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フードエッセイ

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食べることに関連した記事 伽羅
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#スキしてみて

祖父のトマト 3段落エッセイ

亡き祖父は戦争から帰ってから、漁師をしていた。何ヶ月も帰ってこない遠洋漁業。母は子どもの頃、生活が苦しくて大変だったと語る。でも私が物心ついた頃には祖父は花農家をしていた。泳ぎがうまくて、10メートル以上も素潜りできて、魚を捌くのが職人のように上手だった自慢の祖父。 花農家になったきっかけは運命的だった。地元の海で、どこかの船が難破し、泳ぎ自慢の祖父も救助活動に。助けられた人たちと皆仲良くなった。彼らは、気候が似ているからきっとよく育つ、と花の苗だか種だかを贈ってくれたらし

3行日記 憧れのぶどう酒

子どもの頃憧れたもの。ぶどう酒。どんな味なんだろう? きっと甘くていい匂いでうっとりする味なんだろうなと思い巡らせたものだ。大人になって赤ワインをはじめて飲んだとき、あれ?って思ったよね。私の想像していたぶどう酒の味と一緒と思ったのは、スペインのサングリアの上澄み、それと、はちみつを入れたお湯割りワイン。

3行日記 珈琲が好き

ずいぶん昔にスターバックスで珈琲の飲み比べセミナーに参加した。珈琲好きを自認してたけど、酸味苦味の違い、うんまぁそうかな?で、普通にどれも美味しかった。強いていえば苦味にミルクを足すのが好きだ。きっと珈琲まわりの雰囲気そのものが好きなんだろうな。珈琲焙煎職人に憧れるものだけど私の鈍な舌では……。 これしかない、天職、みたいなのに憧れる……!

3行日記 気に入っていた飲食店

夫とともに気に入ったら、とことんそこばかり通うたちだった。美味しかったイタリアン、おしゃれな創作居酒屋、倉庫を改造したカフェ。どのお店も、店長あるいは、ある1人の店員さんがいなくなった途端に変わってしまった。お店は、人が形づくってるんだ。袖振り合うも他生の縁。あの方たちはお元気にされてるかなぁ。