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詩 セルフパスポート

後悔をして水だけでつぶれる夜は
貴女の名前だけを連呼する
ジッパーの下開いた傷は
時計の足音をいつも警戒していた

鏡が写すのは憧れから遠い人
だらし無い髪型と嘘の顔
少しだけ良い事を探すから
今は鏡を壊すのはよそう

消えかける笑顔を取り戻す日まで
変わらずに歪さを引きづって行こう
きおつけの姿勢のまま進んだ道 
やましさの記憶を引き連れて歩く

板についた泣き言を幾つも数えては
体の奥で会いたいが疼き出した
取り繕っても消せない本音が
苛立ちながら土跡を抉りだした

影に残すのは二人になれない世界
後悔と時だけを味方につけた
ありふれた悪意さえ笑顔に隠して
昨日に突き刺すから
大丈夫のパスポートを手に入れよう

些細だけど幸せを祈るから
夜が明ける事に感謝をしよう
負け続けても自分で選んだ道
言い訳けと逃げ道も探して歩く


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