How to become a writer
以前から漠然と「物語を書いてみたい」と思っていた。
ついこの間、米アカデミー賞を獲った歴代の映画をネットで確認していたら、デルトロ監督の『シェイプ オブ ウォーター』を思いだした。
数年前に鑑賞し、エロシーンが印象に残っていた。
人間の女と不気味な生き物の魚人が愛し合いセックスする設定が、強烈にエロかった。
その設定はストーリーのためのエロで、本来エロ作品ではない。
たぶん、一部の人がエロの側にガッチリ捕らえられてしまうのも作者の想定内で、私も完全にデルトロ監督の思う壺にはめゴロされた観客の一人だろう。
この巧みなエロつきファンタジー、真似すれば私にも書けんじゃねえか?と思った。
下品💫でゴメンね🌟
“エロいファンタジーが書きたい“でググったところ、以下の本に出会った。
私が買った時の本の帯には”あなたも妄想をお金に換えてみませんか”とあった。
魅力的な誘い文句である。
著者のわかつきひかるさんは、若い男性向けポルノ小説(ジュブナイルポルノ)で実績のある方だった。
このハウツー本が、とても面白かった。
具体的に4箇所挙げると、
①エロが書ければ食いっぱぐれない
ポルノが書ければ、発注してくれるレーベルが多く存在する。
フランス書院などの他に月刊誌の体験告白コラム、エロゲーのシナリオ、など。
②ポルノは事前に読者層がハッキリわかっているから、何が受けるかイメージしやすい
乙女系なら30代〜60代以上の女性、
ジュブナイルポルノなら20代〜30代の男性、官能小説 は40代~60代以上の男性が読者になってくれる。
③企画書(プロット)を書こう
わかつき先生が勧めているのは、起承転結に、さらにコンセプトや売りどころを加えた企画書を作成してから執筆に取り掛かるという書き方。
エレベーターに同乗した偉い人に1分で伝わるように作るのがコツ。
ここで、『シェイプオブウォーター』の、起承転結だけ書く。
プロローグ
海中の映像と共に男声のモノローグ。「それは、ハンサムな王子様と美少女お姫様の物語が終わったころ…」
起
ヒロインは人間の女性(美女でも若くもない)で、喉に古傷があり喋ることが出来ない。秘密機関で清掃員として働く。男女交際は長い間ないようである。同じアパートに暮らすホモセクシュアルの男性と、同僚の女性の友達がいる。
承
ある日、秘密機関に鱗に覆われた不思議な生き物が搬送され狭いプールに閉じ込められる。清掃中のヒロインはその魚人と目が合ってフォーリンラブ。ヒロインが魚人にゆで卵をあげたり、一緒に音楽を聴いたりして親密になる。
転
秘密機関の看守(残忍で、ただただ意地悪なだけの人物)に痛めつけられている魚人がもうすぐ生体解剖されるのを知ったヒロイン。友達に相談、説得、サポートしてもらって魚人救出に成功。魚人と性交。
結
秘密機関の看守に見つかってしまい、ヒロインと魚人が河畔に詰められる。魚人が銃で撃たれるも逆に弾をはじいて看守を返り討ちにする。河に転落したヒロインの首に魚人が魔法をかけて呼吸できるようになる。
エピローグ
海中の映像と共に男声のモノローグ。「2人は幸せに暮らしましたとさ」
これをもっと細かい設定まで書いて、コンセプトと売り込みどころを明確に作ると良いそうだ。
④ポエム禁止
私はいつも自分がスッキリ気持ちよくなるために文を書いている。
小銭投げてもらうには、読んだ人にとって楽しくなる文を書かないといけない。
文章の書き方技術以前に、まずはプロットを書きはじめるところから、のようだ。
おしまい
出典
※ わかつきひかる 『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』雷鳥社 2020年
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