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リズと青い鳥 感想

本日、「リズと青い鳥」の2回目を観てきました。
傘木希美の真顔、めちゃくちゃ怖いよ。

※原作未読のため、結構な妄想で話しまくってます。

童話「リズと青い鳥」

1回目鑑賞時、(これはイキりとかではなく、)リズ=みぞれ、青い鳥=希美は、後半で逆転するかもしれんな…と予感していたあまり、不安に包まれながら鑑賞していました。希美がリズと青い鳥を「私たちみたい」と言い出したことも「自惚れんな!!傷付くのはお前!!(もうずっと傘木希美のことが心配)」とずっと辛かったです。
2回目鑑賞時ですが、リズ=希美、青い鳥=みぞれになることがわかっている状態だったので、どれくらい当てはまるのだろう、と思いながら童話表現部分を観ていました。

そもそも、リズはひとりぼっちの女の子――というところで、鎧塚みぞれを投影させようとしていますが、私は傘木希美だってひとりぼっちの女の子だと思っています。
独りでいることが多いひとりぼっちの子よりも、彼女のことをひとりぼっちだと思います。

森の中では、リズの周りには動物たちがたくさんいて、餌を与えてくれるリズを慕っているようで。それってすごく傘木希美みたいだなと感じました。パートの子たちと一緒にいる彼女を見ると、更にそう感じました。
そんな中で、少し離れた切り株に止まる青い鳥。動物たちとは群れず、ひとりでいます。

最初にみぞれに声をかけた(=みぞれに興味を持った)のは希美の方で、青い鳥に興味を持ったのもリズだったから。

あと、これは完全に妄言なのですが…
夜、ベッドに入る際にスリッパを脱いだリズが、翌朝履きやすいように回転させて揃えるシーン。
登校時の下駄箱での希美とみぞれの上履きの履き方で、みぞれの方が所作が丁寧だったことで、リズ=みぞれの印象が強くなったのですが、2回目を観てたときには、希美が階段を登ったり、音楽室の前でくるりと回転して上履きが回る靴の動きと重なりました。
まあでもこれは、リズ=希美の前提で注視しすぎた結果かと思います。


足音

「希美の足音が好き」と言うから、ほ〜ん。じゃあ聴き比べまひょか。と、早朝の登校のシーンで最初に門をくぐる"希美じゃない"生徒の足音のリズムを鼓膜に焼き付け、そのあとの傘木希美の足音を聴きましたが――――わかんねえよ!!!!!!!!!!!!!!

だから、足音が聴こえてきて「希美だ」と瞳を輝かせた鎧塚みぞれは、マジで凄いなって思いました。

実際、もっともっと慎重に聴けば確かに違うんだと思います。けれど、そんな明確に差を感じるほど違うわけではない……と自分は思ってしまった。つまり自分にはわからなかった、けれど鎧塚みぞれにはわかっている。……はぁ〜……という脱力感に襲われました。

1回目は、もうとにかく「傘木希美それでいいのか?お前ハッピーエンドにしようと無理してないか?傘木!!お前、お前はーーーー!!!!!!なんか言え!!!!!!!!まあたヘラヘラ笑いやがってこの野郎!!!!!!!!!!!!」という哀しみの感情が渦巻きすぎて放心していたんですが、2回目心を落ち着けて観た時。
最初は微妙に揃わない足音が、最後は揃うことに、鎧塚みぞれが先導して校門から出て行く姿に、2人が並んで道を歩く姿に。じんとすることができました。


〜休憩〜

可愛かったところ
・希美のフルートが太陽に反射してみぞれに光が当たって笑い合うところ。
ただ、みぞれが目を開けたときにはもう希美はいなくて、世界の音が遠くなって、ピアノの劇伴だけが大きくなっていくのはとてつもなく切ない気持ちになりましたが……💢
・「それ、ダメですけど」「又貸しになるんですけど」
みぞれの図書委員の真似に気づいて、「はいはい、わっかりましたよー!」と返事して、くすくすと笑い合う希美とみぞれ。みぞれが冗談を言うのも可愛すぎたし、希美がちゃんとボケに気づいて良かった。
・剣崎梨々花ちゃんが出てるシーンぜんぶ

〜休憩終わり〜


だいすきのハグ

仕方なさそうにみぞれの腰に手を回す希美。
希美の足音が好き、希美の髪が好き、希美の笑い声が好き。
自分の好きなところを挙げてくれるたびに小刻みにまばたき、瞳を揺らす。

