空の営業鞄

これは新卒4年目の話かな?
俺は営業所のエースだったw
これは営業次長から言われてたw
ま、俺の同期で生き残ってた連中は、みんなそれぞれの営業所のエース格になってたけど。
売れないと4年持たないし、1年も持たないから。

その時、3ヶ月前に俺は営業所の数字の大半を稼いでた。その分、打ち合わせや設置の立ち会いやアフターフォローに時間を取られて、新規の開拓はする時間が無かったのだ。言い訳になるがwこんな事ミーティングで言ったら、言い訳するなとドヤされただろう。

その日は朝から気分が良くなかったから、アポのある顧客だけ訪問して、後は喫茶店やゲーセンでサボるつもりだった。普通はそれは数字達成してからするサボり方なんだが、この日は気が乗らなかったのだ。
だから、日報には新規飛び込み30件とか書いて、営業所を出ようとした。
すると隣の営業所のブロック長もしてる所長に呼び止められたのだ。
そして、鞄の中見せろと言われた。
やばたにえん!
その日は契約書とか入ったクリアファイルと手帳とかしか入れて無かったのだ。
30件新規飛び込みするなら、カタログを40冊とか持ってなくてはならない。それだけ入れてたら、鞄は厚く重くなる。
俺はサボる予定だったから、カタログは持たなかったw
引き合いの電話来た時用に最低限の冊数は持っていたが。

営業鞄を見られて、俺は詰問された。
そして、訪問予定の客先には、本当にアポあったか電話させられた。それは全部アポあったから、無事に会話出来たけど。
明らかに新規飛び込みする気が無かったのは、バレバレだったw

それから1ヶ月、俺はブロック長相手にその日の訪問予定を提出させられた。
その頃には俺の数字は回復していたから、なんとかそれで済んだ。だが、数字上がらなかったら、何ヶ月も訪問予定のチェックは続いただろうな。

ブロック長には、飲んだ時に言われた。
俺はお前は好きだよ。
だが、お前の仕事のやり方は嫌いだ、と。
ごもっともですw

でも俺は新卒や中途採用の新人を数ヶ月で辞めさせていた「新人殺し」の腐れ所長の下で、4年も続いた初めての新卒であり初めての新人だったのだ。
ブロック長は、そこは評価してくれてたけど、自分に甘いのは見透かされてたのであったw

あの訪問予定チェックは、地獄だった。書いた客先1件1件調査されたからなぁ。
良く耐えたなぁw
このおかげでか、翌年俺は所長に昇進したんだけど、ブロック長は喜んでくれたが、腐れ所長は自分が並ばれたので面白く無かったらしく、俺の送別会をちゃんこ料理屋でやったのだが、それに欠席しくさったから。敵意が見え見えで笑えた。

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