『こわくないよ』って言ってもらうと、「僕の妄想なんだ」って、思う話

それでも
こわい、って、思う

その、こわい、に
真実味なんてなくて
大概、まやかしや
つくりものだ、って
わかっている

それでも
夜中になれば
ねむるまえになれば
それはかならずやってきて
なによりもの
現実味をもって
咽を、胃を
ほんのすこしだけ押してくる

ほんのすこしだけ、だ

真実味はなくて
現実味だけがあって
くるしくするには充分で
でも
酸素も意識もたりている

おそらく
たりないのは
狂うだけのなにかと
適量の水分、だけ

ほら…?
今夜も、目をつむって
暗闇の、その
うちがわにあるような
光を確認しながら
だんだんと
あかるくなって
そのうち、明日がくるんだ
現実的に
それまでの時間が
ほかのことより
幾分、ながくかんじる


ただ、それだけの味

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?