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とある休日に

土曜午前中、ラッシュのような混雑の上野東京ラインE531系を上野で降りる。少し早いが昼食とするか…

隣にはE257系

まだ午前中に来たのだが、今日のメインテーマは夕方になってから、どこに行って何しようかなど全くのノープランなところでまずは腹ごしらえ。今日は広東料理の「福萬年」に入り手羽先とスペアリブ飯を頂く。熱々のご飯に大ぶりな手羽先で大いに満足したのだが、しかし周りの数組のグループは皆中国語で会話しておりなかなかのアウェー感が。

熱々のご飯

さてどこに行こうかと考えているとつらつらと案が出てきては消えて、そしてなんとなくまとまっていく。延々と地下鉄に乗るのはどうか、ベタに大回り乗車か、あるいは…

シネマ見ましょか お茶飲みましょか いっそ小田急で逃げましょか

東京行進曲

なんかロマンスカー乗りたくなってきた!

そうと決まれば話は早く、岩本町駅まで歩いて都営新宿線に乗り込む。今日は京王の車両だ。

京王電車

新宿線の車内でおおよそ時間の確認は済ませ、小田原に行ってしばらく駅前を歩き新幹線で帰ってこようとプラン作成。新幹線は順当に行けばN700Sに乗れるそうだ。新宿駅に着くと1本前のロマンスカーが出る直前、特急券を買って構内に入ると発車音が鳴り響く。流石にこれに乗るのは厳しかっただろう、それはそうとして自分が乗るはこね29号はえのしま29号と共に走ってくる。原型EXEの10両編成だ。

EXEの真骨頂?たる分割編成
VSE引退ポスター

時折しもVSE引退の前日、展望席を備えた白いロマンスカーは小田急ロマンスカー復権の象徴とされた鮮烈なデビューを飾ったことは今でも印象深い。一方でその前に投入されていたのが他でもなく10両編成のボギー車で展望席もオミットされたこのEXEだった。VSEは去り、かたやEXEは多くの編成がリニューアルを受け更に活躍することだろう。スターの悲哀を感じさせられつつ、「残る」車両に乗り込む。

中間連結面
シングルアームパンタとロゴ
車販スペース

走る喫茶室の流れを汲む車販スペースにオレンジのアクセントが入ったロゴマーク、紛れもなくロマンスカーの一員であるといういじらしいものを感じるもののこの車両の真価は座席に掛けたときの心地よさにこそある。明朝体の行き先表示や車内の造作その他から感じる「’90年代の特急列車」といった雰囲気も個人的には好みのものだ。リニューアルは現在ストップしているが各方面から旅客回復の景気の良いニュースが流れてくる昨今、そう長くはこのままではないのかもしれない。

にぎわいをすっかり取り戻している
ゆったりとした座席

1時間少々、名残惜しさを感じながら小田原駅に降り立ち、箱根湯本への発車を見送る。相模大野で後ろ側を切り離しずいぶん身軽な6両編成。

山の神の姿を追って

40分程度で新幹線が出るので後は駆け足の小田原観光、ここも土曜午後ということで人出がかなりのもの。そういえば小田原城に行くのは初めてだ。

駅前のビル
小田原城銅門
本丸広場から天守閣

新幹線ホームに上がると数分も経たないうちにこだま号が滑り込んできた、もちろん例に違わずこの駅でものぞみの通過待ちがあるようだ。しかし青いJRマークのN700Sは初めてだ、確かまだかなりレアな存在だったのでは。

青の"Supreme"
誰しも心躍る瞬間

ここからはロマンスカーにも増して早いもの、しばらく走ったなあと思っていたら新横浜で、あっという間に終点東京だ。駅に着くたびに室内灯が明るくなるのはスマートフォンに視線を落としていても、駅が近付いてきたとすぐに気が付く驚くべき改良だと乗るたびに感心させられる。意識して乗らなくてもいい、特に日の暮れたような時間に乗ればきっと驚く。

もうすぐ終点

ここからは先を急ごう、向かうは上野の飛行船シアターでこの日Bキャストが初公演となる朗読劇「人間失格・紅」だ。生来の極端な興味の偏りゆえ純文学とは縁遠い人生を送って来たと認めざるを得ない人間なのだが、しかしこの熱演には深く感動した。

入場口

帰宅後に青空文庫で原著を読むと劇と原著の違いがまた興味深い、限られた時間で如何に魅せるか、そしてどう演出してもハッピーエンドとは到底言えない結末にも関わらず哀しい清涼感…朗読劇鑑賞そのもの初だったが、素晴らしい時間を与えてくれた。

カレーにチャパティ

その後は少し遅く夕食をいただき家に帰る。向かうはVENU’S御徒町店、日本のインドカレー店ではかえって珍しいチャパティだが、このあっさりいただける食べやすさは好きなタイプだった。

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