見出し画像

世に出す

自分の仕事を振り返ってみると、いろんなひとたちと一緒になって、何かしらを世の中に出すこと、そしてそれを成長させること、がほとんどのような気がします。多くはインターネットに関わるところです。これまで、電子書籍ストアを立ち上げたり、オンラインゲームを発売したり、アプリをつくったり。新しいプロダクトの発売を知らせるウェブサイトもたくさん世に出してきました。

振り返ったあとに翻って、世の中を眺めてみると、毎日、ほんとうに多くのものごとが世に出ていることに驚きます。みんなすごい。そして、世に出ているものごとには、世に出る目的にいくつか種類があることにも気づかされます。

1. 発見する
まず、世に出す、というよりは、発見する、といったほうが近いものがありますね。最近でいうと、新型コロナの変異株が発見された、というニュースをみかけます。

こういった発見によって、世の中の解像度があがって、次の一手がみえてきます。

2. コンセプトの提示
実現してはいないけれど、実現に向かって動き出すことを提示することで、自分たちの方向性や態度を示します。提示するのみで、世に出ないものもたくさんありますが、新たな考え方を提示したことに意義があることも多いです。昨年、トヨタが街をつくるといって世間を驚かせました。

つい最近、着工したそうですので、これは実現しそうですね。すごい。

3. プロトタイプの開発
いよいよ動くものが世に出ます。ハードウェアだったり、ソフトウェアだったり、かたちはさまざま。動きはしますが、まだ量産には至らず、実用化一歩手前というところでしょうか。これも昨年ですが、ソニーが実際に運転できるクルマをつくってみせました。

4. 実用化
ハードウェアの量産のめどがたったり、エラーが少なく実用に耐えるソフトウェアになったりして、一般の人に使ってもらえるものとして世に出します。個人的には、買える!というだけで、ちょっとテンションがあがります。まあ買えないような値段であることがほとんどですが。
これもまた昨年、折り畳みスマホが発売されました。まだまだ課題はあるようですが、こうやって世に出ると改善のための様々なデータが得られるので、先行者メリットは大きいと思います。

5. 大衆化
値段が高くて手が出なかったものが、一気に安くなって、たくさんの人の手に渡ります。最近ですと、VRゴーグルのOculus Quest 2が、とても安くなって、一般の家電量販店でも買えるようになって、いよいよ大衆化を狙いに来たな、と感じました。

ひとまずこんなところでしょうか。こうやってみてみると、自分は、プロトタイプを内部でつくって、世に出してみる、プロトタイプと実用化のあいだのようなものに関わることが多いな、と気づきました。

どれがどれに勝っているということもなくて、それぞれの段階に、それぞれの価値があります。今、自分の目の前に出てきた新しいものをみるとき、どのフェーズのものかを理解することで、その価値に気づくことも多いです。

個人的には、なんであれ、世に出すことに関わった人すべてに、そして世に出たすべてのものに、賞賛を送りたいです。幸あれ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?