幸せになる勇気 考察

こんにちは

いろはです


「嫌われる勇気」の続編

「幸せになる勇気」を読んで

感じたことを綴っていこうと思います。


嫌われる勇気の続編ということで

相も変わらず青年と哲学者の対話形式で進んでいきます。


嫌われる勇気で知ったアドラー心理学を教育に用いた青年は

とあることから学級崩壊という憂き目をみます。

教室という舞台を使ってアドラー心理学に基づく教育とは

ということをふんだんに織り交ぜながら、

嫌われる勇気では提示しきれなかった幸せになる三つのタスクの補完も

されています。

結論から言うと

「自立せよ」

ということです。


自立するために必要な自分のライフスタイル、

自立を阻む環境とは?

といったことがメインテーマです。


自立とは何か


自立とは主語を変えることである

と作中で哲学者は語ります。

「自己への執着→他者への関心」に切り替える

ということです。


自己の執着へとこだわってしまう理由とは何でしょうか。

それは賞罰教育、賞賛社会にあると考えます。


賞罰教育の否定


アドラー心理学でははっきりと賞罰教育の否定をしています。

理由は明確で

・褒めてもらえないなら適切な行動をしない

・叱られないなら不適切な行動をする

となるからです。

行動起因が自己の意思や信念ではなく

他者からの評価が動機となってしまうためです。


これは承認欲求の否定にもつながっていきます。

承認を得ることが目的となると承認を得られない時に

どのようなことが起こるでしょうか?



画像挿入


上記のようなことが起こります。

「賞賛の欲求、注目喚起、権力闘争」

これは承認を求めるために起こす行動です。

「復讐、無力の証明」

これは諦めることで承認を得ようとする行為です。

このように問題行動を起こしていきます。



また

賞賛は争いを生み出します。

「誰よりも褒められて特別な立場になりたい」

と競争してしまうのです。

その思考は周りの人よりも褒められて他者を蹴落として

自分が上の立場になるというライフスタイルとなっており

いつまでたっても争いが終息しません。

このような環境が当たり前の共同体では

組織自体が腐敗していってしまいます。

人々が共同体の目的のために行動をするのではなく

賞賛をめぐって行動し、争っているわけですから。


ではどうすればいいか?


(このパートは僕の主観となります。

本書では出てきていません。)

ここで大切になってくるのが自立になります。

大前提として

我々はここにいていいのです。

人から賞賛をされなくても自分が一番よく知っています。

「私には価値がある」と。

その上で

共同体の目的に向かって貢献していく。

それだけでいいのです。

冒頭でもありましたが主語を変える。

これは「私」ではなく

「共同体にとって」と主語を変えていくのです。

「私」が「辛い思いをした」(可哀想な私)ではなく

「私」が「Aさんがあんなことをしたと感じた」(悪いあの人)ではなく

共同体のためにそのことをどう処理していくか

それが大切となるのです。


自立とは


本書では最後のパートでこう語ります。

愛のタスクとは

「私」ではなく「私たち(自分と伴侶)」に主語を切り替えていくのです

そのためには自己への執着というライフスタイルを変えなくてはなりません。

人は育成歴において自己中心性というものを獲得します。

これは保護者に保護されなければ子どもは生き残れないという本能からです。

黄金期なんて語っていますが

子どもが初めて持つ社会(家庭)は驚くほどに子ども中心に生活が回ります。

それこそ、子どもが笑えば家族が笑う。

子どもが泣けば家族が悲しむというように。

そんな黄金期からやがて人は保護を必要としなくなります。

その時にライフスタイルの改善を図らなくてはならない

ということです。

自己中心性からの脱却

すなわち

自己への執着→他者への関心へと切り替えていくことが

自立となるのです。

自立とは一人で暮らす経済力ではなく

他者への関心(共同体への貢献)を果たすことなのです。

本書はそれを「愛のタスク」で説明しています。

「私たち」と主語を変えて

私にとってではなく、伴侶にとってでもなく

「私たち」にとってどうなのかと考えていく。

「私たち」で生きることを選択する勇気

それが「幸せになる勇気」と結論を出しています。



三つのタスクの補填


社会的なタスク

これは分業というものを前提に考えられています。

人は生き抜いていく中で群れを作り

その中で役割分担をしています。

相手を信用しなければ、群れが成り立ちません。

ようするに自分も他者も利益がある関係

ウィンウィンという信用関係が前提になり

その中で居場所を感じることが大切です。


交友のタスク


ここでは役割を果たす関係ではなく

気の合う仲間と一緒にいる時間を過ごすことを指します。

損得勘定ではなく、かけがえのない友のために信頼し合い

貢献を果たしあっていく関係です。


愛情のタスク


これはもっとも難しいタスクとなります。

自分と人生を共にする伴侶との関係性です。

相手を信頼して共に歩いていくことを決断する。

「私たち」でこれからの人生を歩む

そんな関係です。

アドラーはこの三つのタスクが満たされていると人は幸福感を感じると

言います。

僕自身

この三つのタスクが満たされていたときは幸福感を感じていました。

しかし

自己肯定感がなく

他者に自分の存在意義を委ねてしまったため

破綻してしまいましたが


前提として

自己肯定感をきちんと持つことが重要です。

そのための課題の分離ですね。

自分軸で他者と接して

この三つのタスクが満たされたとき

安定した幸福感を感じるのだと思います。

まとめ

僕はこの本の中から

自立するということに注目しました。

結局、他者は僕の人生に責任が取れないからです。

幸せになるためには絶対に自立が必要だと思ったから。

僕の考えていた自立は自己肯定感を持ち

他者と関わるということでしたが

本書では他者へ関心を寄せ

主語を切り替えることが自立と書かれていて

目から鱗でした。

その意味はまだ体感できていませんので

僕自身でそのことを体感して

僕なりにアドラー心理学を更新していけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。










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