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AIチャットで「一夜漬け」映画予習をするには

元々映画業界の販促活動で使われた用語だという「ゴールデンウィーク」。新幹線や航空機のチケットが高額だったりそもそも予約も困難というようなニュースを聞くに地元で映画を見るのが最も気楽に楽しめる過ごし方なのではないか…などと考えつつ地元のシネコンで『オッペンハイマー』の予約を取ったのだった。

さて、このオッペンハイマーの時代において重要なトピックがある、「赤狩り」だ。日本でもマッカーサーの指令により共産党員やそのシンパとされた人々が公職から追放されたとして有名なものだが、これは冷戦の始まりの西側諸国一般に見られるものだった。
ちなみに主にアメリカにおけるこの流れを示す「マッカーシズム」は日本でのマッカーサーとは全く別人物のジョセフ・マッカーシー上院議員(共和党)によるものである。日米におけるキーパーソンの名前が似ているため誤解してしまいがちだが、ここはぜひ押さえておきたい。

とはいえこの頃の歴史はなかなか話題に上がることも少なく、短時間でその内容を想起して映画鑑賞に備えるというのは少し難しそう。というわけでいわば「一夜漬け」でこの時代を知るうえでの基礎知識の取り繕いをするにはどうするか…というのをこの記事のテーマとしたい。
なお、この記事においては生成AIによる内容の正誤確認についてはプロンプト作成などで必要な場合を除き一旦割愛とする。一般的な注意事項ではあるが、いわゆる調べ物におけるAI活用の例に漏れず自己責任で信頼の置ける文献などにアクセスすることを強く推奨する。

それではこの映画を見るうえで重要なポイントはどこになるだろうか、早速Microsoft Copilotに訊いてみるとしよう。質問文は
「日本人の友人に映画『オッペンハイマー』を勧めるとき、知っておくと良い知識や押さえておくと良い時代背景などをいくつか提示してみてください」として国による背景の違いを意識させるようにプロンプトを作成してみよう、会話のスタイルは「より創造的に」で試して様々なアイデアを引き出す。

映画『オッペンハイマー』は、アメリカの物理学者 J・ロバート・オッペンハイマー の知られざる人生を描いた歴史ドラマです。以下に、映画の背景と知識をいくつか提示します。
マンハッタン計画:
第二次世界大戦中、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」に参加したオッペンハイマーは、優秀な科学者たちを率いて世界初の原子爆弾の開発に成功しました。
このプロジェクトは、原爆の開発を急ぐ米政府によって設立され、オッペンハイマーはその委員長として指名されました。
原爆の父としての役割:
オッペンハイマーは、原爆の開発において重要な役割を果たし、その成果は日本の降伏だけでなく、アメリカを超大国に押し上げました。
しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、実戦で投下されたことに衝撃を受け、その後、水素爆弾の開発に反対するようになりました。
冷戦と赤狩り:
冷戦中、米ソが核兵器で脅し合う中で、反共思想がアメリカで広まりました。
オッペンハイマーも共産主義者との過去が問われ、ヒステリックな「赤狩り」の渦中で苦悩しました。
映画のキャストとスタッフ:
オッペンハイマー役はキリアン・マーフィ、妻キティ役はエミリー・ブラント、アメリカ原子力委員会の委員長ルイス・ストローズ役はロバート・ダウニー・Jr.が演じています。
また、マット・デイモンやフローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーらも豪華キャストとして出演しています。
この映画は、オッペンハイマーの栄光と没落、苦悩と葛藤を描いており、戦争と科学の複雑な関係を考える上で興味深い作品です。

Copilotによる回答

代表的なポイントはあらかた出てきたので、今度は「冷戦と赤狩り」にフォーカスすることにする。まずは日本国内でもレッドパージがあったことを前提として、アメリカにおけるそれについての情報を引き出す。今度のプロンプトは「それでは日本における『レッドパージ』とアメリカにおける『赤狩り』について違いがあればそれを踏まえつつ、アメリカにおける赤狩りの概要を説明してください」とする。

日本における「レッドパージ」とアメリカにおける「赤狩り」は、冷戦時代の共産主義者に対する追放運動という共通点がありますが、それぞれの国の歴史的背景と実施された方法には違いがあります。

日本のレッドパージ: 日本でのレッドパージは、連合国軍占領下の日本において、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の指令により行われました。これは、日本共産党員とそのシンパ(同調者)を公職や民間企業から解雇する動きを指します。特に1950年の朝鮮戦争の勃発を背景に、共産主義の脅威に対する懸念が高まり、1万人以上が職を失いました12。

