宮原真希

わならないけど、日々考える。 ■コロナワクチン後遺症/障害者年金受給/ADHD/APD…

宮原真希

わならないけど、日々考える。 ■コロナワクチン後遺症/障害者年金受給/ADHD/APD/Kindle作家

最近の記事

『それはわたしが外国人だから?』安田菜津紀(著)を読んで。

 子供向けの本ではあるのですが、日本の入管で起きている問題がよくわかりました。  日本は『在留資格』が無くなった瞬間に、『人権』も無くなる恐ろしい国。

    • 『生きのびるための事務』坂口恭平(著)を読んで

       坂口恭平さんの本は、これまでも何冊も読んで来たのだが、生きる事に悩む人々に対するアンサーの集大成のような本だと感じた。漫画になっているので、読みやすい。  坂口恭平さんのイマジナリーフレンドジムくんが、人生を導く『事務』について、淡々と教えてくれる。  『事務』というと、書類を眺めたり、細かいお金の計算をしたり‥‥‥というイメージなのだが、この本で取り扱う『事務』はもっと広く大きい。    『人生』を扱う『事務』なのだ。  どんな夢を叶えたい? だと、漠然とした質問になる

      • 『傷を愛せるか』宮地 尚子(著)を読んで

         トラウマ研究の第一人者によるエッセイ本です。  どんなに研究を重ねても、何もできずに『見ている』事しかできない時がある。『底つき』するまで、待つしかない事もある。  けれど、そうしてただ『見ていてくれる』誰かがいる事が力になる事もある。転んだ子供に必要なのは、起きあげてくれる他者の腕ではなく、起きあがるまで見守ってくれる誰かなのかもしれない。  暗い海から光を見上げるように、著者はさまざまな『痛み』を注視して、そこにかすかな光を見出す。多くの人が見逃す『痛み』に注目する。

        • 『読書からはじまる』長田弘(著)を読んで。

           『読書』というモノを、改めて、いろいろな視点から考えさせてくれる本です。  『どんな人もその気になれば友だちは見つけられる。現実生活に友だちがいない人にも、唯一友人を準備してくれるものがあるとすれば、それは書籍だ』(幸田露伴)  私は家族と縁を切った結果、それまで自分が関わっていた人間関係の殆どとも縁を切ってしまいました。機能不全家族の中で培ったコミュニケーションで引き寄せた人達は、私にとって、あまり良い人間関係を築ける人達では無かったからです。  結果、一人で過ごす時間が

        『それはわたしが外国人だから?』安田菜津紀(著)を読んで。

          『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話 』済東鉄腸 (著)を読んで

           なんと面白い本なのだろう。タイトルからして、インパクトが強すぎて、私はたびたびこの本の表紙を思い出してしまい、結局金欠なのに買ってしまった。  内容は雄々しく、力強く素晴らしかった。  本当に、千葉から出た事のない引きこもりが、ルーマニアで小説家になってしまっていた。どうして、そんなミラクルが起きたのだろうかと思ったら、著者の地道で特異な努力の賜物だろう。  彼は、ルーマニア語の学習の為に、Facebookで見知らぬルーマニア人に友達申請を送りまくって、ルーマニア語の勉強を

          『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話 』済東鉄腸 (著)を読んで

          『家族と厄災』信田さよ子 (著)を読んで

           コロナをきっかけに、私と母の『共依存』関係は限界を迎えた。怒鳴りあい、罵り合って、私達はどうにか離れる事ができた。  この本には、私と同じようにコロナをきっかけに起きた『家族』の厄災について書かれている。  コロナのせいで、『問題』が起きたのではない、元々あった『問題』がコロナのおかげで拡大拡張化されて、それに対して耐えられなくなった『被害者の側』が悲鳴をあげたのだ。「もう、自分はこんな事を我慢したくない……!」と、つま先で立つような現実から下りる事を選択したのである。  

          『家族と厄災』信田さよ子 (著)を読んで

          『どんとこい、貧困!』湯浅誠(著)を読んで

           こちらは2009年に書かれた本です。2024年の現在、日本の『貧困』が無くなっているかというと、『子供食堂』が全国に約9000件もあるという異様さを見ると、むしろ状況は悪化しているように感じました。  この著作の『貧困』に対する考え方で、面白いと感じるのが、人によって持っている『溜め』が違うという事です。  例えば本人に稼ぐ力が無くても、親がお金を持っているのなら、子供は親を頼る事ができます。(もちろんコレは依存関係になりやすいという問題もありますが)  また、お金は無くて

          『どんとこい、貧困!』湯浅誠(著)を読んで

          本屋で働けない私

           子供の頃から本が好きだった。  アルバイトができる年頃になった時、本屋に履歴書を出しに行った。けれど結果は、不採用だった。結局、派遣の仕事についた。  その後も、転職のたびに本屋に履歴書を出していたが、やはり不採用なのだった。  理由は簡単で、私の見た目がひょろりと細長く、弱々しく見えるからだろう。本屋はハードワークだと聞く。確かに、虚弱体質の私には務まらないだろう。  それでも趣味の良い個人書店を眺めていると、私も本屋というとのがやりたくなる。けれど、個人書店を運営する資

