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推しがプロだなあと実感したエピソードを紹介する話

相変わらず下書きばかり溜まっていく今日この頃。
長文書くって大変やね。

さて、私には二次元の推しがそれなりにいる。
「グッズ買うぜ」レベルはさすがに片手で数えるほどだが、「あの娘いいよね」レベルならすべて挙げるのが困難な程度にはいる。

一方で三次元の推しはまあいない。
唯一細々と推し続けているのはPlasticTreeのギタリストであるナカヤマアキラ氏のみである。
本日は氏のことを「プロだなあ」と実感したエピソードを紹介して、勝手に氏の考えを推測してみたという話をしたい。

ナカヤマアキラ氏は、所謂本業のPlasticTreeでの活動以外に「AKIRANAKAYAMA」名義のソロワークと、副業と呼ばれているcoaltar of  the deepersのサポートとDateYouというユニットでの活動を行なっている。

DateYouの活動は不定期で、本業やソロワークの合間を縫うように行われるのだが、コロナ禍前は氏の誕生日前後に日程を組んで、バースデーライブと称したライブを開催することが多かった。
件のエピソードは数年前に行われた氏のバースデーライブでの出来事である。

DateYouのライブは基本的に対バン形式で開催されることが多い(過去にはワンマンライブも行われたことがあったので、いずれまたワンマンライブを企画していただきたいと願っている)。
バースデーライブであってもそれは例外ではなかったが、最後に対バン相手と一緒にカヴァー曲を演奏するセッションでバースデーライブのお祭り感を盛り上げる演出がとられていた。

セッションでの演奏前のMCにて、選曲についての話題になった際に、対バン相手の方が「NIRVANAカヴァーやろうって提案したんだけどさ」と言ったのを受けて、氏は「いや今何年よ。お客さんNIRVANA知らないでしょ。やるなら髭男(当時めちゃ勢いがあった)とかじゃないと(意訳)」と返したのである。

私、このやりとり聞いていて本当に衝撃受けましてね、「ああこれがプロとアマの視点の差なんだなあ」と実感したわけです。
すなわち主観的(「自分が」演奏したいかどうか)か客観的(「観客が」聞きたいかどうか慮る)かという差です。
当然ですが、対バン相手の方を貶める意図はまったくありません。単純に、プロとしてメジャーシーンで長く活躍している人には客観性や需要と供給という視点が備わっているんだなと新しい気付き的なものを得たという話です。

確かに、我々からしたらライブは「娯楽」だけれども、氏にとっては「仕事」なわけです。「娯楽」の需要に観客側にとっての「楽しい」というファクターがほぼ必須であれば、観客が楽しめる可能性が高まる形を選択するよなあと納得した次第です。
例えば、フェスでも職場のメンバーとのカラオケでもなんでもいいのですが、やっぱり自分のまったく知らない曲よりは多少でも知っている曲の方が楽しめるというか、参加したという実感は残りますよね。
おそらく氏の言いたいことはそういうことなのではないかと勝手に想像してみました。
まあ私個人としてはNIRVANAでもまったく構わないし、なんならNIRVANAの方が楽しめる年代ではありますが。

いやもちろん氏の冗談の可能性は大いにあり得ます。
アニメの考察厨に向けられる「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」というやつです。
ただ、エンターテイメントの大半が消費されていく性質を持っている以上、商業面を考えると時代に合わせた感覚や感性のアップデートは必要不可欠なのでしょう。

もちろん時代を超えても名作であり続ける作品はたくさんありますが、そこには普遍的な何か(テーマや表現手法等)が含まれている可能性が高いと思われます。しかしそんな作品やその作者はもはや芸術でありアーティストですよね。実際にはそのような作品ばかりではなく、有象無象として埋もれていくものばかりです。


例えば、小中学生の頃に大好きだった作品を引っ張り出して聞いたり読んだりした時に、「あれこんなんだったっけ?」と感じたことってありませんか?
私はあります。その当時は一般的な表現だったとしても、時代の流れとともに消費者も新たな表現等を見聞きした結果、相対的に陳腐化してしまう。それこそその手法を考案した第一人者、あるいはそれらを完全に消化して再構築した作品でもなければ後世で評価されることはまずないでしょう。

もっとも、商業的な面で見れば、普遍的な要素が欠けた作品=劣っているということではないと思うんですね。
商業的に見れば需要があることが大正義であって、だからこそ消費者の需要に応えられコンテンツを供給できるように感覚をアップデートし続けないと生き残れない世界なのだろうと推測しています。

そう考えると、例えばプラはアルバムごとに特色のあるバンドですが、プラはもちろん氏は意識的に「表現したいこと」と「時流に合わせたアップデート」のバランスをとって活動しているんだろうなあと勝手に感じたという話です。

最後に、氏の「AKIRANAKAYAMA」名義の活動ももうすぐ4年目になりますね。今度はどのようなアルバムになるのか今から非常に楽しみです。
こんな感じで末永く推していきたいと思います。
私からは以上です。




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