【ライブ感想】BanG Dream! 11thLIVE

まずはじめに

今回の公演で一番のキーファクターとなるとやはり「全編声出しOK」ということだろう。もともと「アンコール時*1は声出しOK」とアナウンスされていたのだが、開催前週の木曜には一部報道で「満席声出しOKの方針」とあり併せて即日適用との話だったのでブシロードなら真っ先に解禁してくれるだろうなと期待していたところ、その期待を裏切らず翌月曜日には全編声出しOKという発表*2が流れた。筆者にとって3年ぶりの全編声出しイベント参戦が決まった瞬間でもあった。

なお、以下2日間のセットリスト、曲名はGamerの記事及び表記に準拠するものとする(リンクは各日冒頭に貼付)。

*1:筆者はよく分かっていなかったのだが、一旦演者が袖に捌けた時からという意味らしい
*2:下記リンク参照 正直このレスポンスは「政府が緩和方針を出し次第速やかに進める」というコンセンサスを事前に取っていたような気がする…

DAY1 : Poppin'Party×RAISE A SUILEN
"GALAXY to GALAXY"

オープニングアクト

MyGO!!!!!のパフォーマンスを生で見ること自体が初めてだったが、ぴったり間に合うように入場できて良かったと思う演奏だった。セットリストは
1:迷星叫
2:名無声
3:影色舞
という王道ともいうべきものだったが演者の顔を上手いこと見えないようにして謎めいた雰囲気を醸し出す演出はおそらく初めて見る人も多いであろう会場に確かな爪痕を残した。ブシロード15周年記念ライブで声出しありのパフォーマンスは経験済みとのことだが、満席のアリーナで皆が歓声を上げるさまは「懐かしい声出しライブが帰ってきた」と今後を想起させ興奮させるに十分すぎる時間だった。

RAS前半

オープニングアクトで温まった会場だが、本編はここからだ。
まずは最新シングルより"DEAD HEAT BEAT"で一気に弾みをつけて続くはRASの鉄板ブチ上げ曲"HELL! or HELL?"。Crazinessで披露されているので声出し経験曲ではあるものの、現地で声を出すのは初めてという人も多かったのではないだろうか、まぁ私のことなんだが。皆が赤いペンライトを振り回してヘドバンする様はまさしく地獄絵図(笑)、これからはまた声も出せるからこれが叫喚地獄か。叫び、振り、全身で感じるライブが帰ってきた。
次の曲の前にお呼び出しが掛かり、ステージに立つは西本さん。
今回のライブはこれまでの2バンド合同ライブに比べて頻繁に交代するとのことだったが、それに加えてそれぞれのバンドから1~2人ずつ参加して演奏するという新しい試みがなされたのだがこれがまた面白い。通常RASではBa&Voを務めるRaychellさんだがこんな素敵なベーシストが来たならとVoに専念、アグレッシブなベースさばきを見せる西本さんとともに一味違った"A DECLARATION OF ×××"を楽しめた。

Dr. Solo セッション

一応1曲換算になるはずの箇所なはずなのだが、これが実に印象的だった。
実は7th LIVE "Genesis"現地で夏芽さんのドラムソロを見てそれに圧巻されたクチなのだが、そのパワーアップ版を見たような思いだ。もともと大橋さんがドラムをやっているという話はBanG Dream!という企画を知る更に前に2013年の「てさぐれ!部活もの」にハマっていた時に知っていた話なのだが、そのパフォーマンスを生で見るのはこの時が初だった。
終始笑顔を崩すことなく生粋のプロドラマーと肩を並べて演奏する様はひたすら目を奪われ、ただただ驚かされるばかりだった。ここまで出来るとは、ここまで会場内の注目を惹き付けるパワーを持っていたとは。

