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差し込んだ一筋の光

テレビをつければ話題はずっとコロナ。日本中、いや世界中のメディアが日々の感染者数を報じていた。

目に見えない恐怖がすぐそこまで押し寄せているような日々を過ごす中、こないだ入った西野亮廣オンラインサロンの新たな取り組みとして、「鍵垢Twitter」が始まった。

(今回はこの話が中心になります。当事者でない人には退屈かもしれませんが、僕の近況を説明する上で重要な部分なので、ぜひ最後までお付き合いお願いします。なるべくわかりやすく書きますので。僕にとっては結構凄い内容です。)

みなさんはSNSをどのくらい活用しているだろうか。恥ずかしながら僕は今までほとんどやって来なかった。(facebookを少しだけ)

人に言いたいことは直接会って伝えてきたアナログタイプの僕にとって、匿名でしか物言えない奴らの世界(すごい偏見)なんかに興味はなかったが、鍵垢Twitterは個人情報を開示した上で繋がるというところに興味が湧いた。

単純に実在するどこの誰だかがわかるという事だ。

だが鍵垢と言えどSNSを始めるにあたり少しの躊躇と、そもそもTwitter自体を理解するのに多少時間がかかったため、僕が登録した6月末頃にはすでに鍵垢Twitterはたくさんの人で盛り上がっていた。

率直に「出遅れた。」そう感じた僕はその遅れを取り戻そうと、タイムラインでよく目にする人にDMを送り、すぐ会いに行った。

「初めまして!ツイッターどうやってるんですか?教えて下さい!!」

みんなビックリしながらも、自分の知ってることを快く教えてくれた。

特に海老屋の田口くん、蕎麦屋の大ちゃん、渋谷のZENちゃん。みんな改めてありがとう。

そこで気付いたのは、自分がどんだけ何を頑張っても、僕のことを知らない人達にとって僕はこの世に存在すらしていないのと同じだということ。

今はまだ世の中全体が外食ムードではない。ならば今できる事は、たくさんの人に「ぼうずのしゅんさん!豚屋さん!」ということを認知してもらおう!

もちろん時代はコロナ真っ只中。オフラインでの盛んな交流は世間の風潮と比べ逆走行為。

どうする。交流はTwitter内だけに留め、実際に会うのはまだ見送るべきか。

人との交流は当然多少のリスクが伴う。ただ何も動かなければ確実に終わる。

何度もスタッフや家族と話し合った末、

・オフラインを含む交流を積極的にやるのは僕だけ。

・オフラインで人と会う時は、極力行政のガイドラインに添って行動する。

・自分は保菌者かもしれないという自覚を強く持ち、感染拡大対策をきちんとする。

という事を皆で納得して決めた。

とは言え世間からは「不要不急の外出は控えるべきでは」という意見もあるだろう。これを読んでくれている人の中にも、たくさんの不自由をストイックに我慢して来た人もいるかもしれない。

でももしこのまま何もしなければ僕は経済的に確実に死んでしまうのだ。この決定は僕にとっては「必要早急」なのである。

思考が定まれば後は実行あるのみ。もちろん常識・良識の範囲内で。

まずは盛り上がってるタイムラインを研究しながら、時にいろんな人に聞きながら、真似できそうなことは全部やってみた。

「自分の店が暇な時は、きっと他の店も暇してるはず。」そう勝手に思い込み、そういう日は自分の店を飛び出して積極的に他のサロンメンバーさんの飲食店に足を運んだ。

そこで出会ったお店の人、たまたま居合わせた人達に、僕は決まってこう伝えた。

「できれば僕の顔と『豚』だけでも覚えて下さい!」

そうしているうちに今まで本当にたくさんの人に出会うことができた。そしてなんと、そのうちの半分くらいの人が実際に僕の店に足を運んでくれた。

これは本当に凄いことで、本当にありがたいことだと心から思う。

売上げ的にも本当にありがたいのだが、スタッフや家族に対し、僕が行動した事によっての効果を目に見える形で示せた事と、お客さんがいることで店長2人のモチベーションを維持できた事が本当に大きい。

このおかげもあり、オンライン・オフライン合わせたサロンメンバーさんとの交流活動を、スタッフや家族には引き続き理解と応援をしてもらえている。

(娘と遊んでいる時と食事の時はケータイ使用は自粛しています)

正直今まで10年以上、オフィス街と言われるこのエリアで黙々と豚肉を焼き続けた僕にとってのこの店は、仕事や学校など、すでに何らかの理由でこの街にいる人向けの店であった。

それが今、この街にたくさんいたはずのその人たちがいない。

出勤などで街に出て来ている人たちも、お酒を伴う会食を自粛したり、会社から止められたりしている。

まるで僕は人のいない街で誰からも求められていない店を構え商売を続けているようにさえ感じていた。

もしかしたらこれは一時的な事なのかもしれないが、まだまだ終わりが見えない。そんなまるで視界が黒い煙で覆われてしまったような中にあって、新たに僕に差し込んだ一筋の光が、この鍵垢Twitterで出会ったたくさんの人たちだった。

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次回は「鶏と卵」

最後までありがとうございました!

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