♯105 おかしい夢
廊下の先の和室から笑い声が聞こえてくる。
おじいちゃんとおばあちゃんは本当に仲良しで、いつでも2人でも楽しそうだった。
「何がそんなに可笑しいの?」
気がつくと私は祖父母の前に座っていた。
「これよ、これ」
祖母が入れたてのお茶を見せてくれると、その中には茶柱が立っていた。
「ばあさんは茶柱立てる天才や。世界選手権出れる!」
祖父の声に祖母がまた笑い出す。
「そんな選手権ありませんよ。おじいさんは本当に下らない事ばっかり言って」
そう言って2人で笑っていた。私は、並んだ祖父母の湯飲みをじっと見つめフフッと笑った。
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ドミノとシイナは、和やかな雰囲気の部屋に気持ちがほっこりしました。
「た、楽しそう」
「えぇ。とても素敵な夢ですね」
笑顔のドミノとシイナの元に、風の子・マロンは「茶柱の立った少しだけ苦い夢のカケラ(egg)」を抱えて戻って来ました。
BOX SPACE:夢現
風の子と契約を結んでいるコントラの「ドミノ」と「シイナ」。
ドミノ達は、夢の向こう側(現実)から迷い込んだ迷人(まよいびと)の夢に入り「夢のカケラ」を集める役目がある。 かつて世界を守っていた8人の王達の墓には、眠人(ねむりびと)が『墓の鍵』を眠りながら守っている。眠人(ねむりびと)の眠りを安定させる為に夢のカケラは必要なのであった。
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