ダイヤル式金庫
今は大きな固定の金庫は、プッシュ入力とかになっている。
だが、昭和では、ダイヤル式金庫だった。
右46左18云々とかに合わせて鍵を差し込んで回して開くタイプだった。
うちの会社の金庫は、高さ1メートルくらいだった。勿論重いので、持ち上げた事はないw
俺は経理の支払い担当者となり、部屋の大金庫から毎日小口現金用の金庫に通帳と印鑑用の金庫を出して、帰る前にしまっていた。
だから大金庫の鍵もダイヤルロックの解除方法も引き継いでいた。
最初は覚えるのが大変で、手帳にメモしたのを見ていた。
そのうちに暗記出来たけど。
大金庫の中には、手形帳も小切手帳も入っていた。
支払いで小切手切ったり、銀行との長期借入金用に手形切る時には、俺は決済帳を書いて、係長経由で次長から決済帳に認可の印を貰っていた。小切手や手形に金額をライターで入力するのは、次長だった。
そして、社長室に電話して、社長室で社長から手形や小切手に会社の実印を貰うのだった。
社長は金額入れるまでは下の次長に任せて、決済簿見て内容で不明点有れば担当者の俺に質問して、その上で印鑑を押印するのだった。
この時に社長の雑用を頼まれたりもしていた。
俺とは社長室と言う密室で、サシで話してるから、他には漏れない。
だから社長がスピード違反した罰金を払いに行ったりもしたなぁw
社長は俺とだけの秘密事項だと思ったろうが、雑用頼まれた俺は自分のデスクに戻ったら、係長とか相手に罰金払いに行かされると愚痴ったりしてたから、経理のみんなは知っていたw
大金庫には他にそれぞれの部署で小口現金用金庫を使っている3つの課の担当者が朝は金庫を出しに、帰る前にはしまいに来る。
だから俺が用事があって定時で上がりたい時でもその部署の人たちが全員小口現金用金庫をしまってからでないと、大金庫の鍵をかけられなかったのだ。
どうしても急ぐ時は、同じ課の他の主任や係長に金庫をしめるのを頼んで、大金庫の鍵を預けて帰宅してたけどね。
ただこれを何回もしたら、責任感が無いと査定されかねないから、極力自分でしめた。
ま、俺の方が残業で遅かったけど、それぞれの部署の繁忙期は俺より遅い時もあったから、その日にやる必要ない仕事をして残業して待ったなぁ。