眠れない夜が永遠に続きますように

体が疲れてもうまく眠れないときがある。むしろ目が冴えてしまうことが多い。余計なことを考えるからだろうか、まだイケるとむりに頑張ろうとしているのか、わからない。でも急になにかを取り戻しに行かなきゃという気持ちに襲われることがある。遅れている電車をホームで立ったまま待ってソワソワしているような気分に似ている。これから向かう先とは反対側を覗き込みながら、まだかな、まだかなと遠くを眺めている。本当にくるのだろうか、まだなにもみえていないけど、実は自分が時間や場所を間違っているのかもしれないとか、不安になってくる。
本当は多少遅れたところでなんとでもなるのに。自分も歳をとったから誤魔化し方なんていくつも思いつく。
ほら遠くから小さな影が近づいてくる。電車がやってきた。少しくらい狂おうとも大抵のことは取り返しがつく。
ホームから線路へ足を踏み出さない限りは。

窓を開けているせいか、虫の声が大きく聞こえてくる。夜の空気もひんやりとしている。寝室の空気を循環させるために扇風機を微弱にして回しているから、外にいるみたいだ。もしくはホームから落ちながら、眠れない夢をみているのか。

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