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紙幣が変わること、現金を維持すること
紙幣の改訂は、偽造されないために行われる。
しかし、シャッシュレス決済がかなり普及してきた今、なぜコストをかけてまで現金を維持するのだろうか?
災害時に必要だからだ。
社会を機能させるためと、私達の心を守るために。
物々交換で社会を維持する能力は私達にはないし、お金は、被災による混乱の中でそれでも社会を機能させるために最低限必要なもののひとつだ。全てが変わってしまう災害時、それでもお金が使えることが、まだ社会の中にいる事を思い出させる。犯罪を遠ざけ、冷静になる手助けをしてくれる。例え一時でもシステム障害でお金が使えないなんて事態は避けなければならない。現金なら停電やシステム障害によって使えなくなる心配は無いし、そして何より、物として存在する。手に握れるということが人間にとってはなかなか大事なことなのだ。普段は感じなくても。
日本では災害時に機能しないシステムは補助的な役割しか担えないし、これは貨幣に限ったことではない。災害大国である日本での現金廃止はリスクが大きすぎる。最低限、地震と台風がなくならない限り廃止すべきではないだろう。
「いまどき現金?」なんて言っていられるのは平時だけだ。現金は、汎用性を失わせないためにも常に流通させておかなければならず、流通させるなら偽造防止のため定期的に新しくする必要がある。
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