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中小企業診断士 副読本を読む「経営戦略概論」第11夜

経営戦略論の全体像を把握できる良書として紹介されていた「経営戦略概論」(波頭亮・産業能率大学出版部・2016年)についての読書メモ。第11夜は、ポーターの「競争戦略」です。

◆何をした人なの?
・マイケル・ポーター(1947~)は、米国の経済学者。戦略のバイブル「競争の戦略」の著者。
・経済学のモデル「業界構造分析(SCPモデル)」を個別企業の分析に応用した。
・企業が新規分野に進出した場合の収益性について、データを使った分析方法を提示した。
◆なぜ「競争戦略」が求められたの?
・1970年代は世界的に高度成長が止まった時期。二度のオイルショックも重なり米国経済は不景気から抜け出せなくなった。
・市場全体の成長が止まった中で、企業は成長するために、競争相手からシェアを奪うしかなくなった。
・経営者の関心課題が「競争に勝つための戦略」にシフトしていった。
◆どうやって分析するの?
・市場における自社の位置取り(ポジショニング)が戦略策定で重要だとした。ポジショニングを(1)進出する市場の選択(2)戦略タイプの選択の2段階に分類した。
・1段階目では、市場における①既存の企業間の競争、②顧客の交渉力、③供給業者の交渉力、④新規参入の脅威、⑤代替品の脅威の5つの「圧力」について分析(5フォース分析)することが、合理的に判断するための材料になるとした。
・2段階目では、進出した市場において①コストリーダーシップ(業界1番手)、②差別化(業界2番手以降)、③集中化(ニッチ)の「3つの基本戦略」を選択することができるとした。
・自社がどの「クラスター(企業群)」に属するかを調べる(クラスター分析)ことで、注目すべき競合他社や採るべき戦略パターン、経営資源の配分対象なども変わるとした。

次回は、コトラーの「四つの市場地位別戦略」についての読書メモをご紹介します。

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