ラスボスのひとこと
2回目の採卵をするために、芸能人御用達病院に行った。
相変わらず、下半身むき出しのまま、内診台で待たされ、医師の診察を待つ。
今回は、何個取れるかなと期待しつつ、まあ、私の見立ては、7個ってとこかな。と思いながらエコー検査を受けた。予想通りというか、見た目通り、7個採取するという事で、採卵室に案内された。
そこでまた、静脈麻酔。もう手慣れたもので、周りの音が消えていく瞬間や、目の前が真っ白になる瞬間を
冷静に楽しんだ。
目が覚めると、ストレッチャーの上に放置されたまま、寝かせられていた。
周りはバタバタしているので、しばらく寝て待つ。
芸能人御用達病院のある地域は、県内でもヤンキーが多い土地でもあった。看護師のメイクや、眉毛からも、元ヤン風が伺えた。土地柄看護師の雰囲気も変わるんだなと思いながら、ひたすら待つ。
やっと、目が覚めた事を確認してもらい、帰宅の許可が出た。
翌日何個受精したか聞くと、また3つだけ。
それを戻す日時を決めた。
受精卵を戻す日、1回目の戻す時に、尿をギリギリまで我慢して溜める事がいちばんの苦痛だったのを思い出した。また、あの苦しい思いをするのかと思っていたら、尿道にカテーテルを入れて膀胱内に生理食塩水を満たして膀胱をパンパンにされると説明を受けた。
尿道にカテーテルを入れる事は怖かったが、自力で膀胱内をパンパンにするのは至難の業だったので、素直に受け入れた。結果つーんとした痛みがある位で耐えることは出来た。
処置台に登った所で、ラスボスが急に入ってきた。
ラスボスが、子宮内に受精卵を戻す時だけやってきて、私の子宮内に受精卵を戻した。
ラスボスは、「ここキラッと光ったでしょ。
大丈夫妊娠しましたよ。」と言って、そのまま去って行った。妊娠確定??と思ったけれど、ラスボスの言葉を信じて、2週間過ごそうと思った。
帰り道、またご当地グルメのかしわめしで腹ごしらえした。田舎のただの何百円のかしわめし、(かしわ=とり肉)色んな土地からやってくる、たくさんの患者さんの思い出になってるに違いない。
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