          本屋で働けない私

          『自分を愛する本』服部 みれい (著)を読んで

           私は、母親から長年、精神的虐待を受けていた。思い返してみれば、幼少期から私は母に心から甘えた事がない。大人になってから、それが今さら満たされる事もなく、私の心には常に空虚さがあった。それは、本来は健全な環境で育った人達が持っている、地に足の着くような感じがないのだ。赤子はこの世界に生まれて来て、母親に無条件に愛される事で、この世界に対する肯定感、自分に対する肯定感を得るらしい。私は、その『肯定感』が持てなかった。基盤になる場所が無いまま生きていたのだ。  不安定な足場で生き

          『自分を愛する本』服部 みれい (著)を読んで

          『本屋なんか好きじゃなかった』日野剛広(著)を読んで

           私はアルバイトが出来る年齢になった頃から、本屋で働きたいと思っていた。けれど、何度、履歴書を出しても落ちてしまい、結局、今この時まで本屋で働いた事はない。一つの理由は、私がひょろっと細く、見るからに体力も筋力も無さそうだからだろう。本屋の仕事はハードワークだと聞く。私のような虚弱体質の人間には務まらないように見えたのだろう。  さて、この本では、本屋で働いている著者が、本屋で働きながら日々思う事が綴られている。  著者は別段、本屋が好きだったのではなく、学生の頃からアルバイ

          『本屋なんか好きじゃなかった』日野剛広(著)を読んで

          『集団に流されず個人として生きるには』 森 達也(著)を読んで。

           コロナが流行った時、人という『集団』の脆弱さを感じた。  イジメはいつだって、多数から少数に行われる。  学校内であれば40人対1人。数は暴力である。  多数の意見は『正しい』モノとされ、例え何かが間違っていても押し通される。コロナで押しとされた意見はなんだったのだろう。  私はコロナワクチンを打った後に、体調を崩して半年程ベッドから起き上がれなくなった。周りに迷惑をかけない為という、『不安』と『恐怖心』から接種した。結果、私は死にかけた。  後に調べたところ、コロナワクチ

          『集団に流されず個人として生きるには』 森 達也(著)を読んで。

          『あの頃のBLの話をしよう』を読んで 

           「なんで男同士の恋愛が好きなの?」と聞かれても困ってしまう。  もしや、男性不振的な心の傷があるのだろうか……と未成年の時は思ったりもした。けれど、現実で男性と恋愛しても、やはり私は腐ったままだった。おそらく腐女子は一生、腐女子なのだろう。  新選組の屯所の横に住む少女は、隊士達の恋愛模様を描いた創作ノートを付けていたらしい。私達、女には古来から、男同士が仲良くしていると、嬉しくなってしまう遺伝子が組み込まれているのかもしれない。なにしろ男同士が仲が良ければ、争いは起きない

          『あの頃のBLの話をしよう』を読んで 

          『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』 小島 秀夫 (著)を読んで

           《gene(遺伝子)と〈ギリシャ〉mimeme(模倣)を組み合わせた造語》模倣によって人から人へと伝達し、増殖していく文化情報。 文化の遺伝子。    人は、『子』を残さなくても、『文化』という遺伝子を残す事ができる。    映画のような奥深い物語を作る、小島 監督を構成した遺伝子達はなんだったのだろうか。  一つ一つ紐解かれていく遺伝子達に、ゲームのシーンを思い出して感慨深い気持ちになる。  MGS3のTHE BOSSが、『ジェニィ』という母性を持った野良猫のMEMEから

          『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』 小島 秀夫 (著)を読んで

          『親子の手帖 』鳥羽 和久 (著)を読んで

           親子とはなんだろう。わかりあえそうで、わかりあえない。けれど、深くわかりあってもいけない人間関係なのだ。  あまりも物分かりの良い親の元では、子どもは反抗期を迎える事ができないらしい。それでいくと、私の親は本当に頑固で、頑なに私の意見を聞き入れてくれなかった。けれど、おかげで私は反抗期の儀式を無事に終える事ができた。親と子は、別の人間なのだとお互いに理解する儀式こそ、『反抗期』なのかもしれない。  それにしても私は大人になって、子を叱れるだろうか。『反抗期』の子に、きちんと

          『親子の手帖 』鳥羽 和久 (著)を読んで

          『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』 上田啓太 (著)を読んで

           長期の休みは、人の『自我』を崩壊させていくのだなと思った。社会から分離して、人と関わらず、個人で過ごし続けると、人は『社会性』を失っていくのだろう。それは、『社会』で生きていく為に身に着けていた鎧と言える。その鎧を失った下に出て来るのは、ありのままの『自己』である。  私は認知症の祖母が、今まで出来ていた事ができなくなり、記憶が曖昧になっていく中で、彼女の中で作り上げられたいた『社会性』が失われていくのを見た。そこから見えて来たのは、今まで『理性』で押さえ込んで来て『我慢』

          『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』 上田啓太 (著)を読んで

          『水中の哲学者たち』永井玲衣 (著)を読んで

           『哲学対話』……そういうのが、あるのだなぁと思った。  哲学というと、ソクラテスや、プラトン、アリストテレス、デカルト……などか思い浮かぶ。  けれど、『哲学対話』はもっと敷居が低くて、小学生でもできる。   『哲学対話』のルールは六つだけ。 ・よくきく ・自分の言葉ではなす ・「結局人それぞれ」にしない ・理由をあげて話す ・変わる事をおそれない ・ゆっくり考える  このルールの中で行われる、自由な『対話』に私は居心地の良さを感じる。「死んだらどうなる」、「なぜひとは生

          『水中の哲学者たち』永井玲衣 (著)を読んで