ポピパ前半

ドラムソロの興奮も冷めやらぬうちにかっこいいポピパ→明るく楽しいポピパで6曲続く。まずは"Moonlight Walk"から始まり続いて"イニシャル"、3年前の曲ではあるけれど声出しでは初だろうか。ちょうどこの曲を主題歌としたアニメ3期が放映されている只中にこの異常な期間が始まっていたのだと思うとこの曲を聴く感慨深さはひとしおというところ。「日常」は「連続」するもので、断絶するものではないんだ。
続くは"Time Lapse"で、1曲またぎで「ウォウウォウ」というようなコールが入る曲でもある。個人的には「ぽっぴん'どりーむ!(劇場版)」のイメージが強い曲なのだが、劇場版での演奏タイミングである黄昏時が本当によく似合う曲だと思う。まぁライブでの時間はそれにはいささか遅いといえばそうだが。
さてここからは曲の雰囲気もガラッと変わり、"ぽっぴん'しゃっふる"。最初期の曲であると同時にアニメ3期でも重要な役割を果たした曲によってワイワイ楽しむ雰囲気に。続いてはカッコいい曲調ながらキャラの特徴をコミカルに歌った"What's the POPIPA!?"、そしてゲストにパレオ&チュチュ役の倉知さんと紡木さんを招いて"ぽっぴん'どりーむ!"。歌い出しにちょっとしたハプニング(笑)がありつつも「上手にできました」!

RAS後半

ここからは一気にテンションを上げていきまずはライブ定番曲の"!NVADE SHOW!"一昨年のZepp Tour "BE:LIGHT"以来いわゆるご当地煽りなど楽しい要素が多い曲だが、会場内の空気を一気に持っていく力があるなと改めて感じさせられる。ところでこの曲も声出しは初(のはず)、でももう会場内のコールは何度もこの曲を共に歌ってきたかのような雰囲気だった。
続いては"THE WAY OF LIFE"、前回の10thで初披露された曲が早くも再び同じ会場で聴けるとは!前回は撮影OKでその様子を動画に収めようとすることに必死だったが今回はコールが帰ってきた現場を楽しむことに専念する。
勢いは止まらず愛美さんおよび伊藤さんをゲストに"灼熱 Bonfire!"、コールに加えこれまで何度かやってきたダンスを何の違和感もなく続けるオーディエンス(私含む)。振り付けは初期中心に紡木さんがレクチャーしていたのだが"Mythology Chapter 2"辺りからサビ部分のみとなり、今回はオミットとなっている。公式配信動画に振り付けの様子もあるので、気になった人はこちらを事前に確認してください、ということだろうか(期間限定とあるけれどいったいいつまでなのだろう、まあ期間限定と冠しつつ公開し続けるのが結構よくあるけど…)。

ひとしきり盛り上がると一気に空気が変わり"Beautiful Birthday"からのバラード曲"Light a fire"でしっとりした空気、そこにブチ込まれるは曲の冒頭からのシャウトが印象的な"DRIVE US CRAZY"。この3年間忸怩たる思いを抱えながら「心で叫んで」来た曲をいよいよ声に出して叫べる喜び、ヒーローが遅れながらも舞台に帰ってきたかのような思いだった。
ここからはアニメのストーリーを彷彿とさせる展開が続く、RAS最後の曲は大塚さんをゲストに迎えた"R・I・O・T"。この後の序章だった。

ポピパ後半

まずは幼なじみ役のRaychellさんを迎えてアニメ2期ストーリーのクライマックスである"Returns"。会場全体が感動の空気に包まれたところに続く3期でロックの背中を力強く押した"Step×Step!"をまさに小原さんその人を呼んでの演奏、この共演はこれまでのストーリーを見てからだと感慨もひとしお。
そしてアニメ3期のシメとなる"ミライトレイン"からの"ティアドロップス"でライブは一旦幕を閉じる。

アンコール

久しぶりの会場が一体となった「アンコール!」の掛け声、そうか本来はここからようやく声を出せたのか…と思いまずは告知コーナーとしてライブおよびリリース情報が伝えられる。
最後の曲は"ときめきEXPOSE ‘Burn out!!!'"
…といっても"ときめきエクスペリエンス!"と"EXPOSE ‘Burn out!!!'"を繋げて演奏したものではあるのだが、この素晴らしいライブの最後を飾るにふさわしい大盛りあがりの曲となった。

