大事件発生!パトカー出動‼︎
Day 22(5/14) 1,341ー*12*ー1,353 Pochunk Mountain Shelter
この日はUnionvilleでリサプライ(食料補給)。ハイキング途中でリサプライする時は、ランチやスナックも同時に食べるのが楽しみです。サンドイッチはオーダーメイドで中身を選ばないといけないのであまり注文しませんでした。値段も分からないし高いに決まっているから、出来合いのもので済ます事が多かったです。
Unionvilleは、トレイルから近くて時間のロスも無かったのでもう少し先に行きたかったのですが、適当な距離に宿泊地が無くて12マイルでハイキング終了しました。トレイルに戻る道を歩いていると、向こうからHigh Roadさんが歩いて来ました。再び別れを告げて歩き出しました。シェルターには他のハイカーもいなくて一人で占有していたので、ラジオを聴いてみました。ニューヨーク州という事でジャズの番組を、外の風景を見ながら楽しみました。ラジオは一人で淋しい時の友ですが、軽いと言えあまり使って無かったので無駄な装備だったかも。
Day 23(5/15) 1,353ー*24*ー1,377 Wildcat Shelter
昨日は12マイルしか歩きませんでしたが、この日は倍の24マイルのハイクとなりました。次のシェルターが12マイル、24マイル先で途中にキャンプ地もありません。なんとか暗くなる前にシェルターにつく事が出来ました。食事を終えるともう真っ暗になってました。本当は面倒だしズルしようとも思ったのですが、小雨の降る中傘をさしてベアボックスに食料をしまいに行きました。
ベアボックスはシェルターから僅か30m程度ですがカーブした坂を降りて行きます。暗闇の中なんとか到着。方向音痴の私としては快挙とも言えます。ボックスに食料をしまいロックするのに少し手間がかかりました。その時頭の中のコンパスがグルンと動く感覚があり、シェルターの方向が全くわからなくなりました。
この距離ならば戻れると勘違いして、暗闇の中、歩き回ってしまいました。沼の中に入ってしまったり、藪の中を上がったり、下がったりして、ようやく自分が迷子になっている事に気づきました。シェルター付近にはStrapさんがハンモックでいるはずなので「Strap、help me!」と叫びながら歩き回っていました。1時間以上彷徨ったでしょうか、ついに諦めて朝を待つ事にしました。
Day 24(5/16) ー*03*ー 彷徨いながら北上
木に寄りかかり、小雨と風をしのぐように傘をさして、眠れない夜を過ごしました。
明け方、結構寒いので暗いうちから歩いてました。明るくなってもシェルターはおろか、トレイルに戻れる可能性もありませんでした。トレイルでは無い管理用の道に出て、日の当たる場所で「誰か見つけてくれないかな、何日かかるかな」などと呑気な事を考えていました。
やはり自分から助けを求めなくてはならない事にようやく気づいて(何時間かかっただろうか?)管理用の道を降って行きました。道路に出ると、車を止めて警察を呼んでもらいました。30分ぐらい待つとパトカーが来て、警官に事情を説明しました。極めてまれなことですがシェルターの名前を憶えていました。それもわからなかったらどうなったでしょう⁈唯一のラッキーでした。空腹かと訊かれたけどシェルターに戻ればあるので大丈夫と返事をして、ペットボトルの水だけもらいました。
トレイルヘッドまで連れて行ってもらいました。警官にわざわざアプリを有料でインストールしてもらい、場所を確認して1.7マイル先のシェルターに向かいました。1時間程度で到着するはずですが、通り越してしまったようでシェルターが見つかりません。デイハイカーにしか会わず、誰もシェルターの事は分かりませんでした。トレイル上を行ったり来たりしているうちにどっちに向かっているのかさえもわからなくなりました。
夕方になり、諦めてまた警察のお世話になろうと思い、再び道路に向かいました。しかし、その途中で子供の熊が遊んでいてトレイルを先に進めませんでした。ニューヨーク州は熊の多い地域で、それまでにも何回か出会っています。しょうがないので2泊目のビバークを決断しました。前日より寒かったです。歩き続けてましたが、不思議と空腹感を感じませんでした。
Day 25(5/17) 1,377ー*02*ー1,379 Lake Lodging (Greenwood Lake)
トレイルヘッドに出ると、前日とは景色が違うようです。全く分りません。庭の水やりをしている住人に警察署が近くにあるか尋ねると「この先を左」みたいに言うので歩いて見ましたがなかなか着きません。さらに歩いているとパトカーが来ました。先ほどの住人が呼んでくれた様です。
事情を説明して、わがまま承知でガイドがいないと戻れないと伝えて、一旦警察署まで連れて行ってもらい、作戦を考えてもらいました。水とみかんをもらい待合室で待ちました。しばらくすると、“good news” があったと伝えてくれました。
私が迷子になったシェルターには、荷物が散乱していたので、異常に思ったハイカーが色々と連絡を取ってくれました。その時は知らなかったのですが、iPhoneには緊急SOSという機能があり、パスコードなしで緊急連絡先に電話出来るのです。それを使って妻に連絡した事を後から知りました。出来れば秘密にしたかったですよね。私が夜徘徊する病気か?と訊かれたそうです。夜中に突然英語で電話があれば誰でもビックリしますよね。妻も他に色々と電話して相談したようです。そして、このハイカー(BOOGIE ONさん)が警察にも連絡して、事件は解決に向かいました。
そのシェルターにいた他のハイカーがトレイルヘッドまで迎えに来てくれました。合流時間までに、お巡りさんは私を店に連れて行き、コーヒーとサンドイッチを買ってくれました。店員もお金は要らないと言っていました。皆さん困っている人に親切です。腹ごしらえの後、サンダルも買ってくれました。2日間歩いていたのでもう履ける状態ではありませんでした。このサンダルは履きつぶす前に日本に送りました。
トレイルヘッドに来た2人のハイカーの内1人は教会で会ったEvaさんで、お巡りさんに知っている人だと言うと信じられないと言って驚いていました。もう1人はSky Walkerさんで、Boogie Onさんと一緒に歩いている人でした。Sky Walkerさんはこの事件をSNSにアップしたので後から会う多くのハイカーが私の事件を知っていました。恥ずかしい。
シェルターに戻るとBoogie Onさんが妻に連絡する様に勧めるので、日本は夜中なのでLINEで無事を連絡すると、直ぐに妻から電話が掛かってきました。とりあえず無事を報告して、状況を説明しました。ハイカーや警官など周りにいる人達が親切なので安心したようです。
最寄りの宿の手配、送迎と予約していた先の宿のキャンセルとAmazonから送った荷物の取置きの連絡もBoogie Onさんらのハイカーがしてくれました。そして、先ほど迎えに来てくれたトレイルヘッドの途中までSky Walkerさんとおしゃべりしながら歩き、宿の車に乗って町に着き、少し贅沢な夕飯を食べました。ゆっくり休養しました。
無事で何よりでした。
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