アメリカの赤狩り: アメリカでの赤狩りは、冷戦初期の1940年代後半から1950年代前半にかけて、共産党員およびそのシンパを政府や社会から排除する運動でした。この運動は、ジョセフ・マッカーシー上院議員の名を取って「マッカーシズム」とも呼ばれます。マッカーシーは、政府内に共産主義者がいると主張し、その排除を強く推進しました。赤狩りは、政府関係者だけでなく、芸能関係者や学者、言論人にも及び、多くの人々のキャリアや生活に影響を与えました34。

赤狩りとレッドパージの違い:実施主体: 日本ではGHQの指令によるもので、アメリカでは上院議員マッカーシーをはじめとする政治家が主導しました。
背景: 日本では朝鮮戦争の勃発が大きな背景であり、アメリカではソビエト連邦の原爆実験成功や中国の共産化などが背景にありました。
影響範囲: 日本では主に公職追放が中心でしたが、アメリカでは政府、軍、エンターテインメント業界、学界など広範囲に及びました。


アメリカにおける赤狩りの概要は、共産主義者やそのシンパと見なされた人々が、政府や社会から排除されるという運動で、マスコミや公職、エンターテインメント業界などで「共産主義者リスト」に基づく告発が行われました。この運動は、1954年に上院がマッカーシーに対して不信任を突きつけたことで終焉を迎えましたが、その後も長い間、アメリカ社会に影響を与え続けました。

Copilotによる回答

よく似た単語ゆえに、先の場合と同様2つの違いに着目させてのプロンプト作成を心がけたつもりだがその効果はどのようなものだろうか。先の質問「日本人の友人に映画『オッペンハイマー』を勧めるとき~」をアメリカ人に変えたらどうなるだろうか。今度のプロンプトは「それでは、アメリカ人の友人に映画『オッペンハイマー』を勧めるとき、知っておくと良い知識や押さえておくと良い時代背景などをいくつか提示してみてください」とする。

映画『オッペンハイマー』をアメリカ人の友人に勧める際には、以下の知識と時代背景を押さえておくと良いでしょう。
J・ロバート・オッペンハイマー:
オッペンハイマーは、第二次世界大戦中にアメリカで行われたマンハッタン計画の科学的指導者でした。彼は「原爆の父」とも呼ばれ、原子爆弾の開発に大きく貢献しました。
マンハッタン計画:
これは、アメリカが第二次世界大戦中に原子爆弾を開発した極秘プロジェクトです。オッペンハイマーはこの計画の中心人物として、原子爆弾の成功に不可欠な役割を果たしました。
原子爆弾の使用とその影響:
アメリカは1945年に日本の広島と長崎に原子爆弾を投下しました。この出来事は、戦争の終結を早めると同時に、核兵器の恐ろしさと倫理的な問題を世界に示しました。
冷戦と核軍拡:
第二次世界大戦後、アメリカとソビエト連邦の間で冷戦が始まりました。核兵器の軍拡競争が激化し、オッペンハイマーは核兵器のさらなる開発に懐疑的な立場を取りました。
赤狩り(マッカーシズム):
1950年代のアメリカでは、共産主義者に対する迫害が行われました。オッペンハイマーもその影響を受け、政治的な理由で追放されることになります。
オッペンハイマーの遺産:
彼の死後、オッペンハイマーは科学者としての業績だけでなく、核兵器に対する倫理的なスタンスで記憶されています。

この映画は、単なる伝記映画ではなく、科学、倫理、政治が交錯する複雑な時代の中での一人の科学者の苦悩と葛藤を描いています。友人にこれらの背景を共有することで、映画をより深く理解し、楽しむことができるでしょう。

Copilotによる回答

もちろん基本的な情報は概ね同じだが、項目の区切りや内容の濃淡に差異が見て取れるのが興味深いポイント。人によってはこちらの方がより興味をそそられるような人もいるのではないだろうか。
最後に少し意地悪であろう問いを尋ねてみる、これに確たる回答が出ていたらそれこそ歴史が変わっていたものであろうが…「たとえ疑惑があったにしてもオッペンハイマーほどの実力のある科学者を排斥したのは一体どうしてでしょうか、排斥を是とする立場と間違っているとする立場から論点を挙げてみてください」。

オッペンハイマーの排斥については、論点が分かれています。以下に、排斥を是とする立場と間違っているとする立場の論点を示します。

排斥を是とする立場:国家の安全保障:
マンハッタン計画の成功により、アメリカは原子爆弾を保有し、戦争における優位性を獲得しました。オッペンハイマーの排斥は、国家の安全保障を守るための措置として理解されることがあります。
共産主義への警戒:
冷戦時代、共産主義の脅威に対する警戒心が高まっていました。オッペンハイマーは共産主義者との関連が疑われ、そのため排斥されたと考えられています。
政治的圧力:
マッカーシズムの時代には、政治的な圧力が強まっていました。オッペンハイマーの政治的立場や過去の共産主義的な活動が問題視され、排斥の背後には政治的な意図があったとされています。

