここで再度前段にまで戻って,それを観てもらうのは面倒なので,このまま下段の記述に進みたい。 

付記

 2002年以降,〔新聞業界の業績は〕右肩下がりである。スマートフォンやパソコンの普及が進むにつれて,新聞の購読者や発行部数はどんどん減少しており,それに伴って新聞業界全体の売上高は減少している。

 また,広告収入の減少幅も大きく,各業界にとっての新聞広告に対する価値観が低下してきている。減少しつづける売上高をどのようにして回復させていくかは,新聞業界の存続にかかわる大きな課題である。

  f) 新聞業界の現状:新聞業界の将来性

 新聞業界の今後は,現時点では不透明といえる。新聞業界は紙媒体が主流であるが,デジタル化・ネット化が進む若年層において紙媒体を見直す可能性は非常に低い。とはいえ,新聞業界でも,デジタル化やネット化は徐々に進められている(この点は前段でも言及していた)。デジタル新聞や電子新聞などのサービスを始めている新聞業界企業も多く,紙媒体からの脱却を図る流れが確実にある。

 しかし,インターネットでは,最新の情報を無料で手に入れられるケースが多く,ユーザーがわざわざ購読料を支払って,電子新聞などを購読するのかという不安が残る。これからの新聞業界は,紙媒体からの脱却を強化しつつ,既存のインターネットのニュースサイトなどとの差別化を図っていく必要がある。

  g) 大学生就活用参考文献(なお著者によっては最新の該当文献に補正してある)

   1. 秋山謙一郎『記者・ライターの「お仕事」と「正体」がよーくわかる本』秀和システム,2016年。

   2. 河内 孝『新聞社-破綻したビジネスモデル』新潮社,2007年。

   3. 松林 薫『新聞の正しい読み方-情報のプロはこう読んでいる!』NTT出版,2016年。

 新聞業界は,インターネットの普及や購読者層の減少,広告収入の低下など,さまざまな問題を抱える。しかし,デジタル化など,再生の余地はまだまだたくさんある。そのための秘策やアイディアを生み出すのは,これから新聞業界に就職する,あなたかもしれない。         

 2)  新聞業界の内情を語る記述-新聞業界に将来性はあるか?-(『教えて! goo』2003年5月・6月,https://oshiete.goo.ne.jp/qa/550600.html 参照)

  a) 回答:その1(現役新聞記者から)

 企業としての新聞社の実情は,容易にうかがいしれない。上場企業ではなく,財務情報も少ししか開示されていない。しかし,各新聞社の(企業としての)優良性は「部数」だけで判断するわけにはいかない。なかでも地方紙の場合,重要なのはむしろ「シェア」で,特定地域におけるシェアが高ければ高いほど,効率良く広告収入が稼げる。

 たとえば『神戸新聞』〔朝刊 520,760部,夕刊 178,594部 註記)〕より部数が少なくても財務状態がはるかにいい新聞社があり,その逆もまたいえる。地方紙の場合は,(良くも悪くも)地元の行政や財界や論壇との結びつきが深いため,その地域において,みかけの部数や業績以上の「存在感」をもっている場合がままある。

 註記)『神戸新聞』 https://www.kobe-np.co.jp/ad-data/contents/pdf/2016ad-data.pdf なお,このリンク先住所は現在,削除。

 日本の企業については将来的に,「超大型企業か,専門性の高い企業しか生き残れない」という意見がある。だが,地方紙には全国紙にない魅力があり,むしろ全国紙や通信社の方が,淘汰や再編の波に巻きこまれる可能性が高い。ただし,地方紙と全国紙では,活動のフィールドが違うし,「ニュース価値の判断基準」も大きく異なる。

 新聞が斜陽産業であることは間違いない。しかし,「生きる道はある」はずである。とりわけ,ネットの普及によって情報が無尽蔵に溢れる現代にあっては,情報を取捨選択する「指針」としての役割が増してくる。ただし,鼻柱の高さから構造改革が立ち遅れている業界であり,将来的には,社会における位置づけや,仕事のあり方なども大きく変わっていくと予想される。

  b) 回答:その2(無記名)

 新聞業界は,これからも生き残っていくし,その意味で将来性はある。テレビが発明された時には,ラジオはなくなるともいわれていた。だが,いまもちゃんと存在している。新聞にしても,テレビが普及して何十年も経った現在も,健在である。たしかに,テレビや,インターネットなどさまざまな情報源があふれているなかで,情報源としての新聞の占める割合は減っていく。

 しかし,現在までに新聞業界がマスメディアにおいて果たしてきた役割は,大変に大きく,築いてきた情報の信頼性・信用は確固たるものとして存在している。これは,インターネットなどでえられるそれとは,一線を画している。よって,今後も新聞業界は信頼のおける情報源として,マスメディアの中で安定勢力として生き残っていくはずである。

 経営状況については,全国紙か地方紙かというよりも個々の企業による要因が左右する。全国紙では朝日新聞社などはステータスがあり,待遇も比較的良い。地方紙でも神戸新聞社は,前述のように兵庫県下ナンバー1の発行部数を誇っている。


