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排気の曇天にブルーを。

無彩色の曇天にペシミスティックブルーを一滴落とす。
美しくあろうとする営みは須くナルシズムみたいだった。
だからってつまらない世界でずっと生きていけるのかというのは別問題で。
ずっと自罰的に世界を醜い赤に染め上げるのも限界があって。
ただ流れ落ちていくように変わって、その新しい身体を後付けで理由で綺麗だなんて思うしか無かった。
いつかは好きな絵画の中で事切れること。
いつかは夢見がちな詩を大真面目に口ずさむこと。
きっと無いんだって確信した偶像を今だって大切にしてる。
だけど、この感情だって演技なら。
自分を信じられないから、自らの平穏の為に祈っている。
祈りしか許されていない。
受容しか許されていない。
ただそこにある美しさに祈る。
偶像だって言うけれど、私たちはフィクションの中でしか生きられなくて。
だから、ただ共犯で気持ちの悪いことを言って、ただ子供染みた本当を重ねてほしかった。

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