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フードエッセイ

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食べることに関連した記事 伽羅
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雨の日の珈琲とジャズ

家で仕事の日。 雨だ。晴れもいいけど雨も好きだ。静かで落ち着く。外があまりに晴れやかだと、家でこもるのが好きな私でも、なんだか外出しないといけない気持ちになるから。私の心の中にいる世間一般の目みたいな人が、晴れてるのに外出しないの?と責めてくるんだ。その度に、いいの、晴れた日に家にいる幸せを知らないなんて可哀想な人ねって言い返すやり取りが始まってしまうから。 珈琲が好きだ。祖父母の家では、晩御飯のあとに片付け終わったあと、ちょっとした甘いものと珈琲の時間があった。実家は今

祖母との散歩 金柑 3段落エッセイ

亡き祖母と一緒に散歩した思い出。 田舎の家は車道から少し中へ入り組んだ細い道を行ったところに建っていて、まるで迷路みたいで楽しかった。家の斜め前から下っていく畑の間の細い道は私は初めてで、あの道の先はどうなってるの?と聞くと、祖母が一緒に散歩してくれる。朧げだけど、私はたぶん4歳か5歳ぐらいだったと思う。 途中に立派な金柑の木がある。金柑が鈴なりになっている。近所のおうちの庭。祖母はいつもそうしているんだろう、一つもいでパッと口に入れる。私にもくれる。「おばあちゃん、これ

ちょっとずぼらなチャイ

チャイが好きだ。 まあ、嗜好品的な飲み物はどんなのも好きなんだけど。精神の栄養なのかな。 大阪は難波のカンテグランデではじめて飲んだとき、私これ好きだーー!!と思ったものだ。もう何年前の話だ? 30年近く前か……。懐かしい。ザ・異国情緒な内装も憧れた。もう難波のお店は閉店されているのね。ちょっぴり寂しい。 ウルフルズのトータス松本さんのレシピで作ったこともあるし、チャイの旅という本のレシピで作ったこともある。(この本は絶版になってるのに気付かず定価の半額でメルカリに出し

3行日記 気に入っていた飲食店

夫とともに気に入ったら、とことんそこばかり通うたちだった。美味しかったイタリアン、おしゃれな創作居酒屋、倉庫を改造したカフェ。どのお店も、店長あるいは、ある1人の店員さんがいなくなった途端に変わってしまった。お店は、人が形づくってるんだ。袖振り合うも他生の縁。あの方たちはお元気にされてるかなぁ。

3行日記 剣菱のぬる燗

亡き祖父の好きだったもの。母が新婚旅行のお土産に渡した萩焼の徳利。それに剣菱を注いで電子レンジで1分。毎晩の晩酌。働き出してから時々全国の日本酒セットを送ったら、もちろん喜んでたけど、やっぱり剣菱が一番だと言うので最後の数年は1升瓶メインの剣菱セットにしたなぁ。今晩久しぶりに飲もうかな。

お茶のパッキング

夫は旅行に行くたびに、部屋の飲まなかったお茶のティーバッグを持って帰る。職場で休憩時間にチビチビ飲むのが楽しみなようだ。 ホテルの煎茶ティーバッグの最高峰 よくあるのが、「煎茶 業務用 ティーバッグ」で検索したら出てくるようなもの。アスクルとか。Amazonならこんな感じ。 あるとき、「前に行った旅館のお茶が人生で最高にうまい。今まで飲んできたホテルのティーバッグの中で最高峰だ!!」と興奮気味に夫が言い出した。どうやら溜め込んだティーバッグを毎日コツコツ飲んでいるうちに

3行日記 おひとりさまアフターヌーンティー

憧れてきたアフターヌーンティー。ダイエット成功したら行こうと思ってたのに、過去の栄光となりつつある今日この頃。もういいんじゃない? いつ行ったって体重は誤差の範囲じゃない? noteに書くとまるで予言のように実現するのが不思議。年明けに予約しちゃおう。

3行日記 カップヌードルパーティ

今晩、仕事で夫がいない。なに食べたい? 3人の目がキラキラ光りだす。そう、それは、カップヌ! なんでそこで略すのカップヌ! 晴れてカップヌードルパーティが開催される。パパは、やれ野菜を食べろだの、唐揚げは体に悪いだのうるさいのだ! もちろん私は惣菜つまみにワインで至福のだらだらタイム〜。

幸せなお刺身定食

幸せな昼だった。 外は快晴で、 寒くもなく暑くもなく、 秋のよき日。 友だちとお昼ご飯に行った。 魚が美味しいというお店で、 開店の30分も前に着いて 外のベンチでおしゃべりしながら待つ。 40歳を過ぎてからできた友だちだ。 子どもの頃から 憧れてきた 全然ムリしなくていい、 ちゃんとした友だち。 この歳になって夢が叶うなんてなぁ。 いくらしゃべっても話は尽きない。 でもずっと一緒だと疲れてくるのも わかってて程よい距離感で いてくれる友だち。 お店の人は感じが