見出し画像

離れていると、よく聞こえる

今週からオフィスに行くことが少し増えて、とはいえ多数の人はまだ(これからも?)在宅勤務のまま。チームが在宅とオフィスに分かれるハイブリッドな働きかたが始まった。今思えば前だって時々そうだったけれど、いったんみんな在宅勤務になったあとでこのスタイルになると気づくこともある。

ミーティングも会議室にいる数人+ビデオ会議のハイブリッド型が増える。会議室にいる人同士は制約なくコミュニケーションできるから、複数の人が同時に声を出しがちで、ビデオ会議側の人たちは誰が何を言っているのかまったくわからなくなってしまう。ひとつのスピーカーから二つ以上の音声が同時に出ているとひどく聞こえづらい。聖徳太子だって10人の声をひとつのスピーカーで聞いてたら聞き分けられなかったに違いない。

改めて会議室に入って感じたのは、声の出所が離れているだけで複数の声も聞こえやすいということだ。人間の耳と脳は、ほんとよくできている。

ビデオ会議を少しでも快適にするために、技術的にこの問題を解決できることがありそうだ。

音声データとしては在宅の人たちの声は既にひとつずつ分かれているし、会議室でもマイクが二つ以上あってその位置情報も記録すれば音の出所は測定しやすい。それらをヘッドフォンや整ったスピーカー環境でうまく再生する。ビデオ会議の人の声ひとつひとつを左右バランスを変えて配置、会議室の音もそのままのバランスで再生するだけでも改善しそう。最近は立体音響の技術も発達しているので、それを使えば相当よくなりそうだ。VR会議というキャッチーな話もあるけれど、まずは音だけでも立体的なビデオ会議システムができそうな気がする。

気がするついでに、離れているとよく聞こえる、というのはこれに限ったことじゃないな、と思う。あるテーマについて、関係や考えが近い人たちだけの話しを聞くより、さまざまな立場の人たちの話を聞くほうが、そのことについての理解は深まることが多い。毎朝、NHK BSのワールドニュースを見ているのだけど、たとえば今のアメリカの状況を、スペインやシンガポールやいろんな国の放送局が報道しているさまを見れる。離れた国の人たちがどう報道するかとても興味深い。遠くだと見えることもある。

これから、遠隔で何かをすることがどんどん増えていく。そうすることで新しい気づきがたくさん生まれるだろうし、近くにいることについても、新たな発見があるに違いない。ちょっとわくわくする。


--
title image by rawpixel.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?