お代わり事件

学生時代の話である。
サークル終わりには、大体大王と言う中華料理店で食事をしてから、下野と言う季節料理の店で飲んでいた。
たまに大王に寄らないで、直接下野に行く事もあった。
そう言う時は、下野で夕食も食べる事になる。飲んでから食べるなら、リゾットやお茶漬けだったが、定食を食べながら飲むのが多かった。
定食はとんかつ定食や生姜焼き定食だった。
下野はソースは市販のを多分ブレンドしていたのだろう、ソース壺に入れられたオリジナルソースだった。このソースが美味しかった。
下野のマスターは、料理が上手かった。つまみでメニューやメニュー外のおすすめ料理、美味しくなかった料理は無かったから。
俺たちは20くらいの学生だったから、とんかつ定食を食べる時が多かった。
俺たちは、付け合わせの千切りキャベツで、ご飯を1膳食べていたよ。勿論お茶碗ではなく、丼でのご飯だった。
そして、お代わりしてとんかつに手をつける。大体2膳お代わりしていたなぁ。
ある時、同期のチクナイがお代わり頼むと、マスターが「ごめんね、もうご飯ないんだ。これから炊くけど」するとチクナイは、炊けるまで待ちますよ、こう言って本当にとんかつはそのままにして、飲んで待っているのだった。
ご飯が炊けると、勿論チクナイは丼でお代わり食べるのでした。

下野ではご飯のおかわりは、無料だった。
だから、遠慮なしにたくさん食べられていた。
だが、俺が大学4年生になると、ご飯のおかわりは200円になっていた。
多分俺たちが遠慮なくお代わりし放題だったから、流石に採算ヤバいので、お代わり有料になったんだろうね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?