 ※-4 結 語-新聞はなくならないが,きびしい時代に置かれている-

 つぎのような意見を聞いておく。

 既存の新聞紙やテレビ局が成功してきたのは,電波法や日刊新聞紙法などで新聞やテレビ業界への新規参入が事実上禁止されてきたからである。これらの法律がある事は政治とマスコミの癒着を証明するものであり,新規参入が自由ならば新聞もテレビももっと早く経営危機が訪れていただろう。

 補注)この政府と新聞業界の関係は現在,読売新聞社や産経新聞社のように,政府寄り(ベッタリ)の報道姿勢しか採れない新聞社を輩出させてている。

 とりわけ読売新聞社が日本社会に与えている弊害は,民主主義の根幹を腐らせる作用を,しかも時の首相〔ここではとくに安倍晋三のこと〕と腕を組むかたちで起こしている点にある。大手紙としては風上にも置けない,反動形成の特異な新聞社である。

 もしも,ネットにおけるブログやサイトの新規参入が制限されていたならば,新聞やテレビ業界の経営は安泰であったと思われる。つまり,ネットが新聞やテレビ業界のような閉鎖的な世界を破壊しつつあり,政府は規制の緩和といいながら,電波利権も新聞利権も保護したままであり,新聞は再販制度などでも例外扱いされて保護されている。

 新聞などは再販制度や日刊新聞法を逆手にとって胡坐(あぐら)をかいた経営をしてきた。宅配制度なども再販制度がなければ,とっくに吹き飛んでいたかもしれない。最近の新聞社の経営危機はネットの登場によるものであり,新聞の購読を止めた人でも「新聞でなければ読めない」という記事がない。

 補注)しかし,はたして,ここまでいいきっていいかどうか疑問がある。新聞そのものを拡げて読まなくとも,かなりの程度・範囲まではネットの画面をもって「新聞の記事:ニュース」そのものに接することはできる。

 だが,新聞紙面に表現されているその「紙面の構成」の仕方から伝わってくるはずの,各紙なりにもたせているつもりである「ニュースの意味づけ」に対面する側,すなわち「読者側において反応させられる意味・解釈」は,ネット記事のほうが確実に劣る。そもそもその相互比較をするという方法論からして確実な手立てがみつかっていない。

 新聞紙面におけるその意味をうかがうための要領は,記事の「文字数」やその記事に添えられた図表・統計などに求めるほかなく,新聞の現物紙面を読むか否かという違いには大きな意味がある。この点は,本ブログ筆者の場合,ウェブ版を発行する2紙をいつも読んで〔こちらでの紙面も閲覧して〕いて,つねに感じているところである。

(記事引用に戻る→) むしろネットの記事に抜かれることがあり,新聞が後追い報道をしている場合もある。さらに,誤報や虚報があればネットで叩かれるようになり,新聞の権威は失墜している。これでは東大の新卒者にも新聞記者は敬遠されるはずだ。

 これからの新聞社が生き残る方法は,専門分野を深め,究めれば電子新聞として有料化しても成功する道がある。そのためには,専門家を各界からスカウトして新聞記者にする必要がある。

 ところが,日本の新聞社にはそのようなシステムがない。原発問題にとり組むのならば,原発の開発に携わった人をスカウトすればいい。しかしそのような記者がいないから,読者が求める記事が書けない。

 素人の記者が専門家に取材しても,なかなか本当のことは分からない。記者クラブ制度にしても,警察や検察のリークに飛びついて記事にしてしまう。記者たちもリークが欲しいから御用記事を書くようになり,官僚たちの思いのままに新聞記者を操れる。

 だからわざわざ毎月4000円も出して新聞をとる必要がない。新聞購読者は毎月のように購読者を失っている。近い将来新聞業界も大リストラがおこなわれる。

 註記)以上,記述のリンク先住所は,http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/f3623735873e16ee16661b5b88239574 であったが,現在は削除されていてリンク先住所は存在しない。だが,同じ筆者の記述になるらしい,内容が類似した別の記述がみつかっている。つぎのものである。

 ⇒ 「近い将来新聞業界も大リストラが行われる😨』」『会長の繰り言。。老いを愉しむ会長の活動記(8階から観える風景(会長日記))』2014年10月11日,https://blog.goo.ne.jp/tamu0107/e/fe9aa78f8f447071176a264c6747f9ce/?st=1

新聞業界も大リストラ


 補記)新聞各紙の料金と特徴は,以下のとおりである。なおネット版(ウェブ版)購読料は別途に必要。

    新聞   朝夕刊価格   統合版(朝刊のみ)
   日経新聞  4,509円    3,670円
   読売新聞  4,037円    3,093円
   朝日新聞  4,037円    3,093円
   毎日新聞  4,037円    3,093円
   東京新聞  3,343円    2,623円
   産経新聞  夕刊なし    3,034円
 
 註記)2014年4月1日より,税込み。

 また,2023年中に各紙はつぎのように月極購読料を値上げしていた。

『日本経済新聞』はこの新聞紙の性質上「頁数が他の一般紙よりも多い」ため
この原価内容が反映された価格になっているのかもしれない

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