「希美の、……希美の――、」

と次に紡ぐ"だいすき"を待っていたときの、傘木希美の期待や不安、恐怖に満ちた瞳の動き、なんと言えばいいのかわからず「ヤバすぎやろ」としか……。だって、ヤバすぎやろ。
こんなに綺麗な瞳の動き、観たことないです。私、あの傘木希美の瞳の動き方が世界で一番好きです。ただ、Pastel*Palettesがアニメ化して白鷺千聖が丸山彩を映す瞳が描写されたりしたら、世界一は更新されます。申し訳ないですが今のところの世界一は傘木希美です。

瞳だけでこんなにも表現ができるのか、感嘆しました。


「みぞれが」「リズで」「希美が」「青い鳥」「「でも、今は――」」

ハッピーアイスクリーム!!!!!(雰囲気ぶち壊し!!!)

冒頭で散々「希美=リズ、みぞれ=青い鳥」で見ていた話をしたんですが、そう見るのは途中からやめました。というのも、希美ってそんなリズのような愛を、青い鳥であるみぞれに抱けているか?と違和感を抱いたので…。

最後の方ですが、白鳥が2人並んで空を泳いでいる描写が結構長いことされていて、近付いたり離れたり、先を行ったりする、少しちぐはぐで、それぞれ自由なのに一緒にいる感じが、素敵でした。希美とみぞれも、これからそう生きていくよ――みたいな答えを得た気持ちになりました。

希美があれでいいのかわからないんだけど。本当にあれでいいの!?と先を案じまくっていたお節介オタクなのですが、希美はみぞれを吹奏楽部に誘ったときのことを、実はみぞれよりも鮮明な言葉で覚えていませんか?
忘れたなんて、昔のことじゃん、過去のことだなんて、全部嘘だよ、この女なにもかも覚えて生きてるよ……て、私は思いました。

初見時に一緒に観た友人が「希美が切り替えが早いから」という風に言っていたのがすごく腑に落ちなくて、ただよく考えると、1年のときにも吹奏楽部の放心に納得できず退部していたりするので、ある意味自分がこうする!と決めたことに忠実で、その為なら諦めることもできる人なんだな、と自分の言葉に置き換えて納得することができました。感謝――。
だからこそ今後の人生が心配なのですが…。

disjoint

別に消しゴムで消したって、良かったんじゃないか?そうしたら、完璧な「joint」になれたのでは?とか思って。

上から鉛筆でかき消しただけで、まだまだ「dis」はチラつくけれど、"今"は、一旦jointしているように見える。だからまた、disjointになったり、jointになったりする。それでいいのかな、人生ずっとうまくいくわけじゃないしな。と納得しました。
あと、水彩絵の具?の赤と青が混ざり合っていた描写も、じんわりと影響しあって"別の色"を生み出していることも、2人は2人の物語を生み出すんだな、と考えることもできました。

傘木希美が笑ってたから、鎧塚みぞれが笑ってたから。それでいいことにしました。


もっともっと、全部のシーンについて書きたいくらいなんですが、とりあえず傘木希美のこと考えるのは一旦終わりたいな…と思いました。
モヤモヤがスッキリしてよかったです。

最初に傘木希美のことを「ひとりぼっちだと思う」と言ったのは、傘木希美が真に誰にも心を開いていない雰囲気が度々感じられる(演技をしているような)こと、何を考えているかわからない…という印象を強く受けること、誰にも見られていないときの真顔の表情が本当に怖いからです。

だから、みぞれに対して「ずるいよ」って言えたり、「私、みぞれが思ってるような人間じゃないよ。むしろ、軽蔑すべき――」と吐露できたのはすごい。あんなに心配してくれていた夏紀や優子にも、終始ひょうきんそうな語気はぶれないように頑張っていたし。
本当に思ってることなのかな?何か隠しているんじゃないか?と思わせるような普段の口調があるからこそ、「みぞれのオーボエが好き。」という声だけは、信じることができました。みぞれに対してしかできなかったことかも、と。

初鑑賞時、一緒に観に行った友人に「希美とみぞれ、添い遂げると思う…?」と質問を受けたとき、私は答えられませんでした。が、今ははっきりと「添い遂げる」と思えます。

完!BD届いてたので、また観ます。


追伸
夏紀先輩、今日も超超超、超!かっこよかったです〜♡♡♡
お誕生日おめでとうございます♡♡♡

2020.6.23 あんてん

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