『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』2周目見たよ

まずお前、1周でいいから見たか?絶対に見ろ。俺が保証する。この映画は君の2時間を煌びやかなものにしてくれる。保証する、だから見てくれ。


いやー、凄いね。舐めてた。こんな良い作品だとは思ってなかった。初めて自然に泣いた。勝手に涙が溢れた。『君の膵臓をたべたい』を初めて読んだのが中学生のときの朝読書の時間で周りにみんないたせいで泣けなかったってのもあるけど、やっと涙童貞卒業した。奪ってくれてありがとう。

高寿が愛美に初めて声をかけた日、愛美が携帯電話を持ってないってことに凄く引っかかったんだけど、意味は特になくて、もう会えないんじゃないかっていう高寿の不安を大きくする要因って認識で合ってるのかな。
あと福士蒼汰のカタコトな日本語が気になったけど、これは愛美と会って世界がパーっと明るくなって、芋臭さが抜けていくことを分かりやすくする為なのかな。
去り際に、愛美が泣き出すシーン。この作品のキモになる「高寿の初めては愛美の最後」これ俺が勝手に作ったキーワードね。高寿にとっては初めて会う存在で、声をかけなかったらこの先で会えないんじゃないかっていう思いは声をかけたことで解消して愛美とのこれからがあるのに対して、愛美にとっては15歳、10歳、5歳で会うとはいえ、ちゃんと関わるのはもう終わり。これがつらいね。てか俺対比に弱いな。対比って分かりやすくて好きなんだよね。

2日目は特に語ることないかな。言うとすれば「課題を動物園でやるとは言ってない」ことだけ。

高寿が引っ越して愛美が手伝いに来てくれた日、高寿の呼び方について「みんな、どういうタイミングで変えてるのかな」って問いに愛美が「今だよ、今今」って半ば強引に呼び方変えようとしてるのは、後半で愛美が大切な運命を辿る為にメモ帳通りに日々を進めることを重視してたことが明らかになったけど、それの現れで呼び方を変えるタイミングが遅くならないようにしたかったのかなって考えたけど、多分そんなことなくて、ただその日までに変えられなかったら次の機会が愛美にとっての最後になっちゃうからなるべく早く呼び方を変えたかったのかな。実際そう呼んでもらえてそう呼んで泣いてる。

初めて手を繋いだシーン、これも高寿にとっては初めて手を繋いだ瞬間だけど、愛美にとっては最後に手を繋いだ瞬間。このときはまだ「涙もろい」をそのまま受け取っててただ初めてに感動してるだけだと思ってた。

ビーフシチュー作って「隠し味にチョコレート入れてるからね」のシーン、バカな俺はここでようやく気づいたよ。愛美何かしらの秘密ありますやんって。あまりにも分かりやすすぎて、メタいけど愛美管理バグってて、ちょっと好きじゃないけど、分かりやすいから良いってのもある。俺みたいに気づきづらい視聴者でも一緒に惑わされる感じが。

家にメモ帳を忘れ物して愛美の真実が高寿にバレた次の日。いつもはいっぱい笑っていっぱい泣く愛美が、ただただ事実を淡々と言っていくのが無機質で人間味を感じなくて、不気味で怖かった。理解できない事態に戸惑ってる高寿を突き放すかのように、愛美は髪の毛上手く切れてるな〜なんて調子の良いこと言ってたのも不気味さを加速させてた。
以前カフェで2人で見たはずのポメラニアンに、わざわざメモを取るほどじゃないから2回目ってことを知らずに愛美は初めてのリアクションを見せたことで、あれほど愛し合っていたのに2人は違う世界を生きていたんだと、完全に放心状態になった。
メモ帳通りの運命を辿るために、愛美は演技をしているっていう高寿の悩みが俺にもあって、いつも通りのデートをしてもやっぱこれまでを知らない愛美とのすれ違いがどうしても起こっちゃう。デート中に帰ろうとした高寿を「待って!」って止めるのも、愛美が運命を辿れないことを恐れて止めようとしただけで、一緒にいたいから止めたわけじゃないのかなって思っちゃってつらい。

「なんで愛美はこんなこと(運命を辿る為に演技をすること)、平気で続けられるんだろう」と思い悩んで、いつも泣いていたことに気づいたシーン、ガチで泣いた。
2人でする初めてのことのタイミングで、毎回愛美が泣いていた。それは愛美にとっては最後だから。それでも笑う時はちゃんと笑ってた。メモ帳を見られたことで真実がバレたけど、もしその真実を高寿が最後まで知らなかったら、愛美は計画通りに全て1人でやり遂げるつもりだったんだよな。そんなのつらすぎる。

こうして愛美が時間を逆行してる目的は、作中では5歳の時に溺れた高寿を助けるため、今の高寿に会いたいからってことになってるけど、愛美も5歳の時に高寿に救われたことをきっかけに意図的に逆行したから、救ってないはずなのに高寿は35歳まで生きてて矛盾してるなとはちょいと思った。
15歳の愛美と25歳の高寿が会うのも愛美の真実を知ってるから愛美が20歳のときの事の顛末を愛美に教えることが出来てるわけで、知ってるから出来ることと知らないから出来ることがそれぞれあることで矛盾しちゃってる。

高寿にとっての30日目最終日、愛美にとっての1日目最初の日、分かりやすく愛美の接し方がぎこちない。メモ帳通りのことをするために愛美を描くんじゃなくて、今できることは描いてあげることだけだから描くっていう高寿の考え方がとっても良かった。
「ここがピークなんだね。これから少しずつ、あなたの過去に戻っていって、あなたの恋人じゃなくなってくんだね。すれ違ってくんだね。」つらいよ〜。でもすれ違ってなんかいない。「端と端を繋いで輪になってる。」

この後の逆行する愛美が、回想としても答え合わせとしても秀逸でめっちゃ泣いた。
「また会えるかな」で泣いてるあのシーンも、これからの高寿に勘付かれないように演技して、でも本当は電車に乗った後泣き崩れちゃうほど辛くて。

時間が設定に含まれるとめっちゃ難しくてどっかでボロが出ちゃうからそこだけ残念なとこあったけど、色んなことで驚かされてめっちゃ好きな作品になったな。

2周目見てみても面白いかもよ!
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』をよろしくお願いします。


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