自分の意思が簡単に通るときって、案外危ない

リーダーの意見が簡単に通る組織やプロジェクトには問題が多いものだ。
経営者や管理者、あるいはプロジェクト・リーダーだったら、自分の考えや言ったことが、何の反発もなく組織やプロジェクトにに受け入れられたら、どんなに楽かと思うことがあるだろう。
 
■淡々と進むプロジェクト
 しかし、そのような組織やプロジェクトには、黄色信号が灯っていることが多い。社内の情報システム・プロジェクトでも、プロジェクトが淡々と進んでいると安心する。
しかし、最後にどんでん返しがあり、思わぬ手戻りが発生することが多い。
 
■メンバーの当事者意識
メンバーが自分のこととして、当事者としてまじめに考えていたら何らかの反応や反発を示す。反応がないことは、まじめに考えることを誰もしなくなっているか、その力がなくなっていることである。
そんなときには、注意と観察、そして、ざっくばらんな話の「場」の設定が急がれる。
 
■不正、事件・事故
最近起きている、不正、事件・事故、見かけ上は短納期で開発は終えている。しかし、実際はそこに不正があり、結果的に大きなツケを払うことになっている。
自分の任務として、自分ごととして考え行動したら、たぶん、短納期ではできないのだろう。
 
スムーズに進む仕事、一見よいが誰も当事者として関わっていなく、声を上げず、それを続けているうちに、問題を感じなくなってしまう。
「自分の意見がスムーズに通るようになった」と、退任の潮時を判断した経営トップが昭和の終わりごろにいたことを、鮮明に記憶している。
「自分ごとして誰もまじめに考えていないこと」に気づいたからである。
                                                                                      その35:2023/12/24

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