非定型精神病(満田)

第1回 49問
1)統合失調症に比して非定型精神病(満田)でみられる特徴について誤っているのはどれか、1つ選べ。
a.意識混濁や意識変容など種々の意識障害を伴う。
b.経過が周期性で欠陥を残す場合が少ない。
c.感情疎通性が保たれている。
d.妄想が体系的である。
e.発病に際して精神的あるいは身体的誘因が認められることが多い。
解答:d
○a.満田の非定型精神病の特徴として、病像は意識障害、情動変動、精神運動障害を主とする、とされている。とくに意識障害や意識変容を示すことが統合失調症や双極性障害と異なり、錯乱状態や夢幻状態につながると考えられている。身体病理の上では、間脳機能の脆弱性が推定され、広い意味では間脳症候群として捉えられる場合もある。脳波上徐波化傾向、まれにてんかん性異常波がみられることがある。
○b. 発病は急激で、多くは周期性の経過を示し、欠陥を残すことが少ない点は統合失調症より双極性障害に近い。
○c. 病前性格が統合失調症と比べて感情疎通性が保たれていることも特徴として挙げられている。
×d. 妄想は、浮動的、非体系的であり、人格と異質的なものが多いことも特徴として挙げられている
○e. 発病に際して精神的、身体的誘因が認められることも特徴の1つである。


第7回 13問
2)非定型精神病(満田)の特徴として、誤っているのはどれか、2つ選べ。
a.病前性格は感情疎通性に乏しい。
b.妄想は固定的、体系的なものが多い。
c.発病は急激で、予後が良いことが多い。
d.発病に際して精神的誘因が認められることが多い。
e.病像は意識障害、情動障害、精神運動障害を主とする。
解答:a b
 内因性精神病は、従来統合失調症圏と気分障害圏とに二分されてきた。統合失調症、気分障害、てんかんなどは、定型例では病像や経過に明らかな特徴があるが、定型例のほかに、これらの疾患の特徴のうちいずれか2つあるいはそれ以上の特徴をもつ症例がある。これらは一括して「非定型精神病」とよばれてきた。満田久敏らは、遺伝生物学的に統合失調症や気分障害とはある程度独立した精神病を非定型精神病とよんだ。症状の特徴としては、意識混濁や意識変容などの意識障害があり、その結果、錯乱状態や夢幻状態を示す場合が少なくない点は定型的な統合失調症や気分障害と異なるとされた。経過が周期的で欠陥を残す傾向が少ない点は、統合失調症よりも気分障害に近い。このような症例は、ICD-10では急性一過性精神病障害の急性多形性精神病性障害、あるいは統合失調感情障害などに分類されることが多い。疫学的な位置づけとしては、①統合失調症、気分障害とは独立した疾患単位であるとの説、②統合失調症と気分障害の遺伝素因の混合により発症するとの説、③内因単一精神病の説があり、満田らは①の考えをとっている。
×a. 病前性格は定型統合失調症患者のそれとは異なり、感情疎通性が保たれている。
×b. 妄想は浮動的、非体系的で、いずれも人格とは異質的なものが多い。
○c. 発病は急激で、多くは周期性の経過を示し、予後がよい。
○d. 発病に際して精神的あるいは身体的誘因が認められることが多い。
○e.  病像は意識障害、情動障害、精神運動障害を主とする。


第9回 17問
3)非定型精神病(満田)の特徴として不適切なのはどれか、2つ選べ。
a.意識障害を伴う。
b.予後が不良である。
c.周期性の経過をとる。
d.体系的な妄想がみられる。
e.感情的疎通性が保たれる。
解答:b d
 非定型精神病(満田)とは、遺伝生物学的に統合失調症や気分障害とはある程度独立した精神病で、本邦において満田久敏らが提唱した。この特徴として以下のような症状や経過を認める。

○a. 病像は意識障害、情動障害、精神運動障害を主とし、幻覚は感覚性が著しく、妄想は浮動的、非体系的で、いずれも人格とは異質的なものが多い。
×b. 発症が急激で予後がよい。
○c. 多くは周期性の経過をとる。
×d. 妄想は非体系的である。
○e. 定型的な統合失調症患者とは異なり、感情的な疎通性が保たれる。




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