祖母の天ぷら 3段落エッセイ
父方の祖母は私が母のお腹にいた頃に亡くなった。祖母は50代。父は20代後半だったか。
私が小学生の頃、両親はときどき祖母のレシピを再現しようと苦戦していた。祖母は料理上手だったらしい。レシピは魚のすり身を揚げた天ぷらだ。あの、衣をつけて揚げる方じゃない天ぷら。さつま揚げみたいなの。もっと薄くて端っこがカリカリしてるようなの。卵の白身と塩と魚のすり身の配合を見つけようと必死な父と手伝う母。ミンサーでぐるぐる回すのを手伝ったっけ。初めてのはぼそぼそしていて味が薄くて細かい骨だら