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そのとき犬が辿る匂い

普段は私たちの目には見えない匂いの軌跡も、雪の上では可視化されますね。犬たちはこんなにも多くの匂いが交錯する道を”見て(鼻で)”いるのかと思うと、犬の散歩でただまっすぐ前や飼い主だけを見て歩けと求めることは、犬たちにとってどれほど退屈なことだろうかと考えてしまいます。

様々な匂いの痕跡が残る中、いつも犬はいったいどの匂いを辿っているのでしょうか?

猫の匂い?
鳥の匂い?
リスやイタチなど小動物の匂い?
他の犬の匂い?
他人の匂い?
家族の匂い?
食べられそうな何かの匂い?

犬がそのとき辿っている匂いは、「そのときのその犬のニーズに合った」ものです。
もしお腹が空いていたなら食べ物の匂いでしょうし、発情期には他の犬の匂いを真っ先に辿るでしょうし、寂しいとき(!?)は家族や知っている仲間の匂いを辿るでしょうし、見知らぬ犬の痕跡がテリトリー内にあれば丹念にチェックすることでしょう☺
犬が嗅覚を使って集中しながら情報を収集するのには多大なエネルギーを消耗する必要があるので、犬はそのときの自分の必要を満たすものを優先すると云うわけです。

雪の上にウサギの足跡・猫の足跡・イタチの足跡・他人の足跡・他犬の足跡・家族の足跡が残っていた時に、ガラが辿る匂いも毎回異なります。
家族と別々に行動しているときに家族の痕跡を見つけると、必ず最優先で家族の匂いを辿ります。そのまま辿り続けて、別行動だった家族に行きついたことが何度もあります。パピー時代に早すぎる家族との別れ等を経験しているガラにとっては、家族と離れ離れであることは大きな不安のひとつなのです。ですから、どんなときにも家族の匂いを最優先にするのは非常に納得がいくものです。
あ!でも!猫のうんちが近くにあるときには、高確率で空気中の匂いをキャッチして優先的に探します。鼻息の荒さが変わるのでわかりやすいです。なんなんでしょう、猫のうんちの優先度の高さときたら!(泣笑

辿る匂いの優先度を考えると、犬に嗅覚を使ったトレーニングをしようとするときには、その匂いを辿りやすくなる条件を整えることも可能かもしれませんね。
でも!トレーニングのために、いつも犬を極端な空腹状態にするのはやめてあげてください。特に幼いうちに多くの空腹を経験したパピーは、成犬になったときに不安傾向の強い犬に育ちやすくなります。動物にとって空腹は命を脅かし兼ねないものですから、パピーの空腹は多くの不安を与えることになるとお考え下さい。

https://www.b-paws.com

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. 🐾B-Paws中沢俊恵,CPDT-KA🐾
Certified Professional Dog-Trainer(国際資格)🐕
JADT Aライセンス
🐶パピーから問題行動までトレーニング。
📗トレーナー養成スクール校長
👤セミナー/施設監修 .

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