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山猫

以前観てたハズなんだけど、全く忘れてたからまた観た、ヴィスコンティの「山猫」。
時間は3時間半。つまらん、眠くなる〜と言う人が多いのもわかる。
が、良かった。

まずアランドロンかっこよすぎるわー。そんで貴族ってこんな感じだったんだーっていうのが良くわかる。屋敷も広大すぎて使ってない部屋多すぎでしょ。映画の中では貧困に喘ぐ人民も映されていて、その対比がエグいです。

ヴィスコンティ自身も貴族だしね。本物志向で、後半の舞踏会のシーンは本物の貴族が、本人たち所有の本物のドレスで出てるらしい。

ただ、ただの貴族マンセーな映画ではない。伝統的な貴族はもはやジジイやババアしかおらず、
はじけるような美しさのアランドロンやおっぱいばいんばいんなヒロインはこれからの人たち。
ヒロインは新興ブルジョワの平民なんだけど、平民だろうがもう美しけりゃなんでもいいよね!
アンジェリカって名前も、なんかもう華やかすぎる。

恋のライバルの貴族の娘との対比もエグい。
貴族の娘も顔は美しいんだろうけど、キッと睨む表情が硬すぎて、全てにおいて硬直状態というか、控えめすぎて内気すぎて華がないというか。色気がない。
女は色気なんだなぁーというのがよくわかりました。←?

それに貴族の娘も、アランドロンとは親戚なので結婚したら近親婚ですしね。貴族は血ガーって言いすぎてその成れの果てがスペインのハプスブルク家のアゴ奇形で、結局最後は断絶になっちゃいましたね。

そんでヴィスコンティってほんと、美しい男が好きね。『ベニスに死す』の美少年とか、アランドロンもそうだし。
この映画の主人公の貴族のおじさんも身体鍛え上げてて、同性の神父と裸でアッー!なシーンはないけどそれに近いようなところもあるし
アランドロンが主人公のおじさんに愛憎というか、嫉妬するのもおっさんずラブとか好きな人は刺さるのかもしれない。

なんか話がズレましたが、
つまり何が言いたいかというと、古い映画だし長いけど良かったです。

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