あ、あと最後に反省点。声出しまくってたらペットボトル1本だと足りなかった。声出しライブ久しぶりに参加するって人は是非気を付けて欲しい。

DAY2 : Roselia×Morfonica「星空の夜想曲」

オープニングアクト

前日に引き続きMyGO!!!!!による3曲、セットリストは
1:影色舞
2:名無声
3:迷星叫
と前日とは真逆。前日大盛りあがりだった影色舞が真っ先に来てオーディエンスは早くも大盛りあがりだった。なんでも前日より歓声も大きかったらしい、声出しに慣れてきたということもあるのだろうけれどオープニングアクトの3曲だけでこれだけ沸かせる演奏というのはやはり素晴らしかった。

モニカ前編

まずはMorfonicaスタートで"fly with the night"…と思ったらあれっ?ショートバージョン…?あれよあれよとRoseliaも加わり10人で"BLACK SHOUT"の大演奏に広がる。そうか、こういうやり方もありなのか。これまでの2マンは全員揃っての合同演奏はアンコールのお楽しみだったけど、これを最初にやってはいけないなんて誰も言ってない。前日と同じ2マンライブでもこんなやり方もあるんだぞ、このライブはきっと凄いものを見せてくれる…そんな期待度が更に高くなった瞬間だった。
ここでライブ全体の大まかな流れに言及しておくと「皆が見た一夜限りの儚く素晴らしい夢」というコンセプトで纏め上げられ、両バンドが交代するタイミングでストーリーが語られていくMorfonicaのワンマンライブに近い演出がされている。

まずライブ定番曲の"金色へのプレリュード"、そして"One step at a time"とMorfonicaの定番曲というか、世界観を見せる曲が2曲続く。そこに相羽さんを招いて"群青"を演奏。「2バンドが数曲ずつ演奏し、時折相手バンドからゲストを招く」というスタイルはDay1と同じだが、こちらはゲストを絞ってここぞという時に披露している。このような方法の違いというのも両日参加してとても興味深く面白い比較だった。

Roselia前編

会場ではストーリーパートが挟むのもあって気が付かなかった…というか構成を考えることに意識が回らなかったが、今回は3曲ごととこまめに入れ替わりストーリーを交えて進んでいく構成である。
Roseliaはまず鉄板曲"FIRE BIRD"で一気に会場を真っ赤に染め上げると続いて"Re:birth day"、いずれも以前から演奏されてきた曲だがやはり声を出せることが映える曲である。"FIRE BIRD"はアニメ2期最終回で初披露されて以来代表曲の地位に一気に上り詰めた曲で、私は一発でドハマリした()。昨年発表された"ROZEN HORIZON"は公式にアンサー曲を謳うほどの影響を残している。単独での曲としてトップバッターを担わせるにはこれ以上の適任者はないと感じた。そして直田さんを招いての"THE HISTORIC..."に続く、最近リリースされた曲の一つだが、その頃から関係性がクローズアップされるようになった作中でのギター師弟コンビが並んで演奏するさまは熱いものを感じた。

モニカ中編

ここからは激しい曲調の曲が多くなる。ところがMorfonicaのオリジナル曲の本筋は明るい曲が多く、激しい曲はあまりない。そのため今回は単独での演奏曲のうち4/9がカバー曲という異例のカバー率の高さになっている。なかなか度肝を抜かれる構成だが、このカバー曲によってオリジナル曲とは異なった曲調の曲を多数レパートリーに加えて多様性のあるセットリストを創ることが出来るというのもこのバンドの面白いところだ。
このパートでまず出てきたのは"Nameless Story"、"群青"に続いて今回初披露である。続いてはカバー曲の定番である"Nevereverland"、激しい曲調でAyasaさんのバイオリン演奏が特に光る曲だ。志崎さんを招いていつもとはちょっと異なる雰囲気の"Daylight -デイライト-"。何回も演奏されてきた曲だが声出しで演奏されるのは15周年記念ライブ以来まだ2回め、オーディエンスの「空模様」の掛け声は声出しが出来ない期間に始動したこのバンドの「第2章」の始まりを告げるかのようだった。

