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米国の危機

 新自由主義について、日本では失敗だったという話はよく聞く。しかし、実は、米国でも失敗だったと述べている経済学者がいる(スティグリッツ教授「40年かけて実証された。サッチャーとレーガンが扉開いた新自由主義は失敗した」 堅調に見える米経済も一握りの富裕層を除けば惨憺たる状況(1/6) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp))。これは興味深い。

  米国の巨大企業が莫大な利益を上げている(新しい『MATANA』とは?『GAFAM』とは何が違うのか? - ビルポ | ビルメンポータルサービス (builpo.jp))ことから、米国は少なくとも経済では成功していると一般には理解されているのではなかろうか。

 「しかし実際には米国の経済成長は著しく鈍化した。中間層の賃金は低迷し、下層部ではさらに悪化して実質賃金は60~65年前と同じ水準に落ち込んだ。」とスティグリッツ氏は述べている。

 新自由主義が規制の撤廃を強調するのに対し、同氏は規制の必要性を説く。
 民主主義社会は、民主的な手続を経た法律(規制)に全ての人が従う社会であるから、規制をいわば必要悪と考える新自由主義は民主主義とは相容れない面が元々あるのであろう。
 そして、「トランプ大統領を生み出したのは新自由主義だ。」と同氏は述べる。規制が必要悪とされる新自由主義の下で庶民が自らの権利を守る手段は群民蜂起ということになるのであろう。

 以上を前提として、さらに興味深い報道がある。「10年以内に米国で内戦が起きる可能性について『非常にあり得る』が14%、『いくらかはあり得る』が29%で、合計43%に達した。」とする世論調査の結果である((2ページ目)米国民4割「10年以内に内戦あり得る」 中間選挙を前に分断が深まるアメリカ社会 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com))。

 もし米国で内戦が起こるようなことがあれば国際社会への影響は計り知れない。日本は最も影響を受ける国かもしれない。

 日本では政権交代すら難しく内戦が起こることはまずありえない。単純な比較はできないが、日本の危機と米国の危機のいずれがより深刻なのであろうか。

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