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#10 三鷹教育フェス

 8月20日に行われた三鷹教育フェスに参加してきました。なんとこの三鷹教育フェス、教育委員会から認められた自主研修グループの方々が主催してくださっているとのこと。昨年度の「特別支援教育セミナー」に引き続き、本当に素敵な取り組みだと思うとともに、自治体が違う自分にも参加するチャンスをいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。当日お会いした先生方は本当に素敵な先生方ばかりで、新たな先生方との繋がりをいただくことができました。熱い想いをもった先生方とのお話は、勉強になるだけでなく、自分自身のやる気に火を灯してくれます。夏休みが終わるこのタイミングで、たくさんのパワーをいただいた1日になりました。

①生井光治先生 【「小学校でのAI活用超具体」〜今なぜどのように〜】

 まず、生井先生から授業におけるAI活用についての講演がありました。自分たちの身近なところに溢れるAI。それをいかにして授業に活用していくかを具体的なワークも交えながらお話いただきました。
 
 Canvaの画像生成も用いた「俳句」づくりのワークがありました。画像生成を目的とするのではなく、自分がつくった俳句の画像を生成することで、想像した様子をより具体化したり、友達のイメージを共有できたりする。実際に活動することを通して、実感することができました。自分が「絵」に対して苦手さを感じていることもあり、わくわくが広がりました。絵を描いてもいいし、AIで画像をつくってもいい。子どもたちのアウトプットの幅が大きく広がるなと思いました。
 大切なことは、
・相手意識✖️目的意識
・豊かな言語活動
とのこと。これはAIを使うかどうかに関わらず、授業をする上で大切にしたことです。やはりAIを使うのが目的なのではなく、AI使って何をするのか?を教師がしっかりともっておく必要があると思いました。(もちろん、操作を覚えるためにも、「使ってみる」段階も必要だと思います)

 最後には、生井先生の想いをお話いただきました。子どもたち大切にしてほしいのは「トガリ力」。
・自分の凸凹を知る。
・友達の凸凹を認め合う。
・トガルは美しい。
・トガルはかっこいい。
個性を大切に‥と言いつつ、子どもたちの「トガリ」を抑えこもうとするのではなく、「トガリ」を大切に伸ばしつつ、足りないところを補うための1つのツールとして、AIを活用していく。生井先生の熱い思いにものすごく共感する一方で、「自分もトガリを抑えてしまうような指導をしていることがあるかもしれない」とドキッとする自分もいました。子どもと向き合うときに大切にしたいことを再確認することができました。

②田中善将先生 【この夏、体得!最新・生成AIカンタン活用術3選】

 次に、スクールエージェント株式会社代表取締役田中先生からAIをどう使っていくかについてのご講演がありました。田中先生のお話も「実際に使ってみる」ことができ、とても勉強になりました。

 Copilotを実際に使いながらお話が進んでいきました。簡単に英会話ができること、アイディア出しをしてくれることなど、実際に使ってみることでそのよさがわかります。授業で子どもたちが使うことは難しくても、校務に活用していくことは大いにできるなあと思いました。
 本音をいうと、実際に使おうと思っても、「これは使わないほうが早いかな」と思って使わないことが多々あります。ただ、自分自身が慣れていかないことには、使えるようにはなりません。まずは遊んでみるところから、使い続けることが大切ですね。

 教育✖️AIのビジョンとして田中先生は、
・オンライン→新たな実験を必要としない学び
・学校→新しい実験・発見が必要な学び
という違いがあると考えているとのことでした。「学校だからこそできること」を学校で働く自分がいかに言語化できるかどうかが大切だと思いました。

 QAでは、AIを実際の「思考のステップ」に合わせて活用していくことが大切だとの話がありました。文章を書かせようと思えば書かせられる。けれど、それでは自分自身の学びとしての価値は少ない。「何のために」その文章を書いているのかを、どれだけ自覚できているかが大きく関わってくると思いました。

③渡辺道治先生【内容はお楽しみ】

 午後は渡辺道治先生の講演でした。案内には「内容は当日のお楽しみ」と書かれ、時間は4時間。どんな時間になるのかわくわくしていました。

 講演は「お品書きシステム」。渡辺先生の講演会に参加された方はイメージがつくと思います。参加者が聴きたい内容を決めるこのシステム。常に相手にチューニングを合わせ、聴いている私たちが聴きたい内容を話そうとしてくださる渡辺先生ならではの仕組みです。結論をいうと、4時間があっという間。圧巻の4時間でした。暑さもある中で、最初から最後まで、参加者が高い熱量を保ち続ける。「凄い!」の一言でした。

 ラーメンとチャーハン、勉強のコツについてのオムニバス授業、目線の話、パリ五輪の授業、折り曲げの法則について、キャッチコピーの授業に、心を整えるルーティンにQAコーナー‥本当に盛りだくさんで贅沢な時間でした。

 今回は、あえて渡辺先生が「死角」とおっしゃっている1番前の端の席に座りました。死角でいかに目線の力を感じられるかを体感したかったからです。結果、講演会を通して、目線というプレゼントをもらい続けました。あえて、端の席に座っていることで、「位置エネルギー」のもつ力の大切さについても同時に感じることができました。
 「位置エネルギー」が高いときには、目線は少なめ。「位置エネルギー」が低いときには、目線が届く。渡辺先生が、位置の力と目線の力を組み合わせて使っていることがとてもよくわかりました。夏休み明け、毎日授業の中でトレーニングできることだと思うので、意識していきたいと思います。

 また、目線のトレーニングのときには、実際に参加者の前で自己紹介をすることにチャレンジしてみました。目線を合わせようとすると内容がとんでしまう。内容を伝えようとすると目線が曖昧になる。自分の力不足を痛感しました。目線がとまらず流れってしまっていることもとてもよくわかりました。自分の至らなさに気づく、よい経験になりました。
 こういった場面では、これからも積極的に前に出ていかなければいけないと思います。自分にはこういった経験が圧倒的に足りていません。自分の至らなさに気付く経験、これからも大切にしていきたいです。

 最後のQAの中で、いかに力量を高めていくのかについての質問がありました。ALLセミナーでもあった教師としての基礎的な3つの力「声」「目線」「立ち姿」を意識して高めていくことが大切であるとのことでした。教師としての地力を高める。何をするにも活かすことができます。
「声」はシャドーイングで、「目線」は授業の中で、「立ち姿」は日々の生活で、トレーニングを積んでいきたいと思います。(そういえば、キラッと光る何かを身に付けてない!と思い、次の日から時計をつけはじめました。)

 振り返って書き出すと、とまらない4時間。本当に豊かで濃い時間でした。 

全体を振り返って‥

 本当に素敵な1日でした。懇親会も新たな出会いがあり、とても楽しかったです!熱意ある先生方と共に、贅沢な3人講師の先生方のお話が聴けたこと、これが無料なんて信じられません。これはひとえに、事務局の皆さんが、いろいろな場所に働きかけ、計画し、運営してくださったことによるものです。感謝してもしきれません。こうして学ぶ場をいただいたことに感謝しながら、自分の学校・自分の教室に活かしていくことが、最大のお返しになると思うので、夏休み明けの学校、教室を大切にしていきたいと思います。学んだことを活かして、地に足つけて、日々積み重ねていきます。

 最後に、今回の三鷹教育フェスに関わる全ての皆様に感謝します。本当にありがとうございました。新たな繋がりをいただいた皆様、今後ともよろしくお願いいたします。