間違っているとする立場:科学的功績の評価:
オッペンハイマーは優れた科学者であり、原子爆弾の成功に大きく貢献しました。彼の科学的功績を評価する立場からは、排斥は不当であると考えられています。
倫理的観点:
原子爆弾の使用は倫理的な問題であり、多くの人々がその影響を懸念していました。オッペンハイマーは、実験の成功後に核兵器の恐ろしさを痛感し、反核の立場を取ったことが知られています。そのため、彼を排斥することは倫理的に疑問視されています。
政治的迫害の一環:
赤狩りの時代には、政治的な迫害が広がりました。オッペンハイマーの排斥は、政治的な意図や偏見に基づくものであり、科学者としての評価を妨げるものとされています。

疑惑がある場合でも、科学者の実力や倫理的な立場を考慮しながら、排斥の是非を議論することは重要です。

Copilotによる回答

なるほど、これは掘り下げてみると面白そうだ…ということでここ掘れワンワン「オッペンハイマーが共産主義者と疑われたのにはどのような理由があったのでしょうか」。

オッペンハイマーが共産主義者と疑われた理由は、彼の親族や友人たちに共産主義者が多かったことが一因です。当時、アメリカ国内では共産主義者を弾圧する「赤狩り」の時代であり、オッペンハイマーもその影響を受けました12。

オッペンハイマーは、史上初めて核兵器を開発したマンハッタン計画の指導者として名声を得ましたが、その後、マッカーシー時代の保安聴聞会によって失脚しました。彼は共産主義者との関連が疑われ、政府や社会から排除されることになりました34。

このような状況下で、オッペンハイマーは科学者としての信頼性とプロジェクトの成功に全力を注いでいましたが、政治的な立場や過去の共産主義的な活動が問題視され、彼は失脚することになりました4。彼の人生は、原爆の父としての栄光と、赤狩りによる悲劇との対比を浮き彫りにしています。

Copilotによる回答

まだ漠然としている感が否めない、もう少しクリティカルに掘り下げた回答を引き出す「オッペンハイマーの親族や友人に共産主義者が多かったとのことですが、客観的に見た場合当時のアメリカの科学者としては共産主義者とのつながりが特に強いと言えるほどだったのでしょうか」。

オッペンハイマーが共産主義者とのつながりを持っていたとされる理由は、彼の親族や友人の中に共産党員がいたこと、また彼自身が共産党系の集会に参加していたことが挙げられます。しかし、オッペンハイマー自身は共産党員ではなく、彼の共産党との関係は「非常に短く、非常に濃かった」と述べています1。

当時のアメリカでは、多くの知識人や科学者が左翼的な思想に共感しており、特に大恐慌時代や第二次世界大戦前の政治的な不安定さの中で、社会改革や平等などの理念に賛同する者が多かったです。そのため、オッペンハイマーのような人物が共産主義者とのつながりを持つこと自体は、当時の科学者の中では珍しいことではなかったと言えます。

しかし、冷戦時代に入ると、共産主義者との関連は非常に敏感な問題となりました。特にマッカーシズムの影響下で、共産主義者との関わりがあると疑われた人々は、政治的な迫害を受けることがありました。オッペンハイマーもその例外ではなく、彼の過去の活動が赤狩りの対象となり、最終的に公職追放へとつながったのです234。

客観的に見た場合、オッペンハイマーの共産主義者とのつながりが特に強いと言えるかどうかは、その時代の文脈と彼の個人的な関わりの程度を考慮する必要があります。彼は共産党員ではなかったものの、共産主義者との社会的・政治的なつながりを持っていたことは事実であり、それが彼のキャリアに影響を与えたと言えるでしょう。

Copilotによる回答

掘り下げてみれば更にいくらでも興味深いテーマを引き出せるだろうという結果が引き出せた。今回は比較的一般的なテーマだっただけにAIにとっても引き出しやすいものだったというのもプラスに働いたかもしれない。
ChatGPTが話題になり始めたばかりの頃はハルシネーションが注目されたものだが、Copilotの場合Web検索を併用することもあってかそのリスクも一定抑えられているように見える(もちろんWeb検索である以上その信憑性は絶対的とは言い難いが、そのレベルを求める場合にはそもそも図書館に行って然るべき文献にアクセスすべきであろう)。

ということで対話方式のAIチャットで何かのコンテンツに触れる際の背景情報の引き出し方…という観点で試してみたがなるほど確かに一夜漬けレベルとするなら十分なものが引き出せたように思う。
もちろんさらなる掘り下げ方もあるし、英語でプロンプトを出せば更に異なる角度の情報も期待できたろう。そういったテーマは今後の課題として残るが、特に「ミリしら」なジャンルにおいて短時間で基礎的な情報を引き出すとする場合昨年の今頃すらここまでの効果が期待できただろうか。
これが来年の今頃はどうなっているだろうか、そういった夢を見つつこの記事の総括としたい。

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