Roselia中編

早速新曲の"Swear 〜Night & Day〜"で始まる中編、その続きは定番曲の"熱色スターマイン"で会場は一気に赤く染められる。コニファーフォレストで最後に花火が打ち上がる中歌われる曲という印象がどうにも強いのだが、アリーナでも力強い歌声はどこで聴いても心地よいもの。
続いては"Ringing Bloom"、白金燐子の代表曲と言っていいこの曲だが、彼女と浅からぬ関係がある八潮瑠唯役のAyasaさんがここに加わる。バイオリンの音色はここでも印象強いものとして響く、そこに志崎さんのキーボード演奏が交わりここでしか聴けないハーモニーとしてアリーナを震わせた。

モニカ後編

Morfonicaの激しい曲の流れは止まらない、"flame of hope"は初期からその代表格だろう。この曲も15周年記念ライブで声出しデビューは済ませているが、その時北陸で乗り鉄やってた私にとってはこの場が初体験である()。
そして先日発売されたカバーコレクションVol.7で収録された"unravel"。バイオリンの激しい音色で急加速するという印象のこの曲はライブ現地で聴くのも3回目だが、何回聴いてもやはり好きだなと思っていた。

…何だ、この曲?
それが第一印象だった、こんなカバー曲あったっけ?いやでも聞いたことないぞそういう話…?
それが新曲"誓いのWingbeat"との出会いだった。これまでのストーリーを思わせる歌詞、オリジナル曲としては久しぶりの激しい曲調、現地では正直混乱しきって曲に付いていくのがやっとだったのだが、改めて帰り道に公開されたMVを見て一気にハマった、いやハマってない、この記事書き出してからずっとBGMにしている程度だ、大体3時間半ヘビロテ。
YouTubeにフルサイズMVが公開されているのでちょっと見てみてほしいのだが、前回の10thライブのシーンが使われている。これもまた感慨深い。
きっと5月のロックフェスにもこの曲を引っ提げて参戦するのだろうか、それは是非とも現地で聴きたいものだ。もうチケットあるけど。

Roselia後編

もちろんRoseliaも最後までまったく息をつかせない怒涛の構成だ。
バンドストーリー3章のテーマ曲にして新たな始まりの曲"Sprechchor"からスタートしたと思ったら劇場版"Episode of Roselia"後編のタイトルにも使われた"Song I am."、これも声出しでは初のハズ。"Sprechchor"は爽やかな中に意志を感じる曲だが"Song I am."はバンドを組むきっかけとなった憧れの舞台に立つための曲。憧れの舞台に捧げる曲としての力強い演奏は「夢から醒める時が近づいた」中でも「歌声は残り続ける」ことを確かに示したようだ。
最後はこちらも新曲、"Dear Gleam"。この後の告知コーナーではこの曲も収録したニューシングル"THRONE OF ROSE"が4月にリリースされることも発表された。ライブ本編の大トリを飾る曲としてこのカッコよさは反則だと思う、もちろん良い意味で。ギターを弾く工藤さんが印象に残る一曲だった。

アンコール

昨日に引き続きのアンコール、流石に慣れたものの掛け声に応えて演者さん達が改めて出てくる時は何度見ても嬉しい。
昨日に引き続きの告知コーナーだが今後のライブおよびリリースの告知、そして"誓いのWingbeat"のアーティストMVが当日22時に公開されるという案内がなされた。そういえばZeppツアーどうしようね、いやチケット当落も出てない中じゃ取らぬ狸の皮算用なんだけど。なお「行けるかどうか」というよりは「どうやって休みを取ってやろうか」が主な懸念点な模様。

最後の演奏はこれも10th以来の"寄る辺のSunny, Sunny"と"BRAVE JEWEL"を全員集合で。
"寄る辺~"は前回聴いた時は撮影OKだったのでその記録に必死、改めてしっかり聴くのは初となった。"BRAVE JEWEL"もだが、メンバー同士の掛け合いも合同曲の見どころ。普段とは異なる配置、メンバーで演奏するのはここ限りということでここでしか見られない可能性は何回でもわくわくするもの。

こうして11thライブは全ての内容が終了した。リアルバンド4組はこれで全ての組み合わせが1回以上なされたわけだが、今後も見てみたいものは尽きない。1回しかやっていない組み合わせもあるし、複数回やったところでも曲数も表現の幅もその時より大きく広がっている。声出しNGの期間にしかやっていない組み合わせもある、それも見てみたい。
今後の可能性に大きな期待を寄せ、この記事の結びとしたい。

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