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【プレビュー】Prime Boxing9 「光速」激動のスーパーフライ級で地位を確立できるか

7/20、Prime Boxing9のプレビュー第2弾、今回はWBOスーパーフライ級タイトルマッチ田中恒成vsジョナタン・ロドリゲスについて書いていきます。


「光速」田中恒成の来歴

岐阜県多治見市出身の田中恒成選手。

同じ中部東海地方ということもあり、応援している選手のひとりです。

幼少期には空手を習っており、パンチの強化のためにボクシングを習い始めます。

高校では4冠を達成すると、畑中ジムに入門。当時ミニマム級世界ランク6位の相手にダウンを奪っての判定勝利でデビュー戦を飾ります。

2戦目はWBA世界ミニマム級12位の相手に判定勝ちで2連勝。試合後、WBA世界ミニマム級14位にランクされます。

3戦目では、井上尚弥選手のデビュー戦の相手だったクリソン・オマヤオ選手を相手に1R KO勝利を収め3連勝。試合後、東洋太平洋ミニマム級1位にランクイン。

日本男子最速となる4戦目での東洋太平洋王座獲得を達成すると、その勢いのまま日本男子最速となるプロ5戦目で世界王座獲得に成功します。

その後もプロ8戦目での2階級制覇、12戦目にはWBOフライ級王者の木村翔選手にマジョリティーデシジョンで勝利し、あのワシル・ロマチェンコに並ぶ最速記録で世界3階級制覇を達成しました。

元世界ライトフライ級王者の田口良一選手などを相手に、この王座を3回防衛すると、WBOは田中選手をスーパー王者に認定。これにより、スーパーフライ級(もしくはライトフライ級)の指名挑戦権を獲得。

そして、このときWBOスーパーフライ級王者だったのがあの井岡一翔選手でした。


世界最速4階級制覇への挑戦

田中選手は2020年末、WBOスーパーフライ級王座、そして世界最速プロ16戦目での4階級制覇をかけ、王者井岡一翔選手に挑みます。

応援していたこともあり、当時の私は田中選手の勝利予想。

序盤は田中選手が積極的に攻め込む。一方の井岡一翔選手は、ガードを固めながら的確なジャブを当てる。

田中選手は左ボディ、アッパー、右の打ち下ろしなど、多角度からのコンビネーションも出しますが、やはり井岡選手のガードが硬い。

2Rからは距離も近くなり、お互い足を止めて打ち合う展開。しかし、井岡選手の中間距離からのジャブは素晴らしく、コツコツと田中選手は頭を揺らされます。

3-4Rまでは互角の展開でしたが、5R、6Rには田中選手の右ストレートの打ち終わりに井岡選手がカウンターショートの左フックを当て田中選手ダウン!

ダウン後は田中選手がさらに攻勢に出て良いパンチを何度か当てますが、井岡選手も我慢強い。

そして迎えた第8R、またも井岡選手のカウンターの右ストレート、左フックがヒットし、ぐらついたところをレフェリーが止めて井岡選手の8R TKO勝利!

大記録目前で勢いのある若手をベテラン選手が返り討ちにし、世代交代を許さなかったという印象でしょうか。

そして田中選手はその後再起し、4連勝で迎えた今年2月、2回目の4階級制覇への挑戦。

メキシコのクリスチャン・バカセグア選手とのWBOスーパーフライ級王座決定戦で勝利し、見事世界最速21戦目での4階級制覇を達成。

試合内容としては、ディフェンス面の向上が素晴らしく、的確に自分のパンチを当て、勝ちに徹しているように見えました。


迎える初防衛戦
田中恒成(日本)20-1(11KO) vs ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)25-2-1(17KO)

そして迎える今回の初防衛戦。

相手はWBOスーパーフライ級12位のジョナタン・ロドリゲス選手(メキシコ)。

IBFスーパーフライ級王座を9度防衛したあのジェルウィン・アンカハス選手と最終ラウンドまで打ち合いを演じた強敵。

ランキングでは12位に位置していますが、実力はランキング以上のものと思われます。

KO率が高く、インタビューでも語っていた通り、初回から飛ばしてくると予想され、田中選手からすると決して油断出来ない相手です。

しかし、この混沌とするスーパーフライ級で生き残っていくためには、今回は勝つだけではなく、内容も求められる試合になるでしょう。

史上最速で世界4階級制覇を達成。それはまだ彼の序章にしか過ぎず、これからの戦い、スーパーフライ級の統一に期待します。

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