#93 恐怖の夢
ひた…ひたひた…ひた…
俺はひたすら長い廊下を歩いていた。ばあちゃんちの廊下に似ている。
ひた…ひた…
さっきから、俺の後ろをもう一つの足音が着いてくる…。振り返る勇気がなくて、ただ前を見てひたすら足を動かすしかない。
「ばあちゃんちの廊下ってこんな長かったっけ?」
そもそも、ばあちゃんちはマンションだ…。廊下なんて無い。じゃあここは…そしてあの足音がは……?
ひた…ひたひたひたひたひたひたひたひた!
急に駆け出した足音に俺は大声を出して逃げ出した。
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ドミノとシイナは、固唾を飲み込み顔を見合わせました。シロイトが取ってきた夢のカケラ(egg)には、夢主が恐怖した足音がずっと響いていました。
「そ、そうだよね……楽しい夢ばっかりじゃないよね?」
「この夢を見ている夢主にとっては、悪夢でしょうね…」
ドミノとシイナは、長い廊下の先にある暗闇に夢主の悲鳴を聞いた気がしました。
BOX SPACE:夢現
風の子と契約を結んでいるコントラの「ドミノ」と「シイナ」。
ドミノ達は夢の向こう側(現実)から迷い込んだ迷人(まよいびと)の夢に入り「夢のカケラ」を集める役目がある。
かつて世界を守っていた8人の王達の墓には、眠人(ねむりびと)が『墓の鍵』を眠りながら守っている。眠人(ねむりびと)の眠りを安定させる為に夢のカケラは必要なのであった。
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