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偏見の塊

 文房具を買いに行ったら、5歳くらいの女の子が鉛筆を選んでいる場面に遭遇した。一緒にいたおじいちゃんに、これはどう?と指さされて、女の子が返した言葉は、

「青は男の子の色だからダメ!女の子の色がいいの!」

そんな剣幕で拒否しなくても。
黒い鉛筆の外側は緑とか青が多いと思うよ。下手するとHi-uni一択になっちゃうよ。
もしかして、服装が暖色構成なのも「女の子の色」とやらが関係しているのかい?
と、一瞬で色々駆け巡ったけれど、流石に全く知らない子にいきなり話しかけるわけにいかないのでそっとその場を離れることにした。

 男の子の色、女の子の色。おそらく、多くの人が人生で一番最初に遭遇する性別による選別だと思う。それにしても、ものすごく昭和な価値観(失礼)で、推定令和生まれの女の子が言うとは思わなかったので驚いた。
 何色だって好きなの選べばいいのにね。「女の子の色」が好きなんだといわれれば、まあ、そうねって事になるけどさ。

 子どもはなかなかに邪悪な生き物だ。差別(「あの人変!」)も偏見(「男の子の色だからダメ!」)も、残酷行為(多くは虫に対して)も平然と行う。そういうものをコントロールできるようになることが、成長なんだろうと思う。自分の行為を省みて修正を行い、公正であろうとする意思を知性と呼び、それを備えた状態を無垢という。と、私は理解している。

 件の女の子も追々修正していくのだろうけれど、修正開始時期は早いに越したことはない。
 一緒にいたおじいちゃん、絶好のチャンスを逃しましたよ……。


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